インビザラインは目立ちにくく、日常生活への負担が少ない矯正治療として注目されています。一方で、「自分の歯並びでも治療できるのか」「骨格が原因の場合は難しいと聞いて不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。矯正治療は見た目だけでなく、噛み合わせや顎のバランスなど、さまざまな要素をもとに判断されます。
本記事では、インビザラインで治療が難しいとされるケースや、その理由、適応の考え方についてわかりやすく解説します。
1. インビザラインで治せないケースとは?まず知っておきたい基本

インビザラインは、透明なマウスピースで歯並びを整える矯正治療として広く知られています。目立ちにくく、取り外しができるという特徴から、日常生活への負担を抑えながら治療を進めたい方に選ばれることが多い方法です。一方で、「自分の歯並びでも治せるのか」「できないケースがあると聞いて不安」と感じる方も少なくありません。矯正治療は見た目だけでなく、噛み合わせや骨格との関係も重要になるため、単純な判断では決められないのが特徴です。ここではまず、インビザラインの基本的な考え方について整理していきます。
インビザラインでできること・できないことの考え方
インビザラインが適応できるかどうかは、「この歯並びならできる・できない」と単純に分けられるものではありません。軽度から中等度の歯のガタつきやすき間であれば対応しやすい一方で、歯を大きく動かす必要がある場合や、噛み合わせ全体のバランスを調整する必要があるケースでは、治療の難易度が上がることがあります。
また、見た目が似ている歯並びでも、歯の傾きや位置、骨の状態によって治療の進め方は大きく変わります。インビザラインは少しずつ段階的に歯を動かす仕組みのため、その動きが適しているかどうかが重要な判断ポイントになります。見た目の印象だけで判断するのではなく、「どのように歯を動かす必要があるか」という視点で考えることが大切です。
「できない」と言われる理由は一つではない
「インビザラインでは難しい」と判断される背景には、いくつかの理由が重なっていることがほとんどです。例えば、歯の移動量が大きい場合や、歯を後方へ大きく下げる必要がある場合、あるいは上下の噛み合わせのズレが大きい場合などは、マウスピースのみでのコントロールが難しいことがあります。
さらに、インビザラインは装着時間が結果に大きく影響する治療方法であるため、1日20時間以上の装着が難しい生活環境である場合も、適応を慎重に判断する要因となります。また、歯科医師の治療方針によっても判断が分かれることがあり、同じ状態でも「可能」とする場合と「別の方法が望ましい」とする場合があるのも特徴です。
つまり、「できない」という言葉の背景には一つの理由だけでなく、複数の要素が関係していることを理解しておくことが大切です。
歯並びだけでなく骨格も関係する治療であること
矯正治療は単に歯を並べるだけのものではなく、その土台となる顎の骨の状態も大きく関わっています。特に、上顎や下顎の位置関係にズレがある場合、歯の移動だけでは十分な改善が難しいケースもあります。
こうした骨格的な問題がある場合、見た目の歯並びだけを整えても、噛み合わせのバランスが不安定になったり、将来的に後戻りしやすくなったりする可能性があります。そのため、歯並びだけでなく、骨格とのバランスまで含めて診断することが重要になります。
また、骨格の問題は見た目だけでは判断しにくく、レントゲンや精密検査によって初めてわかることも少なくありません。インビザラインが適しているかどうかを正しく判断するためには、お口全体の状態をしっかり把握することが大切です。
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2. なぜインビザラインでは難しいケースがあるのか

インビザラインは多くの歯並びに対応できる矯正方法ですが、すべての症例に適しているわけではありません。「なぜこの歯並びは難しいと言われたのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。その理由は単純に装置の違いだけではなく、歯の動かし方や治療の仕組みに深く関係しています。ここでは、マウスピース矯正の特徴やワイヤー矯正との違いを踏まえながら、インビザラインに得意・不得意がある理由についてわかりやすく解説します。
マウスピース矯正の仕組みと歯の動き方
インビザラインは、透明なマウスピースを段階的に交換していくことで、少しずつ歯を動かしていく治療方法です。あらかじめ作成された治療計画に基づき、1枚ごとにわずかに形の異なるマウスピースを装着することで、歯に持続的で穏やかな力を加えていきます。
