コラム

2026.02.20

「歯みがきはしてるのに汚れが残る」人が見落としがちな歯列の問題

「歯みがきはしてるのに汚れが残る」人が見落としがちな歯列の問題

毎日きちんと歯みがきをしているのに、検診で「磨き残し」を指摘される――そんな経験があると、不安になりますよね。実は原因が磨き方ではなく、歯並びや噛み合わせなど「歯列の構造」に隠れていることもあります。
本記事では、汚れが残りやすい歯列の特徴と見落としがちなポイント、年代別の注意点、改善の考え方まで整理します。ぜひ最後までご覧ください。

1. 歯みがきしているのに汚れが残るのはなぜ?

毎日きちんと歯磨きをしているのに、「検診で磨き残しを指摘される」「同じところばかりむし歯になる」と感じたことはありませんか。
努力しているのに結果が出ないと、不安や疑問が募るものです。
しかしその原因は、必ずしも磨き方の問題だけとは限りません。歯並びや噛み合わせといった口の中の形が影響しているケースもあります。
まずは、汚れが残る理由を整理していきましょう。

歯垢が残りやすい場所には共通点がある

歯垢(プラーク)は、歯と歯の間、奥歯の溝、前歯の裏側などに残りやすい傾向があります。
これらの部位は歯ブラシの毛先が届きにくく、角度も取りづらいため、どうしても清掃効率が下がります。
特に歯並びがガタガタしている場合、歯が重なって段差ができ、そこに汚れが引っかかります。
毎日磨いていても、物理的にブラシが当たっていなければ、汚れは落ちません。
まずは「どこに残りやすいのか」を把握することが大切です。

歯並びが作る見えない死角

歯列が狭い、歯がねじれている、前後にずれているといった状態では、見た目以上に清掃が難しくなります。
歯と歯が重なっている部分は毛先が入り込めず、結果として同じ場所に汚れが溜まり続けます。
また、噛み合わせが深い場合は前歯の裏側が見えにくく、磨き残しが慢性化することもあります。
磨き方の癖も影響しますが、歯の並び方が関係している場合もあります。
歯並びは汚れの溜まりやすさに直結する要素であることを知っておく必要があります。

努力だけでは解決しないケースもある

歯磨きの回数を増やしたり、時間を長くしたりしても改善しない場合、原因は別のところにある可能性があります。
たとえば歯と歯の間が狭すぎる場合はフロスが通りにくく、逆に広すぎると歯間ブラシが必要になります。
適切な清掃補助具を使っていないと、どれだけ丁寧に磨いても汚れは残ります。
さらに、歯並び自体が複雑な場合は、セルフケアだけでは限界があることもあります。
汚れが残る背景を客観的に確認することで、初めて本当の対策が見えてきます。

2. 汚れが残りやすい歯並びの特徴とは

「歯磨きはきちんとしているのに汚れが残る」と感じる方の中には、歯並びそのものが清掃性に影響しているケースが少なくありません。
歯は本来、ゆるやかなアーチ状に並び、歯ブラシの毛先が均等に当たりやすい形が理想とされています。
しかし歯列に乱れがあると、どうしても磨きにくい構造が生まれてしまいます。
ここでは、汚れが残りやすい代表的な歯並びの特徴について整理していきます。

叢生(ガタガタの歯並び)と磨き残しの関係

叢生とは、歯が重なり合って凸凹に並んでいる状態を指します。いわゆる「八重歯」や前歯のガタつきも、この一種です。
歯が重なっている部分はブラシの毛先が入り込みにくく、特に歯と歯の接触面にプラークが停滞しやすくなります。
表面はきれいに見えても、重なりの内側に汚れが溜まっていることも珍しくありません。
また、フロスが通りにくかったり、無理に通すと出血しやすかったりするため、清掃自体が負担になることもあります。
その結果、「磨いているつもり」でも慢性的な磨き残しが起こりやすくなるのです。

出っ歯・受け口がつくる清掃の難しさ

上の前歯が前方に突出している「出っ歯(上顎前突)」や、下の歯が前に出ている「受け口(反対咬合)」も、汚れが残りやすい歯並びのひとつです。
出っ歯の場合、前歯の裏側にブラシが当たりにくく、歯ぐきとの境目にプラークが溜まりやすくなります。
反対咬合など噛み合わせのズレがあると、歯の当たり方や歯の傾きが影響して、磨き残しが起きやすい部位が偏ることがあります。
どちらも見た目の問題だけでなく、日常的なセルフケアの難易度を上げる要因になります。

