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どこからくるのでしょうか?

2017年8月21日 17:43

みなさんこんにちは 

医療法人社団つじむら歯科医院 理事長の辻村傑(ツジムラ スグロ)です。

歯周病菌は、最初は深刻な症状を引き起こさなくても、年齢とともに次第に頭角を現し、40歳、50歳、60歳と年齢を重ねるにつれて、口臭、歯磨き時の出血、体が疲れたときに少し歯が浮く、など何かしらの症状が出始めてきます。

まったく痛くもかゆくもない状態であったとしても、歯周病菌は知らず知らずのうちに人の体をむしばんでいきます。「痛い」「血が出る」となったときは、もうかなり進行してしまっているのです。「沈黙の病」と呼ばれるのはそのためです。

また歯周病菌は歯の骨を溶かしてしまいます。歯周病菌がいると、人間の体はその毒素から自分を守らなければいけないという防衛反応が働きます。そこで白血球が増えて、その反応として「破骨細胞」という骨を溶かしてしまう細胞が骨を溶かし始めていくためです。骨を溶かすというと一見とても痛そうですが、実は痛みはなかなか発生しません。

統計によると日本人の場合、60歳から平均1本ずつ歯がなくなってしまい、80歳に向けて一気に歯が減っていってしまいます。歯周病菌の影響で自覚症状も痛みもなく歯が失われていってしまうことが多いので、この原因菌の活動をどこかのタイミングで断ち切っておかないと、確実に歯が失われていってしまいます。

とにかく歯周病は本当に怖い病気です。歯周病がそこまで怖い病気であるということが、メディアを中心に叫ばれはじめて、日本人も「そんなに怖い病気なんだ」と認識するようになったのは、ここ10年くらいではないでしょうか。

歯槽膿漏といわれていた時代は、この病気がそこまで恐ろしいという認識がなされていませんでしたが、「歯周病」といわれるようになって、ようやく深刻な病気であることが認識されつつあります。

どうすれば歯周病菌に感染しにくいのか。あるいは感染しやすいのか。それは免疫の状況によります。先ほども触れたように、歯周病菌がいても発症しないという方々は、免疫力が高かったり、いろいろな意味で健康であったり、運動をしていたりします。逆に、骨粗しょう症になっている場合、歯周病は進行しやすいのです。

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中に歯周病菌は存在しません。どこかのタイミングで感染するのです。では一体、歯周病菌はどこからやって来るのでしょうか。

 実は、「歯周病菌がどこから来たのか?」ということについて、研究者の間でもまだ明らかになっておらず、大きな謎のひとつなのです。

 そもそも一人の人間の体には約80億もの菌がいると言われています。また口の中だけでも500種類の菌が生息していると言われていて、それらすべての菌については、まだまだ謎だらけです。

 虫歯に関係している「ミュータンス菌」という菌も、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはまったく存在しておらず、また歯が出る前にミュータンス菌が口の中に入ったとしても、菌は定着しません。そのため虫歯は感染とは呼ばれないのですが、歯が出てきて2歳7ヵ月ころまでに感染すると、その人の口腔内にミュータンス菌が定着し、口腔内常在菌のひとつとなり、つまり生涯虫歯のリスクにさらされる、ということが分かっています。

 3歳未満での虫歯菌の感染は、「口移しの行為」「親が舐めたスプーンで離乳食をあげる」「親が使ったコップで飲む」「歯ブラシ」などから感染することが考えられます。したがって、幼稚園や小学校くらいのお子さんであっても、口の中に歯周病菌がいる子がいます。

 18歳になると口の中に歯周病菌が存在する人の割合が急に増えるというレポートもありますが、なぜ18歳なのかはいまだ解明されていません。

 子どものころに感染した歯周病菌が歯周ポケットなどに潜んでいて、それが爆発的に増殖するのが18歳の頃なのかもれません。18歳頃になると新陳代謝が激しいので、歯周ポケットの中でも常に新しい組織が形成されてきます。成人になるに従って、細胞ができる周期が遅くなってくるので、歯周病菌が少し優位になってくるのかもしれません。

 

辻村 傑

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