なぜ今、矯正治療が注目されているのか
かつては子どものうちに行うイメージが強かった矯正歯科治療ですが、近年では大人の患者様からの需要も高まり、年齢を問わず矯正を希望する方が増えています。その背景には、「歯並び」が見た目の美しさだけでなく、健康や生活の質に大きな影響を与えるという意識の高まりがあります。
美容だけでなく健康面にも影響する「歯並び」
歯並びが整っていないと見た目に影響するのはもちろんのこと、咀嚼(そしゃく)機能の低下、虫歯や歯周病のリスク増加、顎関節への負担、そして肩こりや頭痛の誘因になることもあります。
また、歯並びの乱れは発音にも影響し、滑舌が悪くなるケースもあります。こうした「健康に直結する要素」として、歯並びが見直されてきたことが、矯正治療の注目度を高めている理由の一つです。
大人でも始められる時代に
現代では、20代〜60代以上の幅広い年齢層で矯正治療を受ける方が増えています。
特に「人前で話す仕事をしている」「子育てが落ち着いたので自分の歯を整えたい」といったライフステージの変化が、大人の矯正ニーズを後押ししています。
また、成人矯正に対する社会的理解も進み、「大人になってからでも遅くない」と思える環境が整ってきています。
医療技術の進歩と選択肢の拡大
かつては銀色のワイヤー装置が主流でしたが、今では目立ちづらいマウスピース型矯正装置(インビザラインなど)や、歯の裏側に装着する裏側矯正、透明なブラケットなど、審美性や快適性を重視した装置が選べるようになりました。
装置の種類が増えたことで、職業やライフスタイルに合わせて無理なく治療を続けられる点も、大きな魅力です。
さらに、歯科用CTや3Dスキャナーなどのデジタル技術の進化により、精密な診断と治療計画の立案が可能になりました。
歯の動きや治療後のシミュレーションを事前に確認できるため、患者様の安心感や納得感も高まっています。
矯正治療の代表的なメリットとは?
矯正治療は、歯を整えるだけの美容的な治療と思われがちですが、実際には日常生活の質を大きく向上させる医療行為でもあります。歯並びが整うことで得られるメリットは、見た目の変化だけにとどまらず、噛み合わせ、健康、口腔ケアのしやすさといった、多方面に広がります。ここでは、代表的な3つの利点についてご紹介します。
見た目のコンプレックス解消と自信の向上
まず、多くの方が最初に期待するのが「見た目の改善」です。歯並びが乱れていると、人前で話すことや笑うことに抵抗を感じるようになり、口元を手で隠す癖がついてしまうこともあります。とくに前歯のねじれやすき間、出っ歯などは目につきやすく、コンプレックスにつながりやすい部分です。
矯正治療を通じて歯並びが整うと、顔全体のバランスが整い、笑顔にも自信が持てるようになります。自分自身の見た目に満足できることは、外見だけでなく、精神的な面にも良い影響を与えます。自然に笑えるようになった、写真が好きになった、人と話すことが楽しくなったなど、前向きな変化を実感される患者様も少なくありません。
噛み合わせが整い、健康的な生活へ
矯正治療には、見た目の美しさだけでなく、機能面の改善という重要な役割もあります。上下の歯が正しく噛み合っていない状態では、食べ物をしっかり噛めなかったり、特定の歯にだけ力が加わって早く摩耗したりすることがあります。
また、噛み合わせの不良は顎の筋肉や関節にも影響を与え、頭痛や肩こり、顎関節症などを引き起こす原因になることもあります。
矯正治療によって噛み合わせが正しくなると、食事がしやすくなるだけでなく、発音が明瞭になる、顎まわりの緊張が軽減するなど、さまざまな面で生活の質が改善します。歯並びと噛み合わせは密接に関係しているため、見た目と機能の両方を整えることが、健康的な毎日への第一歩になります。
歯の寿命が延びる予防的効果
歯並びが悪いと、どうしても歯みがきのしにくい場所ができてしまい、歯垢(プラーク)がたまりやすくなります。特に歯と歯が重なっている部分や、奥歯のねじれなどは、ブラッシングでは届きにくく、虫歯や歯周病の原因になりやすいのです。長年その状態を放置していると、歯ぐきが下がったり、歯を支える骨が減ってしまったりする可能性もあります。
矯正治療で歯列を整えることで、毎日の歯みがきがしやすくなり、口腔内を清潔に保ちやすくなります。結果として、虫歯や歯周病の予防につながり、将来的に歯を失うリスクを減らすことができます。最近では、歯周病の管理の一環として矯正をすすめられるケースもあるほど、歯並びの良さは「歯を守る」ことに直結しています。