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歯列の幅が狭い・ねじれがあるケース

歯列の幅が狭い場合や、歯が重なって並ぶ場合は、歯ブラシやフロスが届きにくい部位が生じやすくなります。
また、歯がねじれて生えていると、正面から見ただけでは気づきにくい裏側の死角が生まれます。
特に奥歯は視認性が低く、ねじれや傾きがあると汚れが停滞しやすい部位です。
こうした状態が続くと、むし歯や歯肉炎のリスクが高まります。
歯磨きの工夫も大切ですが、そもそもの歯並びの状態を把握することが、根本的な改善への第一歩になります。

3. 「磨いているのに残る」構造的な理由を理解する

毎日ていねいに歯磨きをしているのに、歯科医院で「まだ汚れが残っていますね」と言われてしまう。そうした経験は、決して珍しいことではありません。
原因は努力不足ではなく、歯並びや噛み合わせといった構造的な問題にあることも少なくありません。
歯ブラシは万能ではなく、当たりにくい場所があれば、どうしても清掃効率は下がります。
この章では、歯磨きでは補いきれない構造的な理由について整理していきます。

歯ブラシの毛先が届きにくい「死角」の存在

歯ブラシは基本的に平面に近い部分には当たりやすい設計ですが、歯が重なっていたり、内側に入り込んでいたりすると、毛先が届かない「死角」が生まれます。
特に前歯の裏側や、奥歯の外側・内側の傾斜部分は、意識していないと十分に磨けない場所です。
歯がねじれている場合は、見えている面と実際に汚れが溜まっている面が一致しないこともあります。
そのため、表面はつるつるでも、歯と歯の境目や歯ぐきとの境界部分にプラークが停滞していることがあります。
どれだけ時間をかけても、構造的に届かない場所があれば、磨き残しは繰り返されてしまうのです。

噛み合わせのズレが生む清掃バランスの偏り

噛み合わせがずれていると、特定の歯ばかりが強く接触し、逆にあまり使われない歯が出てきます。
よく使われる歯は一見きれいに見えますが、実際には摩耗や歯ぐきへの負担がかかりやすくなります。
一方で、噛むときの頬や舌の動き、唾液の流れによる自然な汚れ落ちが起きにくい部位では、プラークが溜まりやすい傾向があります。
さらに、かみ合わせの高さに左右差があると、歯ブラシの当たり方にも偏りが生まれ、無意識のうちに同じ場所ばかり磨いてしまうことがあります。
こうしたバランスの崩れは、自分では気づきにくいものです。

噛み合わせが悪いとどうなるかについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

歯ぐきの形と歯列の関係も影響する

歯並びの乱れは、歯ぐきのラインにも影響を与えます。
歯が重なっている部分では歯ぐきが入り組んだ形になり、溝が深くなりやすい傾向があります。
そこにプラークが溜まると、炎症を起こしやすくなり、さらに歯ぐきが腫れて清掃しづらくなるという悪循環に陥ることもあります。
また、歯と歯の間の三角形の隙間(歯間部)は、歯列の乱れによって形が不規則になるため、フロスや歯間ブラシが適切に当たりにくい場合もあります。
歯ぐきの状態と歯並びは密接に関係しており、どちらか一方だけでは改善が難しいこともあるのです。

歯磨きのせいではなく「磨けない形」が原因のことも。まずは検査で原因を見える化しましょう。

4. 子どもの歯並びと「汚れが残る」関係を見逃さない

子どもは毎日歯磨きをしていても、「奥歯に汚れが残っています」「歯ぐきが少し赤くなっています」と指摘されることがあります。
仕上げ磨きをしているのに磨き残しが続くと、保護者の方は不安や疑問を感じるかもしれません。
しかしその背景には、歯磨きの技術だけではなく、成長途中の歯並びや口腔環境が関係していることも少なくありません。
ここでは、小児期特有の歯列の特徴と、汚れが残りやすくなる理由を整理します。