この仕組みは、比較的コントロールしやすい動きには適していますが、大きく歯を移動させる動きや、複雑な方向へのコントロールが必要な場合には難しさが出ることがあります。特に、歯を回転させる動きや、根の位置まで大きく動かすようなケースでは、細かい調整が必要になることがあります。
また、マウスピースは取り外しができるというメリットがある一方で、決められた装着時間を守らないと計画通りに歯が動かないという特徴もあります。このように、仕組みそのものが治療の適応範囲に影響することを理解しておくことが大切です。
ワイヤー矯正との違い
ワイヤー矯正は、歯にブラケットとワイヤーを装着し、持続的に力を加えながら歯を動かしていく方法です。歯一本一本に対して細かい力の調整が可能であり、複雑な歯の動きや大きな移動にも対応しやすいという特徴があります。
一方でインビザラインは、マウスピース全体で歯に力を加えるため、細かなコントロールが必要なケースではワイヤー矯正の方が有利になる場合もあります。特に、噛み合わせ全体の大きなズレを修正する場合や、歯の位置を大きく変える必要がある場合には、ワイヤー矯正の方が適していると判断されることがあります。
ただし、これはどちらが優れているという話ではなく、それぞれに特徴があるということです。見た目や快適さだけでなく、治療の目的や必要な歯の動きに応じて、適切な方法を選ぶことが重要です。
治療方法ごとに得意・不得意がある理由
矯正治療にはいくつかの方法がありますが、それぞれの装置には得意な動きと不得意な動きがあります。これは、歯に力を加える仕組みや方向、コントロールのしやすさが異なるためです。
インビザラインは、軽度から中等度の歯並びの乱れ(歯列不正)や、比較的シンプルな歯の移動において力を発揮しやすい一方で、複雑な噛み合わせの改善や大きな歯の移動には工夫が必要になります。場合によっては、ワイヤー矯正と併用することで対応するケースもあります。
大切なのは、「この方法が良い・悪い」と考えるのではなく、「どの方法が自分の状態に合っているか」という視点で選ぶことです。治療のゴールや安全性、将来的な安定性まで含めて判断することで、より納得のいく矯正治療につながります。
3. インビザラインが難しいとされる歯並びの特徴

歯並びの状態によっては、インビザライン単独での治療が難しいと判断されるケースがあります。見た目だけでは判断しにくいことも多く、「なぜこの歯並びは難しいのか」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、一般的にインビザラインでの対応が難しいとされる歯並びの特徴について、代表的な例をもとに解説します。
重度のガタつき(叢生)
歯が大きく重なり合っている状態、いわゆる叢生(そうせい)が強い場合は、インビザラインだけで整えるのが難しいことがあります。歯を並べるスペースが不足しているケースでは、歯を大きく移動させたり、抜歯を伴う治療が必要になることもあり、マウスピースだけではコントロールが難しくなるためです。
特に、歯のねじれや傾きが強い場合には、歯の根の位置までしっかり動かす必要があり、細かな力の調整が求められます。このようなケースでは、ワイヤー矯正の方が適していると判断されることもあります。
大きな出っ歯・受け口
前歯が大きく前に出ている出っ歯(上顎前突)や、下の歯が前に出ている受け口(下顎前突)の状態も、インビザライン単独では難しい場合があります。これらは見た目だけでなく、上下の顎の位置関係や噛み合わせのバランスが関係していることが多いためです。
歯を後ろに大きく下げる必要があるケースでは、動かす距離が長くなり、マウスピースは歯全体に均等に力がかかる仕組みのため、歯を大きく動かしたり、細かく方向をコントロールする動きは難しい場合があります。また、顎の骨格的な要因が関係している場合には、歯の移動だけでは根本的な改善が難しいケースもあります。
噛み合わせのズレが大きいケース
上下の歯の噛み合わせが大きくズレている場合も、インビザラインのみでの治療が難しいことがあります。例えば、奥歯でしっかり噛めていない、前歯が当たらない(開咬)といった状態では、歯並びだけでなく機能面の改善も必要になります。
こうしたケースでは、歯の位置だけでなく、全体のバランスを見ながら慎重に調整する必要があります。噛み合わせは見た目以上に複雑で、長期的な安定性にも大きく関わるため、無理にインビザラインで進めるのではなく、適切な治療方法を選択することが重要です。
八重歯・乱ぐい歯 (叢生)について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
4. 骨格が原因となるケースとは

