歯の大辞典

歯が悪いのは遺伝ですか?

う蝕(むし歯)は遺伝的な傾向が小さいです。

ただし、歯の形、大きさは遺伝するので、顎が小さいのに、歯が大きく、歯並びが悪くなって、う蝕(むし歯)になりやすい、というケースはあります。

出生後の習慣によってう蝕(むし歯)になりやすいので、注意をしましょう。

う蝕(むし歯)は基本的には感染症であり、ある種の細菌を主因とする多因子性疾患とみなすことができます。

しかし、一般の感染症の機序とはやや異なり、宿主としての歯が硬組織であることがう蝕発生の原因をより複雑なものにしています。

 

Keyesは、う蝕の成因を宿主(歯質)、微生物(プラーク)、口腔環境(食物)の3因子に簡素化し、

う蝕の発症には、う蝕感受性を有する条件にある歯が存在すること、う蝕原性菌が口腔、歯面に定着していること、

う蝕誘発性食品の存在により口腔細菌叢を定着させるプラーク形成があることの疾病過程に関係する3つの主要要因のすべてが十分みたされたときにう蝕が発症すると説明しました。

さらに、これら3要因のかかわり合う作用時間がう蝕発生に重要な意味をもちます。

Keyesによる3つの輪に要約される相互作用は、複雑多肢にわたるう蝕に関する学説を整理するのに便利であり、

予防上の指標も3つの主要要因の改善を目標にすればよいことになります。

 

ミュータンスレンサ球菌がう蝕の主要な原因菌であることは疑う余地のないところです。

ミュータンスレンサ球菌の感染はある種の期間(生後19〜31ヶ月に起こっており、それ以降は感染しにくくなっています。

最初の乳歯が萌出する6〜7ヶ月頃から3歳くらいまでが、この微生物の感染しやすい期間といえるミュータンスレンサ球菌の感染は、

その血清型や遺伝子型を比較した研究によって、母子間で菌型が一致する例が多く、主に母親から子供へと伝播していくとされています。

ただ、父親からの伝播の可能性も報告されていることから、濃厚な接触があれば、母親に限らず感染の可能性は存在すると考えられます。

 

歯列と咬合の発育異常の原因として遺伝と環境があります。

遺伝的原因には、次のようなものがあります。

 

①遺伝子が受け継がれて家系に現れるもので、骨格性の不正咬合(噛み合わせ異常)は遺伝によることが多いです。

 

②上顎過成長または下顎劣成長によって起こる骨格性Ⅱ級不正咬合、及び上顎劣成長または下顎過成長による骨格性Ⅲ級不正咬合は、遺伝によることが多いです

 

③歯槽基底(顎の大きさ)の大きさい比べて歯が大きいために起こる叢生や逆に歯が小さいことにより起こる有隙歯列などお不調和、すなわち、ディスクレンパシー(歯と顎骨の不調和)も遺伝によることが多いです

 

参考引用

小児の口腔科学

2007年 3月20日第1版第2刷発行

P157 第6章

宮沢裕夫・田中光郎 株式会社学建書院

 

環境的原因には、胎生期における環境と出生後の環境とがある。

 

小児の口腔科学

2007年 3月20日第1版第2刷発行

P74 第3章

朝田芳信・土屋友幸・前田隆英小児の口腔科学

2007年 3月20日第1版第2刷発行

P157 第6章

宮沢裕夫・田中光郎 株式会社学建書院

株式会社学建書院

 

 

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