生え替わり期特有のデコボコが磨き残しを招く

乳歯から永久歯へと生え替わる時期は、歯列が一時的に不揃いになります。
背の低い乳歯の横に大きな永久歯が顔を出し、段差が生じることで、歯ブラシの毛先が均等に当たりにくくなります。
特に前歯や第一大臼歯(6歳臼歯)は、生え始めの段階で歯ぐきに半分埋まっていることもあり、磨き残しが生じやすい部位です。
さらに、永久歯は溝が深く複雑な形状をしているため、見た目以上に汚れが入り込みやすい構造をしています。
丁寧に磨いているつもりでも、形態的に汚れが溜まりやすい時期であることを理解することが大切です。

顎の成長と歯の大きさのアンバランス

子どもの顎は成長途中であり、歯の大きさとのバランスが一時的に崩れることがあります。
顎の幅が十分に広がらないうちに永久歯が並び始めると、歯が重なったり、内側や外側にずれて生えたりすることがあります。
このような状態では、歯と歯の間に狭いすき間や重なりができ、歯ブラシが入りにくくなります。
また、歯列が内側に入り込んでいる場合は、頬や舌が当たりやすく、無意識に磨きにくい方向へブラシを避けてしまうこともあります。
こうしたアンバランスは成長とともに変化することもありますが、経過を観察する視点が重要になります。

口呼吸や舌の癖が歯列と清掃性に影響する

子どもの場合、口呼吸や舌で前歯を押す癖などの習慣が、歯並びに影響を与えることがあります。
口呼吸が続くと口腔内が乾燥し、唾液の自浄作用が十分に働きにくくなります。
その結果、同じ歯磨きをしていてもプラークが残りやすくなります。
口呼吸や舌の使い方などの習慣が重なると、歯並びや清掃性に影響することがあります。
こうした機能的な要因は、見た目の歯並びだけでは判断しにくい部分です。
歯磨き習慣とあわせて、呼吸や舌の使い方にも目を向けることが、小児期の口腔環境を整えるうえで大切なポイントになります。

5. 思春期・成人期に気づく「歯磨きしているのに汚れが残る」理由

子どもの頃は問題がなかったのに、思春期や成人になってから「きちんと歯磨きをしているのに汚れが残る」と感じる方も少なくありません。
歯磨きの回数や時間は変わっていないのに、歯石がつきやすくなったり、歯ぐきの腫れを指摘されたりする背景には、歯並びや噛み合わせの変化が関係していることがあります。
成長が落ち着いた後でも、歯列はわずかに動くことがあり、その影響が清掃性に現れる場合があるのです。
ここでは、思春期以降に見られる歯列と磨き残しの関係を整理します。

前歯のわずかな重なりがプラークを溜めやすくする

成人に多く見られるのが、下の前歯の軽い重なりです。
もともとは整っていた歯並びでも、加齢や噛み合わせの力の影響により、前歯が内側に寄ってくることがあります。
このわずかな叢生(そうせい)は見た目では気にならない程度でも、歯ブラシの毛先が入り込みにくいすき間を生み出します。
その結果、プラークが慢性的に残りやすくなり、歯石の付着や歯ぐきの炎症につながることがあります。
特に下顎前歯の裏側は唾液腺に近く、歯石が形成されやすい部位でもあります。
歯磨き習慣を見直しても改善しにくい場合は、歯列の状態を確認することが大切です。

奥歯の傾きやかみ合わせの乱れによる清掃困難

奥歯は視認しづらく、もともと磨き残しが生じやすい部位ですが、歯の傾きやかみ合わせの乱れがあるとさらに清掃が難しくなります。
例えば、奥歯が内側に倒れている場合、頬側からも舌側からもブラシが十分に当たりにくくなります。
また、かみ合わせのバランスが崩れていると、特定の歯に強い力がかかり、歯と歯の間に微細なすき間が生じることがあります。
こうした構造的な問題は、いくら丁寧に磨いてもセルフケアだけでは完全にカバーできない場合があります。
定期的なチェックで歯列やかみ合わせの状態を把握することが、汚れの残りにくい口腔環境づくりにつながります。

生活習慣の変化と歯列の影響の重なり

思春期から成人期にかけては、生活リズムや食習慣が変化しやすい時期でもあります。
間食の増加やストレスによる歯ぎしり、食いしばりなどが重なると、歯列に微妙な変化が起こることがあります。
歯ぎしり・食いしばりなどの力の影響も含め、さまざまな要因で歯並びは少しずつ変化することがあります。
また、忙しさから歯磨きが短時間になりやすい場合、もともと清掃しにくい歯並びがさらに問題を顕在化させます。
生活習慣の見直しとともに、歯列の状態を客観的に確認することが、「歯磨きしているのに汚れが残る」状況の改善への第一歩になります。