歯並びの問題というと「歯の位置」に目が向きがちですが、実際にはその土台となる顎の骨の状態も大きく関係しています。インビザラインでの治療が難しいとされるケースの中には、歯だけでなく骨格に原因がある場合も少なくありません。見た目では軽度に見える歯並びでも、骨格的なバランスが影響していることもあるため注意が必要です。ここでは、歯並びと骨格の違いや、顎のバランスがどのように影響するのかについて整理していきます。
歯並びと骨格の違い
歯並びの乱れには、大きく分けて「歯の位置による問題」と「骨格による問題」の2つがあります。前者は、歯の傾きや生える位置のズレによって起こるもので、比較的矯正治療で改善しやすいケースが多いです。
一方で、骨格が原因の場合は、上顎や下顎そのものの大きさや位置関係にズレがある状態を指します。この場合、歯を動かすだけでは見た目や噛み合わせのバランスが十分に整わないことがあります。
そのため、「歯並びが悪い=すべて歯の問題」と考えるのではなく、どこに原因があるのかを正確に見極めることが重要になります。
上顎・下顎のバランスによる影響
顎のバランスは、見た目や噛み合わせに大きな影響を与えます。例えば、上顎が前に出ている、あるいは下顎が後ろに下がっている場合、前歯が出て見える「出っ歯」のような状態になります。逆に、下顎が前に出ている場合は「受け口」と呼ばれる状態になります。
これらは単に歯の位置だけでなく、顎の骨の位置関係によって生じていることが多いため、歯だけを動かしても根本的な改善にはつながらないことがあります。
また、顎のズレがある状態で無理に歯並びだけを整えてしまうと、噛み合わせが不安定になったり、後戻りのリスクが高まる可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
見た目では判断しにくい骨格の問題
骨格に関わる問題は、必ずしも見た目だけで判断できるとは限りません。一見すると軽い歯並びの乱れに見えても、実際には顎の位置関係にズレがあり、それが原因となっているケースもあります。
こうした問題は、レントゲンや頭部のレントゲンを使った骨格分析(セファロ分析)といった精密検査を行うことで初めて明らかになることが多く、自己判断では見極めることが難しい部分です。
そのため、「見た目がそこまで気にならないから大丈夫」と考えるのではなく、専門的な検査を通して原因を把握することが大切です。インビザラインが適しているかどうかも、こうした骨格の状態を含めて総合的に判断されます。
5. 骨格性の不正咬合と治療の考え方

前章で触れたように、歯並びの乱れには歯の位置だけでなく、顎の骨格が関係している場合があります。こうした「骨格性の不正咬合」は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや機能面にも影響を与えることがあるため、慎重な診断と治療方針の選択が重要になります。インビザラインでの対応が難しいとされるケースの多くも、この骨格的な要因が関係していることが少なくありません。ここでは、骨格性の不正咬合の特徴と治療の考え方について整理します。
骨格性の出っ歯・受け口の特徴
骨格性の出っ歯や受け口は、歯の傾きではなく、上顎や下顎の大きさや位置関係に原因があります。例えば、上顎が大きく前に出ている、あるいは下顎が小さく後退している場合、前歯が前に出て見える状態になります。逆に、下顎が前方に突出している場合は受け口の状態になります。
これらは歯並びの問題に見えますが、実際には骨格のバランスによって生じているため、歯だけを整えても見た目や機能の改善が不十分になることがあります。また、横顔のバランス(いわゆるEライン)にも影響するため、審美面を重視する場合にも重要なポイントとなります。
歯の移動だけでは対応が難しい理由
骨格性の不正咬合では、歯を動かすスペースや方向に限界があるため、歯の移動だけで理想的な位置に整えることが難しい場合があります。無理に歯だけを動かそうとすると、歯ぐきや骨への負担が大きくなったり、噛み合わせのバランスが崩れたりする可能性があります。
また、歯並びが一時的に整ったように見えても、骨格の問題が残っていることで後戻りしやすくなるケースもあります。そのため、見た目の改善だけでなく、長期的な安定性を考えた治療計画が重要になります。
インビザラインは歯を少しずつ動かすことに適した方法ですが、このような骨格的な制約がある場合には、単独での対応が難しいと判断されることがあります。
外科的な治療が検討されるケース
骨格のズレが大きい場合には、矯正治療とあわせて外科的な治療(外科矯正)が検討されることがあります。これは、顎の骨の位置を調整することで、噛み合わせや見た目のバランスを根本から整える方法です。
すべての骨格性不正咬合で外科治療が必要になるわけではありませんが、歯の移動だけでは改善が難しい場合には、有効な選択肢となることがあります。また、症例によっては、ワイヤー矯正やインビザラインと組み合わせて治療を行うこともあります。
