コラム

2025.06.12

マウスピース矯正(インビザライン)よくあるお悩みと対処法の基本

マウスピース矯正(インビザライン)よくあるお悩みと対処法の基本

マウスピース矯正とは?治療の基本と他との違い

「目立ちづらい矯正」として人気のマウスピース矯正。従来のワイヤー矯正とはどう違うの?という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。ここでは、マウスピース矯正の仕組みや特徴、どんな人に向いているかを詳しく解説します。

マウスピース矯正の仕組みと特徴

マウスピース矯正は、透明な樹脂製の装置(アライナー)を一定期間ごとに交換しながら、少しずつ歯を動かしていく矯正治療です。なかでも「インビザライン」は、世界で1,400万人以上が選んでいる実績あるブランドで、コンピューターによる3Dシミュレーションに基づき、精密な治療計画が立てられるのが特徴です。

最大の特長は「目立ちづらさ」と「取り外し可能な快適性」です。透明な素材でできているため、装着していても他人から気づかれにくく、結婚式や面接などの大切な場面でも安心。さらに、取り外しができるため、食事や歯磨きも普段通り行えるのは、患者様にとって大きなメリットです。

ワイヤー矯正との違いは?見た目・痛み・通院頻度

従来のワイヤー矯正は、金属製のブラケットとワイヤーを歯に固定して動かす治療法です。見た目が気になるという声も多く、特に成人の患者様にとっては心理的ハードルになることがあります。

マウスピース矯正では、見た目の違和感が少ないうえに、装置による口内の刺激が少なく、痛みも比較的軽減されます。また、装置の調整が不要なため、通院回数もワイヤー矯正より少なくて済む傾向にあり、忙しい方や遠方から通院される方にも向いています。

ただし、すべての症例に適しているわけではありません。骨格の問題を伴う重度の不正咬合などでは、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になることもあります。

マウスピース矯正が向いているケースと注意点

マウスピース矯正は、前歯のすき間や軽度~中等度の歯列不正、後戻りの再矯正などに特に効果を発揮します。治療に際しては、患者様ご自身によるアライナーの管理(1日20時間以上の装着)が必要となるため、自己管理ができる方に向いています。

また、取り外しができる利点は、逆に「装着時間が足りないと治療が進まない」という注意点でもあります。食事中の紛失や、外出時の装着忘れなどには十分な注意が必要です。

インビザライン矯正について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

どんな歯並びでも治療できる?適応症と限界

マウスピース矯正に興味はあるけれど、「自分の歯並びでも治せるのかな?」と心配な方は少なくありません。実はこの治療法には得意な症例・不得意な症例があり、すべてのケースに適応できるわけではありません。ここでは、その適応範囲と限界について具体的に見ていきましょう。

軽度〜中等度の歯列不正への対応

マウスピース矯正(インビザライン)は、軽度から中等度の歯列不正に対して高い効果を発揮する治療法です。代表的な適応例としては、前歯のすき間(空隙歯列)、でこぼこした歯並び(叢生)、部分的な出っ歯(上顎前突)、軽度の受け口(下顎前突)、前歯の軽度なズレなどが挙げられます。

これらの症例では、透明なマウスピースを段階的に交換することで、歯を少しずつ移動させ、自然で整った歯並びを目指すことができます。特に、過去に矯正を経験した方の「後戻り」に対しては、マウスピース矯正が有効な選択肢となることが多く、再矯正としてのニーズも高まっています。

難症例では併用が必要なケースも

一方で、重度の不正咬合や顎の骨格に起因する問題については、マウスピース矯正単独では対応が難しい場合があります。たとえば、上下の顎のズレが大きい開咬や、左右の非対称が顕著な症例、深い咬み合わせ(過蓋咬合)などでは、ワイヤー矯正や外科的矯正治療との併用が検討されることがあります。

また、抜歯を伴う矯正や、大きな歯の移動距離が必要なケースでも、治療計画次第で限界がある場合があります。インビザラインは年々進化しており、治療できる範囲も広がってきていますが、症例によってはより適した方法を検討する必要があります。

小児や高齢者でも可能?年齢との関係

マウスピース矯正は、年齢にかかわらず適応できる治療法です。永久歯が生えそろっていれば、中高生から治療を開始することも可能ですし、成人やシニア世代でも治療に取り組むことができます。最近では「インビザライン・ファースト」という小児向けのマウスピース矯正も登場しており、成長期の子どもでも取り組める選択肢が増えています。

ただし、年齢にかかわらず重要となるのが、「マウスピースの装着時間を守れるかどうか」「適切な口腔ケアができるか」といった点です。自己管理が難しい年齢層や、手先の動きが制限される方では、ほかの治療法を検討することもあります。

マウスピース矯正は決して“万能な治療法”ではありませんが、適切な診断と治療計画のもとでは、非常に高い効果を発揮します。自身の歯並びが対象となるかどうかを判断するには、精密な検査と専門的な見解が必要不可欠です。

まずは症例をご覧ください!