6. 子どもの歯並びと「磨き残し」の関係に気づくタイミング

「毎日きちんと歯磨きしているのに、またむし歯と言われた」「仕上げ磨きをしているのに、汚れが残っていると指摘された」――こうした声は、保護者の方からよく聞かれます。
子どもの場合、歯磨きの技術だけでなく、成長途中の歯並びそのものが磨き残しの原因になっていることがあります。
乳歯と永久歯が混在する時期は特に複雑で、見た目では分かりにくい凹凸や段差が生じやすいのが特徴です。
ここでは、子どもの歯列発達と「歯磨きしているのに汚れが残る」背景について整理します。

乳歯と永久歯が混ざる「混合歯列期」の落とし穴

小学校前後の時期は、乳歯が抜け、永久歯が生え始める「混合歯列期」にあたります。
この時期は歯の高さや大きさが不ぞろいになり、歯列に一時的な段差やすき間が生まれます。
生えたばかりの永久歯は背が低く、隣の歯よりも奥まった位置にあるため、歯ブラシが届きにくくなります。
その結果、見た目にはきれいに見えても、歯と歯ぐきの境目や奥歯の溝にプラークが残りやすくなります。
「歯磨きが足りない」のではなく、「構造的に磨きにくい時期」であることを理解することが大切です。
成長に伴う一時的な変化を踏まえたケアが求められます。

あごの成長バランスと歯の並ぶスペース不足

子どもの歯並びは、あごの成長と密接に関係しています。
あごの大きさに対して歯が大きい場合、永久歯が生えるスペースが不足し、重なりやねじれが生じやすくなります。
特に前歯が内側や外側にずれて生えると、歯ブラシの毛先が均一に当たらず、磨き残しが慢性化することがあります。
保護者が仕上げ磨きをしていても、歯の向きや重なりによっては完全に清掃するのが難しいケースもあります。
歯並びは見た目だけの問題ではなく、日々の清掃性や将来的なむし歯・歯肉炎のリスクにも影響する要素です。
早めに歯列の状態を把握しておくことが重要です。

生活習慣と歯列発育の相互作用

指しゃぶりや口呼吸、頬づえなどの習慣は、あごや歯列の成長に影響を与えることがあります。
長期間続くと、前歯が前方に傾いたり、かみ合わせにずれが生じたりする場合があります。
こうした歯並びの変化は、結果として歯磨きのしにくさにつながり、「歯磨きしているのに汚れが残る」状態を引き起こすことがあります。
生活習慣の改善とあわせて、歯列発育を専門的に観察することが、将来のトラブル予防につながります。
歯磨き指導だけでなく、歯並びの観点からも定期的に確認することが、子どものお口の健康を守る大切な視点です。

7. 歯並びを整えることが「磨きやすさ」につながる理由

「歯磨きしているのに汚れが残る」「毎回同じ場所を注意される」――そうした状態が続く場合、歯磨きの方法だけでなく、歯並びそのものを見直す必要があるケースもあります。
歯列が整うと、見た目が変わるだけでなく、歯ブラシの毛先が届きやすくなり、清掃効率が大きく向上します。
むし歯や歯肉炎を繰り返さないためには、磨き方と同時に磨きやすい環境づくりが重要です。
ここでは、歯並びを整えることがなぜ日々の歯磨きの質を高めるのか、その理由を整理します。

歯がまっすぐ並ぶことでブラシが届きやすくなる

歯が重なっていたり、内側や外側にずれていたりすると、歯ブラシの毛先が均一に当たりません。
毛先が届かない部分にはプラークが蓄積しやすく、「磨いたつもりでも汚れが残る」状態になります。
一方、歯がまっすぐ並ぶと、歯と歯の間や歯ぐきの境目にブラシがしっかり当たり、効率よく清掃できるようになります。
特別な技術がなくても、基本的なブラッシングで汚れを落としやすくなるため、毎日のセルフケアの質が安定します。
歯並びを整えることは、清掃の難易度を下げることにもつながるのです。