大切なのは、「どの方法が自分にとって適しているか」を見極めることです。見た目だけでなく、機能や将来の安定性まで考えたうえで、納得できる治療方針を選ぶことが重要になります。
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6. 「できない」と言われたケースでも可能性がある理由

ここまで読んで、「自分はインビザラインが難しいケースかもしれない」と不安に感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、「できない」と言われたケースでも、条件や治療計画によっては対応できる可能性がある場合もあります。矯正治療は一つの正解だけがあるわけではなく、診断や方針によって選択肢が変わることも少なくありません。ここでは、なぜ判断が分かれるのか、その背景について解説します。
治療計画によって結果が変わること
矯正治療は、単に装置を選ぶだけでなく、「どのように歯を動かすか」という治療計画によって大きく結果が変わります。同じ歯並びであっても、歯の動かし方や順序、スペースの確保方法によって、インビザラインで対応できるかどうかの判断が異なることがあります。
例えば、歯を少し削ってスペースを確保する方法や、ゴムかけなどを併用することで、マウスピースだけでは難しい動きを補助できるケースもあります。このように、工夫次第で適応の幅が広がることもあるため、一度の診断だけで結論を決めてしまうのではなく、複数の視点から検討することが大切です。
インビザライン単独以外の選択肢
インビザラインが難しいと判断された場合でも、「完全にできない」という意味ではなく、「単独では難しい」というケースも少なくありません。その場合、ワイヤー矯正と組み合わせた治療(コンビネーション矯正)や、一部のみワイヤーを使用する方法など、複数の選択肢が考えられます。
このような方法を取り入れることで、見た目への配慮と治療の確実性を両立できるケースもあります。すべてをマウスピースで行うことにこだわるのではなく、必要に応じて他の方法を取り入れることで、より現実的で安全な治療につながることもあります。
症例に応じた柔軟な対応の重要性
矯正治療は一人ひとりの状態に合わせて進める必要があるため、画一的な判断ではなく、柔軟な対応が求められます。歯並びや骨格、生活スタイル、希望する仕上がりなどを総合的に考慮しながら、最適な方法を選択していくことが重要です。
また、歯科医院によって治療経験や方針が異なるため、同じ症例でも判断が分かれることがあります。そのため、一度「難しい」と言われた場合でも、必要に応じて他院で相談してみることで、新たな選択肢が見つかることもあります。
大切なのは、「インビザラインができるかどうか」だけにとらわれるのではなく、「自分にとってより良い治療方法は何か」という視点で考えることです。その視点が、納得できる治療選択につながります。
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7. インビザラインが適応になるケースの見極め方

インビザラインが自分に合っているのかどうかは、多くの方が気になるポイントではないでしょうか。「できるのか、できないのか」をはっきり知りたいと思う一方で、その判断は見た目だけでは難しいのが実際のところです。矯正治療では、歯並びの状態だけでなく、噛み合わせや骨格、さらには生活スタイルまで含めて総合的に判断されます。ここでは、インビザラインが向いているケースの特徴や、判断する際に大切なポイントについて解説します。
軽度〜中等度の歯並びの特徴
インビザラインは、比較的軽度から中等度の歯並びの乱れ(歯列不正)において力を発揮しやすい治療方法です。例えば、前歯の軽いガタつきやすき間、歯のわずかな傾きの調整などは、マウスピースでも無理なく対応できることが多いとされています。
また、大きく歯を動かす必要がないケースや、噛み合わせのズレが比較的小さい場合も、インビザラインが適応となりやすい傾向があります。こうした症例では、見た目の改善と機能のバランスを保ちながら、比較的スムーズに進められる可能性があります。
ただし、「軽そうに見えるから大丈夫」と自己判断するのは避けたほうが安心です。実際には歯の根の位置や骨の状態によって難易度が変わるため、専門的な診断が必要になります。
見た目と機能のバランスを考えるポイント
矯正治療を考える際、多くの方は「見た目をきれいにしたい」という気持ちをきっかけにされます。しかし、見た目だけを優先してしまうと、噛み合わせのバランスが崩れてしまう可能性があります。