 

治療の流れは?カウンセリングから完了までのステップ

マウスピース矯正は、ただマウスピースをはめるだけではなく、いくつかのステップを経て治療が進んでいきます。初めての方でもイメージしやすいように、カウンセリングからアライナーの装着、治療の完了までの流れを順を追ってご紹介します。

初回相談時に聞かれること・見るポイント

マウスピース矯正(インビザライン)を検討するにあたって、最初のステップとなるのが「カウンセリング」です。この段階では、現在の歯並びや噛み合わせの悩み、過去の治療歴、日常生活での困りごとなどについて詳しくヒアリングが行われます。

見た目の歯並びだけでなく、咬合(噛み合わせ)や顎の動き、虫歯や歯周病の有無なども確認されます。これは、矯正治療が「見た目を整えるだけ」ではなく、口腔内の機能改善も目的としているためです。

この時点では「治療が可能かどうか」の判断は仮のものです。より正確な判断のためには、次に行う精密検査の結果が必要です。

精密検査と治療計画の立て方

カウンセリング後、治療を希望される場合は精密検査に進みます。検査には、口腔内写真、顔貌写真、レントゲン撮影(パノラマ・セファロ)、歯型のスキャン(または印象採得)などが含まれます。インビザラインでは「iTero」などの3Dスキャナーを使用することで、従来のシリコン印象よりも快適かつ精度の高いデータ取得が可能です。

これらのデータをもとに、3Dシミュレーション(クリンチェック)による治療計画が立てられます。どの歯がいつ、どのように動くのか、最終的にどのような歯並びになるのかが可視化され、患者も事前に結果イメージを確認できます。

このシミュレーションに基づいて、一人ひとりに合わせたアライナーが製作され、治療がスタートします。

アライナー装着から完了までの期間

アライナーは通常、1~2週間ごとに新しいものに交換します。1枚ごとにわずかに形状が異なり、歯に持続的な力を加えて理想の位置へ導いていきます。1日の装着時間は20~22時間が推奨されており、これを守らないと計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、再設計が必要になることもあります。

治療期間は症例によって異なりますが、軽度であれば6か月前後、中等度の症例であれば1〜2年ほどが一般的です。進行中も数ヶ月に一度は通院が必要で、歯の動きやアライナーの適合状況、口腔内の清潔状態などを確認します。

また、治療途中で追加アライナー(再スキャンによる再調整)が必要になる場合もあります。これは治療精度を高めるための調整工程であり、インビザラインの強みのひとつでもあります。

治療が完了した後は、保定装置(リテーナー)によって歯並びを安定させる“保定期間”へと移行します。矯正はゴールではなく、安定させるまでが一連の流れであることを理解しておくことが重要です。

費用の相場と支払い方法|保険適用の有無は?

矯正治療を検討するうえで、「費用」は避けて通れない大きなポイントです。特にマウスピース矯正は保険が効かないことが多く、自費診療となるため、金額の目安や支払い方法について事前にしっかり理解しておくことが大切です。

マウスピース矯正の費用感

「マウスピース矯正って、どのくらいお金がかかるの?」
これは、初めて矯正治療を考える方がもっとも気になるポイントのひとつです。

マウスピース矯正(インビザライン)は基本的に自費診療となります。そのため、クリニックによって費用設定に幅がありますが、全国的な相場としてはおおよそ70万円〜100万円程度が一般的です。軽度のケース(前歯の部分矯正など)であれば、40万円〜60万円前後のプランが用意されていることもあります。

ただし、費用に含まれる内容(診断料、シミュレーション、アライナー作製費、調整料、保定装置代など)には違いがあるため、「総額いくらになるのか」を必ず事前に確認しておくことが大切です。

自費診療と医療費控除の関係

マウスピース矯正は保険が効かないため全額自己負担になりますが、医療費控除の対象になる場合があります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えると、所得税の一部が還付される制度のことです。