歯間部の清掃効率が高まり、補助器具も使いやすくなる

歯が適切な位置関係で並んでいると、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃用具もスムーズに使えます。
歯が強く重なっている場合、フロスが通りにくかったり、無理に通すことで歯ぐきを傷つけたりすることがあります。
また、すき間が不均一だと歯間ブラシのサイズ選択も難しくなります。
歯列が整うことで歯間部の形態が安定し、適切な器具を選びやすくなり、結果として歯周病予防にもつながります。
「歯磨き+補助清掃」が無理なく続けられる環境づくりは、長期的な口腔健康にとって大切な視点です。

マウスピース型矯正という選択肢

歯並びを整える方法の一つとして、透明なマウスピースを用いる矯正治療があります。
薄く歯に密着する装置を段階的に交換しながら歯列を整えていく方法で、取り外しが可能な点が特徴です。
取り外しができるため清掃はしやすい一方で、決められた装着時間を守る必要があり、適応は歯並びの状態によって異なります。
歯並びを改善することは、見た目だけでなく「歯磨きしているのに汚れが残る」という悩みの背景にある構造的な問題へのアプローチにもなります。
歯列と清掃性の関係を理解し、自分に合った方法を検討することが、将来のお口の健康を守る一歩となります。

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8. 「磨いているのに残る」状態を放置しないために

毎日きちんと歯磨きをしているのに、検診のたびに「ここに汚れが残っていますね」と言われる――。
そのような経験を繰り返していると、「自分の磨き方が悪いのでは」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、歯磨きの努力だけでは解決できない背景に、歯並びや噛み合わせの問題が隠れていることもあります。
大切なのは、自分を責めることではなく、原因を正しく知ること。
ここでは、汚れが残る状態を放置しないための考え方を整理します。

繰り返すむし歯・歯肉炎はサインかもしれない

同じ場所のむし歯を繰り返す、いつも特定の歯ぐきが腫れる――こうした症状は、単なる磨き残しではなく、清掃しづらい歯列構造のサインである可能性があります。
歯が重なっている部分や、奥に倒れている歯の周囲は、どうしてもプラークが溜まりやすくなります。
セルフケアを頑張っているのに結果が伴わない場合、「磨き方」だけに目を向けるのではなく、「磨きにくさの原因」にも目を向けることが重要です。
小児期からこうした傾向が見られる場合は、早めの評価が将来的なトラブル予防につながります。

定期的な歯科評価で原因を可視化する

歯科医院では、単に汚れの有無を見るだけでなく、歯列や噛み合わせ、磨き残しの傾向を総合的に確認します。
どの部位にプラークが付きやすいのか、歯ブラシの当たりにくい場所はどこかを客観的に把握することで、具体的な対策が立てられます。
また、歯並びが原因で清掃性が低下している場合には、その構造的な問題を説明したうえで、将来的な選択肢についても整理できます。
原因が明確になることで、やみくもに磨き方を変えるのではなく、根拠のある改善が可能になります。

歯並び改善という予防的アプローチ

歯列を整えることは、見た目の改善だけでなく、「汚れが残りにくい口腔環境」をつくるという意味もあります。
特に取り外し可能なマウスピース型矯正は、日々の歯磨きを妨げにくい点が特徴です。
食事や清掃時に外せるため、矯正治療中も口腔内を清潔に保ちやすくなります。
歯並びを整えることでブラッシング効率が向上し、将来的なむし歯や歯周病リスクの軽減にもつながります。
「歯磨きしているのに汚れが残る」という悩みは、歯列という視点から見直すことで、新たな解決の道が開けるかもしれません。

9. 子どものうちに気づきたい歯並びと清掃性の関係

「毎日仕上げ磨きもしているのに、なぜか同じところが白くなっている」「歯科検診で毎回同じ部位を指摘される」――こうした声は、保護者の方からよく聞かれます。
子どもの場合、歯磨きの技術だけでなく、歯並びの状態が清掃性に大きく影響していることがあります。
成長段階にあるからこそ、今の歯列が将来どのように変化していくのかを見極める視点が大切です。
本章では、小児期に注目したいポイントを整理します。