インビザラインが適応となるかどうかを判断するうえでは、歯並びの見た目だけでなく、「しっかり噛める状態になるか」「治療後も安定した状態を維持できるか」といった機能面も重要なポイントになります。
見た目と機能の両方が整っている状態こそが、本来の意味での“良い歯並び”といえます。そのため、見た目の改善だけにとらわれず、全体のバランスを意識した判断が大切です。
自己判断が難しい理由
インビザラインの適応かどうかは、専門的な知識と検査をもとに判断されるため、自己判断が難しい分野です。一見すると軽度の歯並びに見えても、実際には骨格的な問題や噛み合わせのズレが隠れていることもあります。
また、歯の動きやすさや治療の進め方は、個々の状態によって大きく異なります。こうした細かな違いは、レントゲンや口腔内の精密なデータをもとに分析することで初めて見えてくるものです。
そのため、「インビザラインができそうかどうか」を正しく知るためには、自己判断ではなく、歯科医院での診断を受けることが重要です。適切な診断をもとに判断することで、無理のない、納得できる治療選択につながります。
8. 無理にインビザラインを選ばない方がよい理由

ここまで読んで、「できればインビザラインで治療したい」と感じている方も多いのではないでしょうか。目立ちにくさや取り外しができる利便性は、確かに大きな魅力です。しかし、どんな治療にも適応があり、無理に選択してしまうことで、かえってリスクにつながる場合もあります。大切なのは「希望する方法」だけでなく、「自分にとって適した方法かどうか」という視点で判断することです。ここでは、無理にインビザラインを選ばない方がよい理由について解説します。
適応外で治療した場合のリスク
インビザラインが適していないケースで無理に治療を進めてしまうと、計画通りに歯が動かない、治療期間が長引くといったリスクが生じることがあります。マウスピースは段階的に歯を動かす仕組みのため、想定外の動きが起こると、その修正に時間がかかることもあります。
また、結果として十分な改善が得られず、途中で別の矯正方法へ切り替える必要が出てくるケースもあります。こうした状況は、患者様にとって時間的・精神的な負担となる可能性があるため、最初の段階で適応を見極めることが重要です。
噛み合わせへの影響
見た目の改善を優先して無理に歯を動かしてしまうと、噛み合わせのバランスが崩れてしまうことがあります。例えば、前歯はきれいに並ったとしても、奥歯でしっかり噛めない状態になってしまうと、食事のしづらさや顎への負担につながることがあります。
噛み合わせは、見た目以上に日常生活に影響を与える重要な要素です。違和感が続くことで、顎関節への負担や歯へのダメージが蓄積することもあるため、見た目だけでなく機能面を重視した治療が求められます。
長期的な安定性の重要性
矯正治療は、治療が終わった後も安定した状態を維持できることが非常に重要です。無理な方法で歯を動かした場合、後戻りしやすくなったり、再び噛み合わせが乱れてしまったりする可能性があります。
特に、骨格や噛み合わせの問題を無視して歯並びだけを整えた場合、見た目は一時的に改善しても、長期的な安定が得られにくいことがあります。その結果、再治療が必要になるケースもあるため、初めから無理のない治療計画を選ぶことが大切です。
インビザラインは優れた治療方法の一つですが、「誰にでも最適な方法」ではありません。だからこそ、自分の状態に合った方法を選ぶことが、満足度の高い結果につながります。
9. 正確な診断が重要な理由

インビザラインが自分に合っているかどうかを判断するうえで、最も重要なのが「正確な診断」です。ここまでご紹介してきたように、歯並びの問題は見た目だけでは判断できず、歯の位置や噛み合わせ、骨格などさまざまな要素が関係しています。そのため、自己判断や簡単なチェックだけで決めてしまうのではなく、専門的な検査をもとに総合的に判断することが大切です。ここでは、診断によって何がわかるのか、そして医院ごとの違いについて解説します。
精密検査でわかること
矯正治療では、見た目の確認だけでなく、レントゲン撮影や口腔内スキャンなどの精密検査を行うことで、より詳しい状態を把握します。これにより、歯の根の位置や骨の状態、噛み合わせのバランスなど、外からは見えない情報を確認することができます。
例えば、歯がどの方向にどれくらい動かせるのか、スペースはどの程度確保できるのかといった点も、こうした検査によって明らかになります。また、骨格的な問題が関係しているかどうかも判断できるため、インビザラインが適しているかどうかを見極めるうえで欠かせないステップです。
シミュレーションによる治療計画
インビザラインでは、治療前に歯の動きをシミュレーションできることも大きな特徴です。専用のソフトを用いて、歯がどのように動いていくのか、最終的にどのような歯並びになるのかを視覚的に確認することができます。