ただし、美容目的の矯正(見た目だけを整える目的)では対象外となることもあります。反対に、咬み合わせや発音障害など機能改善が必要と認められた場合は、医療費控除の対象として認められる可能性があります。

申請には領収書や治療内容の記載が必要となるため、治療を始める前に確認しておくと安心です。確定申告時にまとめて申請することになります。

分割払い・デンタルローンの選択肢

高額な費用がかかるとなると、一括での支払いが難しい方も多いでしょう。そういった方のために、多くの歯科医院では分割払いやデンタルローンという支払い方法を用意しています。

デンタルローンは、治療費を提携の信販会社が立て替え、患者様は毎月決まった額を分割で支払う仕組みです。月々の支払額を抑えられるため、無理なく治療を始めることができます。手数料(利息)がかかることもあるため、契約内容はしっかり確認しておく必要があります。

また、院内分割(クリニックが独自に設定している分割支払い制度)を採用しているところもあります。こちらは金利がかからないケースもあるため、相談してみる価値があります。

費用が気になって矯正に踏み切れない…そんな方でも、支払い方法や控除制度を知っておくことで、現実的な選択肢が見えてきます。「高いから無理」とあきらめる前に、一度自分に合ったプランを検討してみるのがおすすめです。

 

「自分に合うか相談してみたい」「治療の流れをもっと詳しく聞いてみたい」
そんな方は、初回カウンセリングをご利用ください。

 

毎日どのくらい装着するの?生活との両立ポイント

透明で目立たないことで人気のマウスピース矯正(インビザライン)ですが、快適に治療を進めるには、日々の使い方がとても大切です。ここでは、実際に生活に取り入れる際の装着時間や注意点についてわかりやすく解説します。

1日の装着時間と外すタイミング

マウスピース矯正で最も大切なのが、1日の装着時間をきちんと守ることです。基本的には1日20〜22時間の装着が推奨されており、これは食事と歯みがきの時間を除くほぼすべての時間にあたります。

たとえば、朝食・昼食・夕食の3回にマウスピースを外したとしても、それぞれ15〜30分以内に済ませれば、合計で1〜1.5時間の取り外しに収まり、十分な装着時間を確保できます。逆に、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、追加のアライナーが必要になったりすることもあります。

「寝るときは外してもいいですか?」という質問もよくありますが、就寝中も必ず装着が必要です。夜間にアライナーを装着していないと、日中に整えた歯が元の位置に戻ってしまう恐れがあります。

食事・歯磨き・会話への影響

マウスピースは食事のたびに外すのが基本です。アライナーを装着したまま食べると、変形や破損、着色の原因になるため注意が必要です。また、糖分のある飲み物を飲む際も外すことが望ましく、装着中は基本的に「水のみOK」と覚えておくとよいでしょう。

一方で、アライナーを外してしまえば通常通りに食事ができます。ワイヤー矯正のように食べ物が引っかかったり、硬いものを避ける必要がなかったりする点は、マウスピース矯正の大きなメリットです。

歯みがきは、毎食後しっかりと行い、アライナーを再装着する前には必ず口の中を清潔にしておくことが大切です。アライナーと歯の間に食べかすが残ったまま装着すると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

会話に関しては、最初は若干の違和感や舌足らずな発音を感じる方もいますが、数日で慣れることがほとんどです。営業職や接客業の方でも問題なく続けている方は多く、日常生活に大きな支障をきたすことは基本的にありません。

旅行やイベント中はどうする?

旅行や出張、結婚式、面接などのイベントがあるときにも、アライナーの装着管理は継続が必要です。旅行の際は必ず予備のアライナーを持参し、保管ケースも忘れずに用意しましょう。持ち歩き用の小型ケースやアライナー専用の洗浄グッズを用意しておくと安心です。

また、滞在先での食事時間が長くなりそうな場合は、なるべく早めに装着に戻る意識が重要です。「今日は特別だから」と長時間外したままにしてしまうと、翌日の装着時にアライナーが合わなくなることもあります。

大切なのは、「いつでも、どこでも、できる範囲で継続する」こと。完璧を求めすぎず、日常の中で自然に取り入れていくことが、ストレスの少ない矯正生活につながります。

通院頻度は?忙しい人でも続けられる?