乳歯列・混合歯列期に起こりやすい磨き残し

子どもの歯列は、乳歯のみの時期から永久歯が混ざる「混合歯列期」へと移行します。
この時期は歯の大きさや高さが不ぞろいになり、段差やすき間が生じやすい状態です。
特に生えたばかりの永久歯は溝が深く、歯ブラシが届きにくいため、プラークが残りやすくなります。
また、前歯が重なり始めたり、奥歯が傾いて生えてきたりすると、磨き残しが慢性化することもあります。
「まだ子どもだから」と様子を見るのではなく、歯列の発育状況を定期的に確認することが、トラブルの予防につながります。

仕上げ磨きだけでは解決できないケース

保護者が丁寧に仕上げ磨きをしていても、歯の重なりやねじれが強い場合、物理的に毛先が入りにくいことがあります。
その結果、同じ部位にプラークが蓄積しやすく、むし歯や歯肉炎のリスクが高まります。
こうした場合、「磨き方の工夫」だけでなく、「歯列の評価」という視点が必要です。
歯科医院では、歯並びの状態や顎の成長バランスを確認し、将来的にどのような変化が予想されるかを説明します。
早期に傾向を把握することで、必要に応じた対応を計画的に検討できます。

将来を見据えた矯正という選択肢

歯並びが原因で清掃性が低下している場合、成長段階に応じた矯正治療を検討することも一つの方法です。
歯列が整うことで歯ブラシが届きやすくなり、セルフケアの効果が高まりやすくなります。
近年は透明なマウスピース型矯正など、生活に配慮した方法も選択肢として広がっています。
小児期に歯列の状態を正しく把握し、必要に応じて整えていくことは、将来のむし歯・歯周病リスクの軽減にもつながります。
子どもの歯磨き習慣を支えるためにも、歯並びという視点を忘れずに考えることが大切です。

10. 歯並びを整えることが「汚れが残らない口」への第一歩

毎日しっかり歯磨きをしているのに汚れが残る――その原因が歯並びにある場合、セルフケアの努力だけでは限界があることもあります。
歯列は単なる見た目の問題ではなく、清掃性やむし歯・歯周病のリスクに直結する「機能の土台」です。
だからこそ、「磨き方を変える」だけでなく、「磨きやすい歯並びをつくる」という視点が大切になります。
ここでは、歯列改善がもたらす変化と、将来を見据えた選択肢について整理します。

歯列が整うことで高まるセルフケアの効果

歯並びが整うと、歯と歯の重なりや凹凸が減り、歯ブラシの毛先が均等に当たりやすくなります。
その結果、毎日の歯磨きで除去できるプラーク量が安定し、磨き残しの偏りが少なくなります。
特に前歯のガタつきや奥歯の傾きが改善されることで、フロスや歯間ブラシも使いやすくなり、セルフケアの質が向上します。
つまり、歯列を整えることは「特別なケアを増やす」ことではなく、「今の歯磨きの効果を最大限に引き出す」環境づくりともいえるのです。

清掃性と将来の口腔健康の関係

磨き残しが慢性化すると、むし歯や歯肉炎を繰り返すだけでなく、歯ぐきの退縮や口臭の原因にもつながります。
歯列が整い、清掃しやすい状態を保つことは、長期的な口腔健康の維持に直結します。
特に成長期の子どもや、仕事や育児で忙しい大人にとって、毎日のケアがシンプルに行える環境は大きなメリットです。
歯並びの改善は、単なる審美目的ではなく、「汚れが残りにくい口腔環境をつくる」という予防的な意味合いも持っています。

目立ちにくく続けやすい矯正という選択肢

歯列改善を検討する際、見た目や生活への影響が気になる方も少なくありません。
近年は、透明なマウスピース型矯正(インビザライン)など、目立ちにくく取り外しが可能な治療法も選択肢として広がっています。
取り外して歯磨きができるため、清掃性を保ちながら歯列を整えられる点は大きな特長です。
適応の可否や治療計画は歯並びの状態によって異なりますが、「汚れが残らない口を目指す」という観点から、歯列を見直すことは前向きな一歩といえるでしょう。
まずは自分の歯並びが清掃性にどのように影響しているのかを知ることが、将来の健康を守る出発点になります。

インビザラインについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

気になる方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

神奈川県伊勢原市の
見えない矯正歯科治療専門外来/マウスピース矯正(インビザライン)
『 つじむら歯科医院 伊勢原 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214

 

【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑 

《公式facebookアカウント》

【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長

【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士

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