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治療中に感じやすいデメリットも知っておこう
矯正治療は多くのメリットがある一方で、治療中には一定の負担や不便さを感じることもあります。事前にデメリットを正しく理解しておくことで、治療中のストレスを減らし、前向きに取り組むことができます。ここでは、実際の患者様が感じやすい3つの点について詳しくご紹介します。
治療中の痛みや違和感について
矯正治療では、歯に力をかけて少しずつ動かしていくため、装置をつけた直後や調整後に痛みや違和感を感じることがあります。特にワイヤー矯正では、初めの数日は噛むときにズキズキするような痛みを訴える方が多く見られます。
また、装置が口の中に当たって頬の内側が擦れてしまったり、口内炎ができやすくなることもあります。
ただし、これらの痛みや違和感は、数日から1週間程度で和らいでいくのが一般的です。矯正に慣れてくると、患者様の多くは「思っていたより大丈夫だった」と感じるようになります。
痛みに不安がある方には、マウスピース型矯正(インビザラインなど)など、比較的刺激の少ない治療法もありますので、カウンセリング時にご相談ください。
食事や会話への一時的な影響
矯正装置を装着すると、普段通りの食事や会話が難しく感じられることもあります。食べ物が装置に引っかかったり、噛みにくさを感じたりするため、装置に慣れるまではやわらかい物中心の食事になるケースも少なくありません。
また、舌に装置が当たることで、発音が不明瞭になったり、滑舌が悪くなると感じる方もいます。
特に裏側矯正やマウスピース矯正の初期段階では、発音に違和感を持つことが多いですが、これも徐々に慣れていくことがほとんどです。発音に影響が出やすい職業(接客業、司会業など)の方は、治療方法の選択時に医師と十分に相談し、自分のライフスタイルに合った治療を選ぶことが大切です。
通院頻度と期間の長さ
矯正治療は一度きりの処置ではなく、数ヶ月から数年にわたって定期的に通院が必要となります。通常は月に1回程度の通院で、装置の調整や経過の確認を行いますが、忙しい方にとってはスケジュール調整が負担に感じることもあります。
また、治療全体にかかる期間は平均して1年半から2年程度とされており、歯の状態によってはそれ以上かかることもあります。見た目の変化が少しずつしか現れないため、途中でモチベーションが下がってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、治療計画をしっかり共有し、進捗が確認できるような説明を受けていると、長期間でも前向きに取り組むことができる傾向があります。
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見えない矯正・目立ちづらい矯正の選択肢
「矯正はしたいけれど、装置が目立つのが恥ずかしい」「職場で矯正しているのを知られたくない」と悩まれる方は少なくありません。こうした声に応えるように、近年では見えにくい矯正や目立たづらい矯正の選択肢が増えてきました。
特に大人の患者様を中心に、審美性と快適性を両立した治療法へのニーズが高まっています。ここでは、代表的な3つの方法をご紹介します。
マウスピース矯正(インビザラインなど)の特徴
マウスピース矯正は、透明な取り外し式の装置を使って少しずつ歯を動かしていく方法です。代表的なブランドである「インビザライン」は、ほとんど装着していることがわからないほど目立ちにくく、矯正治療に対する心理的なハードルを大きく下げました。
マウスピースは約1〜2週間ごとに新しいものに交換して進めていきます。取り外しが可能なため、食事や歯みがきの際は外すことができ、口腔内を清潔に保ちやすいのも特徴です。
ただし、1日20時間以上の装着が必要であり、自己管理が重要になります。正しく使用できれば、痛みも少なく、見た目を気にせず治療が進められる点で、特に成人の患者様に人気の高い治療法です。
インビザライン矯正について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
裏側矯正(リンガル矯正)とその注意点
裏側矯正は、ワイヤーとブラケットを歯の裏側(舌側)に装着する矯正方法です。外からはほとんど見えず、目立たないという点では最も優れた選択肢の一つです。とくに芸能人や人前に立つ仕事をされている方が選ばれることが多いです。
ただし、装置が舌に触れるため、発音がしづらくなったり、慣れるまでに時間がかかることがあります。