仕事や家事、学業などで毎日忙しい中、矯正治療のために何度も通院できるのか不安に思う方は少なくありません。マウスピース矯正はその点でも、比較的スケジュールに柔軟な治療法といえます。この章では、通院の頻度や診療スタイル、トラブル時の対応についてわかりやすく解説します。

平均的な通院スケジュール

マウスピース矯正(インビザライン)の大きな魅力のひとつが、通院頻度が少ないことです。一般的なワイヤー矯正では毎月の調整が必要ですが、マウスピース矯正では治療計画に沿って自宅でアライナーを交換していくため、通院は1.5〜3ヶ月に1回程度が目安となります。

この通院では、歯の動きが予定通りに進んでいるか、アライナーのフィット感に問題がないか、口腔内の清掃状態に問題がないかなどをチェックします。また、必要に応じて次のアライナーの受け渡しや、新たなシミュレーション(再スキャン)なども行います。

通院の間隔が長いため、遠方から通っている方や、平日にまとまった時間が取りづらい方にも継続しやすいのが特徴です。

リモート診療やデジタル管理の活用例

近年では、リモート診療やアプリによる管理を導入する歯科医院も増えています。スマートフォンを使って口腔内の写真を撮影し、担当医が経過を遠隔でチェックするという方法で、問題がなければそのまま次のステップに進める場合もあります。

これにより、通院回数をさらに減らすことができ、時間や距離の制約が少ない環境で矯正治療を進めることが可能になります。特に出張が多い方や育児中の方には、こうしたデジタルサポートが大きな助けになるでしょう。

ただし、すべてのケースでリモート診療が可能というわけではなく、対面でのチェックが必要な場面もあります。状況に応じて柔軟に対応してもらえるかどうかは、クリニック選びの際のチェックポイントです。

急なトラブル時の対応について

マウスピース矯正は、固定式の装置に比べてトラブルが少ないといわれていますが、それでもアライナーの破損・紛失・違和感といった問題が起こる可能性はあります。

たとえば、アライナーが割れてしまった、予定より早く合わなくなってきた、装着中に痛みが強く出るなどの症状が出た場合は、すぐに歯科医院に連絡し、指示を仰ぐことが大切です。

多くのケースでは、次のアライナーに早めに進めたり、一時的に前のアライナーに戻したりといった対処が可能ですが、状況によっては来院が必要なこともあります。

トラブルが少ないとはいえ、「困ったときにすぐ相談できる環境が整っているかどうか」も、継続のしやすさに直結します。

痛みはある?装着初日の違和感やトラブル対策

「マウスピース矯正って本当に痛くないの?」という声をよく耳にします。確かに“痛みが少ない”といわれる治療法ではありますが、まったく何も感じないというわけではありません。ここでは、治療初期に起こりやすい違和感や痛みの原因、上手な対処法について解説します。

痛みの出やすいタイミングと緩和策

マウスピース矯正で感じやすい痛みの多くは、「歯が動き始める初期段階」に集中します。とくに新しいアライナーに交換した直後の1〜2日目は、歯に圧力がかかるため、軽い鈍痛や浮いたような感覚を覚える方が少なくありません。

これは、歯が確実に動いている証拠でもありますが、痛みに敏感な方にとっては気になる要素です。痛みの程度は個人差がありますが、「噛むときに少し違和感がある」「固いものを噛むと痛い」といった症状がよくあるパターンです。

緩和策としては、柔らかい食べ物を選ぶこと、必要に応じて市販の鎮痛剤を使うことが挙げられます。ただし、強い痛みや日常生活に支障が出る場合は、早めに歯科医院に相談してください。

アライナーによる口内の違和感

アライナーは非常に薄く、装着中も目立ちにくい素材でできていますが、それでも最初の数日は「異物感」を感じることがあります。とくに、舌の動きや発音への影響、唇の内側に当たる感覚に違和感を持つ方もいます。

多くの場合、数日〜1週間ほどで自然に慣れてくるため、それほど心配はいりません。ただし、アライナーの縁が尖っていて粘膜に当たるなど、明らかに痛みがある場合には、滑らかに削って調整する処置が必要です。

また、アライナーに唾液がたまりやすいと感じる方もいますが、これも時間とともに体が慣れてくるため、経過を見ながら対応していくのが基本です。

装置が合わないときの対処法

まれに、アライナーがうまくフィットせずに「浮いてしまう」「装着しづらい」といったトラブルが起こることがあります。これは、装着時間が足りていない、歯の動きが予定より遅れているなどが原因です。