これにより、治療のゴールをイメージしやすくなるだけでなく、無理のある動きが含まれていないかを事前にチェックすることも可能になります。シミュレーションはあくまで計画ではありますが、現実的に達成可能な範囲かどうかを判断する重要な材料となります。
患者様にとっても、治療の流れを理解しやすくなるため、不安の軽減にもつながります。
医院ごとの診断の違いが出るポイント
矯正治療の診断は、同じデータをもとにしていても、歯科医師の経験や方針によって判断が異なることがあります。ある医院では「インビザラインで対応可能」とされるケースが、別の医院では「ワイヤー矯正の方が適している」と判断されることもあります。
これは、どちらが正しい・間違っているというわけではなく、治療の進め方や重視するポイントの違いによるものです。そのため、一つの意見だけで決めるのではなく、必要に応じて複数の医院で相談することも選択肢のひとつです。
大切なのは、自分の状態を正しく理解し、納得できる説明を受けたうえで治療方法を選ぶことです。正確な診断があってこそ、無理のない、安全性の高い矯正治療につながります。
10. 自分に合った矯正治療を選ぶために

ここまで、インビザラインで治せないケースや、その理由についてご説明してきました。「自分は適応になるのか」「どの治療を選べばよいのか」と悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。矯正治療は見た目だけでなく、噛み合わせや将来的な安定性にも関わる大切な選択です。だからこそ、一つの方法にとらわれるのではなく、ご自身の状態に合った治療を選ぶことが重要になります。最後に、その考え方のポイントを整理していきます。
インビザラインは選択肢の一つであること
インビザラインは、目立ちにくく取り外しができるという点で、多くの方にとって魅力的な矯正方法です。しかし、すべての症例に最適な方法というわけではなく、あくまで数ある矯正治療の中の一つの選択肢です。
大切なのは、「インビザラインで治療したい」という気持ちだけで判断するのではなく、「自分の歯並びに合っているかどうか」という視点で考えることです。場合によっては、ワイヤー矯正や他の方法の方が、より安全で確実な結果につながることもあります。
治療方法にはそれぞれ特徴があり、どれが優れているかではなく、「どれが自分に合っているか」を見極めることが重要です。
歯並びと骨格の両方を考えた治療の重要性
矯正治療では、歯並びだけでなく、その土台となる骨格や噛み合わせのバランスも含めて考える必要があります。見た目だけを整えても、噛みにくさが残ってしまったり、後戻りしやすくなってしまったりする可能性があるためです。
特に、骨格が関係しているケースでは、歯の移動だけでなく、全体のバランスをどう整えるかが重要になります。そのため、短期的な見た目の変化だけでなく、長期的に安定した状態を維持できるかどうかを意識することが大切です。
本当に良い矯正治療とは、「見た目がきれいになること」と「しっかり噛めること」の両方が満たされている状態といえるでしょう。
まずは状態を正しく知ることが第一歩
自分に合った治療方法を選ぶためには、まず現在のお口の状態を正しく知ることが何よりも重要です。見た目だけでは判断できない要素も多いため、専門的な検査や診断を受けることで、初めて適切な選択肢が見えてきます。
また、歯科医院によって治療方針や提案内容が異なることもあるため、納得できる説明を受けることも大切なポイントです。不安や疑問がある場合は遠慮せずに相談し、自分にとって無理のない方法を見つけていくことが重要です。
当院では、インビザラインが適しているかどうかを判断する際に、歯並びだけでなく骨格や噛み合わせまで含めた総合的な診断を大切にしています。
そのうえで、インビザラインが適している場合はもちろん、必要に応じてワイヤー矯正や併用治療なども含めて、患者様にとって無理のない方法をご提案しています。
まずは現在の状態を確認してみませんか?
神奈川県伊勢原市の
見えない矯正歯科治療専門外来/マウスピース矯正(インビザライン)
『 つじむら歯科医院 伊勢原 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214
【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑
【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長
【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士