また、構造上の複雑さから、一般的なワイヤー矯正よりも費用が高くなる傾向があります。対応している歯科医院も限られるため、裏側矯正を希望される場合は、専門的な技術や経験のある歯科医院を選ぶことが重要です。
見た目と快適性を両立した治療法とは
見えにくさだけでなく、「快適に続けられるかどうか」も矯正治療を選ぶうえで大切な視点です。最近では、目立ちにくいセラミック製のブラケットや白いワイヤーを使った審美ワイヤー矯正も登場しています。
これは表側に装置をつけながらも、金属感を抑えることで見た目の印象を大きく改善できる方法です。
また、歯や骨格の状態、患者様のライフスタイルによっては、見た目の希望と治療効果のバランスを考慮して最適な治療法を組み合わせる「ハイブリッド型」の治療も行われています。
たとえば、上の歯は裏側矯正、下の歯はマウスピースで、などの組み合わせも可能です。
子どもと大人、それぞれの矯正の違い
矯正歯科治療は、子どものうちに始めるべきか、大人になってからでも遅くないのか——多くの方が悩むポイントです。実際には、子どもと大人では治療の目的や方法、得られる効果が異なるため、それぞれに適した矯正治療があります。
ここでは、年齢による違いを正しく理解し、ご自身やお子さまにとって最適なタイミングを判断する参考としていただければと思います。
成長期を活かす小児矯正のメリット
子どもの矯正治療(小児矯正)は、主に顎の成長をコントロールしながら、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保することを目的としています。
乳歯と永久歯が混ざっている「混合歯列期」に行うことで、将来的に抜歯を避けられる可能性が高まるほか、骨格的な不正咬合(受け口や出っ歯など)の予防にもつながります。
たとえば、上顎の成長が弱くて下顎が目立ってしまう「反対咬合」の場合、早期に対応すれば、手術を回避できるケースもあります。
子どもは顎の骨がやわらかく、成長がダイナミックなため、体の成長に合わせて歯や骨の位置を自然に誘導できる点が大きな特徴です。
成人矯正ならではの配慮点
一方、大人の矯正治療(成人矯正)は、骨の成長が止まっているため、顎の位置を変えるような治療は基本的に行えません。
その分、歯を少しずつ動かして、機能的かつ審美的に整えていく治療となります。
成人の場合、すでに歯周病の初期症状がある方や、被せ物・インプラントなどの補綴物が入っている方も多く、総合的な口腔管理が必要になる点が特徴です。
また、仕事や家庭のスケジュールに配慮した通院計画や、目立ちにくい装置の選択など、大人ならではの事情に寄り添った治療設計が求められます。
成人矯正では、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの再構築や歯の寿命の延長といった医療的な目的も重視されます。治療前の検査や診断がより丁寧に行われるのもこのためです。
年齢による治療効果やリスクの違い
年齢が若いほど歯の動きがスムーズで、矯正にかかる期間も比較的短くなる傾向があります。
子どもは骨がやわらかく、新陳代謝が活発なため、装置に対する順応も早く、治療がスムーズに進みやすいです。
一方で、大人になると歯や歯周組織の状態が人によって大きく異なるため、歯を動かす際の慎重な管理が求められます。
また、加齢に伴って骨密度が下がっていたり、歯ぐきの状態が安定していなかったりする場合には、治療が長期化することもあります。
ただし、近年ではマウスピース矯正の進化により、年齢にかかわらず快適に治療を受けられるケースも増えています。
いずれの年齢であっても大切なのは、「今の口腔内の状態に合った最適な方法を選ぶこと」です。
年齢だけで判断せず、歯科医師による丁寧なカウンセリングと検査のうえで治療計画を立てることが、満足のいく矯正につながります。
治療費は高い?費用と保険の基本知識
矯正治療に興味はあるけれど、「費用が高そうで不安」「保険がきかないって本当?」といった金銭面の疑問を抱える方は多くいらっしゃいます。
確かに矯正治療は自由診療に該当することが多く、決して安い治療ではありません。
しかし、治療の内容や支払い方法をきちんと理解することで、費用面での不安を軽減することができます。
ここでは、矯正治療にかかる費用の目安や、保険適用の有無、医療費控除などについて詳しく解説します。
自費診療となるケースが多い理由
矯正治療の多くは「審美目的」や「機能改善目的」とされ、健康保険の適用外となる自由診療(自費診療)に分類されます。