このような場合は、「チューイー」と呼ばれる専用の噛み込み補助具を使って装着を安定させるのが一般的です。毎日の装着後に数分間チューイーを噛むことで、アライナーがより密着し、計画通りの歯の移動が促されます。

また、どうしても合わない場合には、前のアライナーに一時的に戻したり、再スキャンをして新たにアライナーを作成するなどの対応が行われます。

大切なのは、「無理に装着を続けないこと」と「我慢せずに相談すること」です。早めの対応が、治療のスムーズな進行につながります。

矯正中の違和感や軽度の痛みは、多くの方が通る道です。しかし、その症状が一時的であること、そして適切に対処すれば大きな問題にならないことを知っておくと、安心して治療を継続することができます。

日常生活で気をつけることは?QOLを保つコツ

マウスピース矯正(インビザライン)は、見た目や快適さで支持される矯正方法ですが、装着中は日々の生活習慣に少し工夫が必要です。ここでは、治療中の生活で気をつけたいポイントと、治療の質を下げずに快適さを保つコツをご紹介します。

飲食制限や着色への対策

マウスピース矯正中は、「装着中に飲食しない」というルールが基本です。食べ物だけでなく、コーヒー・お茶・ワインなどの着色性飲料も、アライナーの黄ばみや劣化につながるため、装着中の摂取は避けましょう。

飲み物は「水」のみが推奨されています。つい癖でコーヒーを飲みたくなる方は、アライナーを外してから飲む、またはストローを使用して歯に触れないようにするなどの工夫が必要です。

また、食後は歯みがきを済ませてからアライナーを再装着するのが基本ですが、外出先などで難しい場合は、うがいで口の中をきれいにしてから装着するようにしましょう。

アライナーの洗浄と保管方法

アライナーは1〜2週間ごとに交換するとはいえ、その間は常に清潔に保つ必要があります。洗浄は毎日2回以上を目安に行い、やわらかい歯ブラシと水で優しくこすって汚れを落とします。熱湯は変形の原因になるためNGです。

専用の洗浄剤を使うと、ニオイや着色予防にも効果的です。洗浄剤を使用するタイミングは、就寝前や朝の装着前など、習慣化しやすい時間帯を選ぶとよいでしょう。

また、アライナーを外したときにティッシュに包んで置いておくのは避けるべきです。誤って捨ててしまうケースが多く、外出先では特に注意が必要です。必ず専用ケースに入れて保管するようにしてください。

知らずにやりがちなNG習慣

治療中によくある「やってしまいがち」な行動には注意が必要です。たとえば、装着時間を計らず「なんとなく」で装着していると、1日20時間の装着が守れていない可能性があります。

スマホのアプリなどで装着時間を管理することで、装着忘れや時間不足を防ぐことができます。また、寝落ちして装着を忘れるという方は、就寝前のルーティンに「アライナー装着」を組み込むのも有効です。

もうひとつのNG習慣が、アライナーを装着したまま熱い飲み物を飲むことです。高温により変形するだけでなく、歯とアライナーの間に液体が入り込み、虫歯リスクが高まる原因になります。

このように、ちょっとした意識と行動の工夫が、マウスピース矯正の快適さを保ちつつ、スムーズな治療につながります。自分のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。

後戻りしないためには?治療後の保定について

マウスピース矯正で理想の歯並びを手に入れた後、多くの方が油断してしまうのが「保定」のステップです。歯は治療終了後も元の位置に戻ろうとする性質があり、適切なケアをしなければせっかくの成果が台無しになってしまうことも。ここでは、矯正後の歯並びを安定させるために大切な“保定”について詳しく解説します。

リテーナーの装着時間と管理

矯正治療後に使用する「リテーナー(保定装置)」には、取り外し可能なタイプと、歯の裏側に固定するワイヤー型のタイプがあります。どちらも歯の位置を安定させる役割を持っており、治療の成功には欠かせない存在です。

マウスピース矯正の場合、多くは透明な取り外し式リテーナーを装着します。最初の数ヶ月は1日20時間以上の装着が必要となることもありますが、徐々に夜間のみの使用へと移行します。