保険診療が適用されるのは、顎の骨の成長に著しい異常がある場合や、先天的な疾患に伴う不正咬合(例:口唇口蓋裂など)に限られており、一般的な歯列不正に対する矯正は対象外です。
そのため、全額自己負担となるのが基本ですが、自費診療であるぶん、治療内容・装置の種類・通院頻度などを個別にカスタマイズできるというメリットもあります。
たとえば、目立ちにくい装置やマウスピース矯正など、患者様のライフスタイルに合った方法を選べる自由度があるのは、自費診療ならではの特徴です。
平均費用と分割払いの実情
矯正治療の費用は、使用する装置や治療期間によって大きく異なりますが、おおよその目安としては以下のようになります。
・表側ワイヤー矯正:70〜100万円前後
・裏側矯正(舌側矯正):100〜150万円程度
・マウスピース矯正(インビザライン等):80〜120万円前後
・部分矯正:30〜60万円程度
これに加えて、初診相談料、精密検査料(3〜5万円前後)、調整料(月5,000〜10,000円程度)などが別途かかる場合もあります。
こうした費用を一括で支払うのが難しい方には、分割払いやデンタルローンを用いた支払い方法も用意されています。
分割払いでは、無理のない月額で治療を続けられるため、家計への影響を抑えながら矯正を始めることが可能です。
金利や手数料の有無については医院によって異なるため、カウンセリング時にしっかり確認しましょう。
医療費控除で負担を軽減する方法
実は、矯正治療にかかった費用の一部は「医療費控除」の対象になる場合があります。
これは、1年間でかかった医療費が一定額を超えた場合、所得税の一部が戻ってくる制度です。
医療費控除が適用されるのは、審美目的ではなく「咀嚼機能の改善」や「発育上必要な矯正治療」と判断されたケースです。
たとえば、小児の咬み合わせ改善のための治療や、大人でも機能回復が主な目的であれば対象になります。
控除の対象となるかどうかは、治療を受ける前に歯科医師に確認しておくと安心です。
また、通院にかかった交通費(公共交通機関に限る)も医療費控除の対象になるため、領収書や通院記録はしっかり保管しておくことをおすすめします。
確定申告で申請することで、数万円単位の税金が還付されるケースも珍しくありません。
後戻りって本当にあるの?保定の重要性
せっかく長い期間をかけて歯並びを整えても、「元に戻ってしまったらどうしよう」と不安になる方は少なくありません。
実際、矯正治療後に歯が動いてしまう「後戻り」は、誰にでも起こる可能性があります。
これを防ぐために非常に大切なのが「保定(ほてい)」と呼ばれるアフターケアのプロセスです。
ここでは、後戻りの理由と、保定の重要性、そして毎日の過ごし方で気をつけるべきポイントについてご紹介します。
治療後の「リテーナー」ってなに?
矯正装置を外したあとに使用するのが「リテーナー(保定装置)」です。これは、動かした歯の位置を安定させるために必要な装置で、透明なマウスピース型やワイヤー型など、さまざまな種類があります。
矯正治療で動かした歯は、周囲の骨や組織がまだ不安定な状態にあります。
そのままにしておくと、以前の歯並びに引っ張られるようにして少しずつ元の位置へ戻ろうとします。これが「後戻り」と呼ばれる現象です。
リテーナーは、この歯の“揺り戻し”を防ぎ、治療で得た成果を定着させるために欠かせません。
使用する期間は、治療内容や個人差によって異なりますが、通常は少なくとも1~2年程度、場合によってはそれ以降も夜間の装着を続けることが推奨されます。
矯正歯科治療後の「後戻り」について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
治療後も大切な「維持」期間
矯正治療は、装置を外して終わりではありません。実は“保定期間”こそが、美しい歯並びを長く保つための重要なステージです。
歯は一生動き続けるものと考えられており、日々の噛み癖や舌の動き、加齢による顎の変化などの影響を受けて、少しずつ位置が変わっていきます。
このため、リテーナーを装着しない期間が長くなると、歯が徐々にズレてしまうことがあります。
特に矯正治療から数ヶ月~1年以内は、歯がまだ安定しておらず、最も後戻りしやすい時期です。
保定期間中も、歯科医院での定期的なチェックを受け、リテーナーが合っているかどうかを確認することが大切です。
無理に自己判断で装着をやめたり、自己流で使い続けたりすると、後戻りのリスクが高まってしまいます。
後戻りしないための習慣とは
保定装置をしっかり使うことに加えて、日常生活でもいくつかのポイントに注意することで、後戻りのリスクを減らすことができます。
まず、頬杖や歯ぎしり、片側だけで噛む癖などは、歯列に偏った力をかけ、歯の位置に影響を及ぼします。
これらの習慣を自覚し、なるべく避けるように意識することが大切です。
また、舌で歯を押す癖や、口呼吸なども後戻りを招く原因になります。
舌の正しい位置は、上顎の前歯の裏側に軽くつけた状態です。
舌の位置や口の使い方に問題がある場合は、MFT(口腔筋機能療法)などのサポートが有効なこともあります。
さらに、加齢や歯周病による歯ぐきの変化によっても歯が動くことがあります。
定期的なメンテナンスを受けて、歯ぐきや骨の健康を保つことも、後戻り予防の一環です。
生活への影響は?治療中のリアルな日常
矯正治療を始める際、多くの方が気にされるのが「普段の生活にどれくらい影響があるのか」という点です。
仕事や学校、食事や会話など、日常生活に支障が出ないか心配になるのは当然のことです。
ここでは、矯正治療中のリアルな生活の変化について、よくある3つのポイントに分けてご紹介します。
食事・歯みがき・会話の変化
矯正装置をつけ始めた直後は、食事のしづらさを感じる方がほとんどです。
ワイヤー矯正では、装置に食べ物が挟まりやすくなるため、硬い食材や粘着質なもの(せんべいやキャラメルなど)は避けた方が無難です。
痛みが出やすい初期段階では、やわらかい食事中心になりますが、時間が経つと慣れてきて、食べられるものの幅も広がっていきます。
また、矯正装置によって歯みがきがしにくくなるため、これまで以上に丁寧なケアが必要です。
補助的に歯間ブラシやタフトブラシを使う方も多く、口腔内を清潔に保つ努力が大切になります。
さらに、舌側矯正やマウスピース矯正では、発音に慣れるまで少し時間がかかることがありますが、多くの方が数日〜1週間ほどでスムーズに話せるようになります。
お仕事や学校生活への影響
大人の患者様の中には「装置が目立つと職場で気になる」「人前で話す機会が多いから心配」という方もいらっしゃいます。
しかし、近年では透明なマウスピース矯正や目立ちにくい白いブラケットを使用した矯正など、審美性に配慮された治療法が充実しています。
これらを選ぶことで、周囲の目をあまり気にせずに治療を続けることが可能です。
通院頻度も月1回程度で済むことが多く、仕事や学業に大きな支障をきたすことはほとんどありません。
事前にスケジュールを立てておけば、無理なく矯正治療と日常生活を両立できます。
歯並びが整っていく過程で自信がつき、人前で堂々と話せるようになったと感じる方も多くいらっしゃいます。
モチベーションを保つためにできること
矯正治療は短期間では終わらないため、途中でモチベーションが下がることもあります。
特に目に見える変化が少ない初期段階や、装置による不便さを感じる日が続くと、気持ちがくじけそうになることもあります。
そんな時は、治療の経過を定期的に写真で記録し、自分の変化を視覚的に確認することで前向きな気持ちを取り戻すことができます。
また、治療を始めた目的を思い出し、理想の笑顔をイメージすることも大切です。
歯科医師との定期的なコミュニケーションや、丁寧なカウンセリングを通して、疑問や不安をこまめに解消していくことが、モチベーション維持の鍵になります。
矯正は見た目だけじゃない!全身に及ぼす影響
矯正治療は「歯並びを整えて見た目を良くする治療」というイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、矯正によって口の機能が改善されることで、全身の健康や身体のバランスにまで良い影響をもたらすことがあるのです。
ここでは、歯並びと姿勢、筋肉、呼吸などの関係について、代表的な3つの観点から解説します。
姿勢・呼吸・肩こりとの意外な関係
噛み合わせが悪いと、上下の顎のバランスが崩れ、頭の位置が前に出たり、首や肩に余計な力がかかったりすることがあります。
これが慢性的な肩こりや首の痛み、猫背の原因になることもあるのです。
また、歯並びや顎の形が呼吸にも影響することがあります。
例えば、出っ歯や下顎が後退しているタイプでは、気道が狭くなり、口呼吸になりやすくなります。
口呼吸が続くと、風邪をひきやすくなったり、睡眠の質が下がるなど、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
矯正によって噛み合わせと顎のバランスが整うことで、こうした問題の改善が期待できるのです。
顎関節症や虫歯予防にも効果