リテーナーは清潔に保つことも重要です。アライナーと同様、毎日の洗浄を習慣づけ、変形や破損がないか定期的にチェックしましょう。

いつまで続ける?保定期間の目安

保定期間には個人差がありますが、目安としては「少なくとも1〜2年」、中には「生涯にわたって夜間のみ装着を継続する」といった方もいます。特に歯が動きやすい10代後半や、骨格が不安定なケースでは長期的な保定が必要になることがあります。

保定を怠ってしまうと、数ヶ月〜1年のうちに歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」が起こることがあります。特に歯が移動しやすい前歯部分は、見た目にも影響が出やすいため注意が必要です。

後戻りを防ぐためにも、担当医の指示通りにリテーナーを使用し、勝手な自己判断で装着をやめないようにしましょう。

定期検診とメンテナンスの重要性

矯正が終わった後も、3〜6ヶ月に一度の定期検診を受けることが大切です。リテーナーがきちんと機能しているか、装着状況に問題がないか、歯や歯茎の健康状態も合わせてチェックしてもらうことで、長く安定した歯並びを維持することができます。

また、リテーナーの劣化や変形が見つかった場合は、早めに新しいものを作成することも重要です。「壊れたけど、面倒だから装着をやめた」という判断は、後戻りの原因になるため要注意です。

マウスピース矯正は「終わったらおしまい」ではなく、保定期間を含めて治療が完了します。きれいな歯並びを長く保つためにも、治療後の習慣づくりとメンテナンスを怠らないことが大切です。

矯正歯科治療後の「後戻り」について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

どこで治療を受ける?クリニック選びのポイント

マウスピース矯正(インビザライン)は、歯科医院であればどこでも同じ品質が提供されるわけではありません。実際の治療結果を左右するのは、使用する技術だけでなく、治療を行う歯科医師の知識・経験・診断力です。ここでは、後悔しないためのクリニック選びのポイントを解説します。

矯正専門医の有無や経験値

マウスピース矯正は、見た目の良さや利便性に注目が集まりがちですが、本質は「歯並びと噛み合わせを医学的に正しく整える医療行為」です。そのため、治療を担当する医師が矯正治療の専門知識を持っているかどうかは非常に重要です。

矯正専門医の資格を持っているか、もしくは矯正治療の症例実績が豊富であるかを確認しましょう。特にインビザラインはデジタル治療計画に依存する部分が大きいため、治療計画の精度と微調整の判断力が治療成功のカギになります。

医院の公式サイトで実際の症例写真や、治療に関する方針が明記されているかも重要な判断材料になります。

先進設備とデジタル技術の導入状況

マウスピース矯正では、3Dスキャナーやデジタルシミュレーションシステムを使って治療計画を立てるのが一般的です。先進機器が導入されているかどうかは、治療の精度と快適性に大きく影響します。

たとえば「iTero(アイテロ)」という光学スキャナーを用いて口腔内を撮影すれば、従来の型取りと比べて圧倒的に快適で、誤差の少ない精密な型採りが可能です。また、シミュレーション画面で歯の動きの過程を確認できることで、治療への納得感やモチベーション維持にもつながります。

こうした設備が整っている医院では、患者様にとっての不安や負担を減らす工夫がなされているといえます。

カウンセリング時に確認すべきこと

初回カウンセリングの場では、費用や期間の説明だけでなく、「患者様の生活背景や治療の希望」をきちんとヒアリングしてくれるかが重要です。歯並びの状態だけを見るのではなく、「その人のライフスタイルに合った治療」を提案してくれる医院こそ信頼できます。

また、以下のような質問をすることで、医院の対応力や方針が見えてきます。

  • ・どのような症例にマウスピース矯正が向かないか?
  • ・治療途中でトラブルが起きた場合の対応は?
  • ・リテーナー(保定装置)の費用や管理方法は?

これらに対して丁寧に説明があり、無理に治療をすすめてこない医院であれば、安心して治療を任せられるでしょう。

理想の歯並びを叶えるためには、信頼できるクリニックとの出会いが何よりの第一歩です。マウスピース矯正を検討している方は、設備・実績・対応すべてをバランスよくチェックし、自分に合った医院を選びましょう。

つじむら歯科医院では、矯正専門の歯科医師が在籍し、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた丁寧なカウンセリングを行っています。初診相談も承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

 

矯正治療は医院選びから。まずは相談からはじめてみましょう!

 

 

 

伊勢原市にある再発率0%を追求した見えない非抜歯専門クリニック
『 つじむら歯科医院 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214

 

【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑 

《公式facebookアカウント》

【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長

【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士

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