歯並びが悪く、左右どちらか片側ばかりで噛んでいると、顎の関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。
顎が痛む、口を開けると音が鳴る、開閉がスムーズにできないといった症状が現れた場合、早めに矯正を含む対処が必要です。
また、歯が重なっていたり凸凹していると、どうしても歯ブラシが届きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
矯正によって歯並びを整えることで、口腔内の清掃性が向上し、長期的な虫歯・歯周病の予防にもつながります。
心と体のバランスにも影響
見た目が整うことで自信が持てるようになり、表情が明るくなったという声は非常に多く聞かれます。
歯並びの改善は、見た目の美しさだけでなく、人とのコミュニケーションや心理的な安心感にもつながります。
さらに、噛む力がしっかりと発揮できるようになると、脳の血流が促進され、集中力や記憶力に良い影響があるとも言われています。
噛むという行為は、食事の満足感や消化のサポートだけでなく、心身の健やかさを支える基本的な機能なのです。
信頼できる矯正歯科医院を選ぶには?
矯正治療は数ヶ月から数年にわたる長期的な医療です。
そのため、どの歯科医院で治療を受けるかはとても重要なポイントです。
見た目の変化だけでなく、機能面や将来の健康にまで関わる治療だからこそ、信頼できる医院選びが成功のカギを握ります。
ここでは、医院を選ぶ際に注目したい3つのポイントをわかりやすくご紹介します。
専門医・認定医の有無をチェック
矯正治療を専門に行う歯科医師は、「日本矯正歯科学会認定医」や「指導医」といった資格を取得していることがあります。
これらの資格は、学会が定めた一定の実績や知識、技術を満たしていることの証です。
すべての矯正治療が認定医でなければならないというわけではありませんが、専門性の高さを示す一つの目安となります。
特に難症例や外科的矯正が必要なケースでは、経験豊富な専門医のもとで治療を受けることが安心につながります。
医院のホームページや初診相談時に、資格や経歴について確認してみましょう。
初診カウンセリングの質を見る
信頼できる矯正歯科医院は、初診カウンセリングを丁寧に行ってくれます。
一人ひとりの悩みや希望をじっくり聞き、治療の流れ・装置の種類・期間・費用・リスクまで具体的に説明してくれるかどうかがポイントです。
逆に、詳しい説明がなくすぐに契約を促すような医院は注意が必要です。
矯正は高額で長期的な治療だからこそ、納得してスタートすることが重要です。
疑問点があれば遠慮なく質問できる雰囲気や、治療前後のシミュレーションが丁寧に提示されるかどうかも、安心できる医院選びの基準になります。
長く付き合える「かかりつけ」の重要性
矯正治療は装置を外した後も、後戻りを防ぐ「保定期間」があります。
治療中だけでなく、完了後もしばらくは定期的なフォローが必要です。
そのため、長期的に通いやすい立地や、通院が負担にならない雰囲気づくりができているかも大切なポイントです。
また、治療中に何かトラブルが起きた際、すぐに相談できる環境があることも大きな安心材料です。
予約の取りやすさや対応の丁寧さ、スタッフの雰囲気なども含めて、「長く付き合いたい」と思える医院を見つけることが、成功への第一歩です。
矯正治療をご検討中の方へ ― つじむら歯科医院で安心の一歩を
医療法人社団つじむら歯科医院では、矯正歯科に関する丁寧なカウンセリングと、患者様一人ひとりに合わせた治療提案を行っています。
お子さまから大人の方まで、目立たない矯正や機能性重視の治療まで幅広く対応しておりますので、「まずは話だけ聞いてみたい」という方もお気軽にご相談ください。
当院では、無料カウンセリングのご予約も受付中です。
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伊勢原市にある再発率0%を追求した見えない非抜歯専門クリニック
『 つじむら歯科医院 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214
【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑
【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長
【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士