「冷たいものを飲むと歯がしみる」「歯並びが気になる部分だけ痛みを感じる」と悩んでいませんか。歯がしみる原因には、知覚過敏や虫歯、歯周病などがありますが、歯並びや噛み合わせが関係しているケースもあります。本記事では、歯がしみる原因や歯並び・噛み合わせとの関係、セルフチェック、治療方法について分かりやすく解説します。
1.歯がしみるのはなぜ?

冷たい飲み物を口にしたときや歯みがきをしたときに、「キーン」と歯がしみた経験がある方は少なくありません。歯がしみる症状は知覚過敏で起こることがありますが、虫歯や歯周病、歯のすり減りなど、さまざまな原因が考えられます。
また、歯並びや噛み合わせが直接的または間接的に関係しているケースもあります。まずは、なぜ歯がしみるのか、その仕組みと注意したい症状について確認していきましょう。
象牙質に刺激が伝わると歯がしみることがある
歯の表面は、通常「エナメル質」と呼ばれる硬い組織によって覆われています。その内側には「象牙質」があり、象牙質には歯の神経へ刺激を伝えやすい構造があります。
エナメル質がすり減ったり、歯ぐきが下がって歯の根元が露出したりすると、象牙質が外部からの刺激を受けやすくなります。そのため、冷たいものや熱いもの、歯ブラシなどが触れたときに、一時的な鋭い痛みを感じることがあります。
このような症状は「象牙質知覚過敏症」でみられます。特に歯ぐきが下がっている部分では、本来歯ぐきに覆われていた歯根が露出し、刺激が伝わりやすくなることがあります。日本歯科医師会でも、エナメル質のすり減りや歯肉退縮によって象牙質が露出すると、歯がしみる症状につながることがあると説明されています。
一時的にしみる場合と治療が必要な場合がある
冷たいものを口にしたときに一瞬だけしみ、その後すぐに症状が治まる場合は、知覚過敏の可能性があります。一方で、歯がしみる原因は知覚過敏だけではありません。
虫歯によって歯の内部まで刺激が伝わりやすくなっている場合や、歯に亀裂が入っている場合、歯周病によって歯ぐきが下がっている場合などにも、似た症状が現れることがあります。
また、治療後などに一時的にしみることもあります。たとえば、歯周病治療で歯石を除去したあと、それまで隠れていた歯根が露出することで、一時的に冷たいものがしみる場合があります。
「しみるから知覚過敏だろう」と自己判断せず、症状が続く場合は原因を確認することが大切です。
痛みが長く続く場合は早めに確認する
知覚過敏による痛みは、一般的には刺激を受けたときに一時的に起こり、刺激がなくなると比較的短時間で治まります。一方で、しみたあとも痛みが長く残る場合や、何もしていないときにもズキズキ痛む場合は、歯の神経に炎症が起きている可能性もあります。
また、「以前よりしみる回数が増えた」「特定の1本だけ強くしみる」「噛んだときにも痛みがある」といった変化がある場合も注意が必要です。症状だけでは原因を見分けることが難しいため、気になる状態が続く場合は歯科医院を受診しましょう。
歯がしみる原因を調べる際には、虫歯や歯周病の有無だけでなく、歯ぐきの位置、歯のすり減り、歯並びや噛み合わせなど、お口全体の状態を確認することが重要です。
2.歯がしみる主な原因

歯がしみる症状があると、「知覚過敏かな?」と考える方も多いでしょう。しかし、歯がしみる原因は知覚過敏だけではありません。虫歯や歯周病、歯の欠け・すり減りなどによっても、冷たいものや歯ブラシの刺激で痛みを感じることがあります。
原因によって必要な治療や対処法は異なるため、症状だけで自己判断しないことが大切です。ここでは、歯がしみるときに考えられる代表的な3つの原因について解説します。
知覚過敏によって歯がしみる
歯がしみる代表的な原因の一つが「象牙質知覚過敏症」です。歯の表面は硬いエナメル質で覆われていますが、歯ぐきが下がったり、エナメル質がすり減ったりすると、その内側にある象牙質が露出することがあります。
象牙質が露出すると、冷たい飲み物や食べ物、歯ブラシなどによる刺激が歯の内部へ伝わりやすくなります。その結果、「キーン」とした鋭い痛みを感じることがあります。一般的には、刺激を取り除くと比較的短時間で痛みが治まることが特徴です。
知覚過敏が起こる背景には、歯ぐきが下がる歯肉退縮や歯のすり減りなど、さまざまな要因があります。強い力で歯を磨く習慣がある場合は、歯や歯ぐきへ負担をかけている可能性もあるため、ブラッシング方法を見直すことも大切です。
また、歯の位置によって歯ぐきが薄い部分がある場合など、歯並びと歯ぐきの状態が関係しているケースもあります。そのため、知覚過敏がある場合は、しみている部分だけでなく、歯ぐきや歯並びの状態も確認する必要があります。
虫歯や歯周病が原因でしみる
虫歯も、歯がしみる原因の一つです。虫歯によってエナメル質が失われ、その内側にある象牙質まで進行すると、冷たいものや甘いものなどの刺激を感じやすくなることがあります。
虫歯がさらに進行して歯の神経に近づくと、刺激を受けたあとも痛みが続いたり、何もしていないときにズキズキと痛んだりする場合があります。知覚過敏と症状が似ていることもあるため、ご自身で見分けるのは簡単ではありません。
また、歯周病によって歯ぐきが下がり、歯の根元が露出することでしみるケースもあります。歯周病では、歯ぐきの炎症が進行すると歯を支える組織にも影響が及び、歯肉退縮がみられることがあります。
歯がしみるだけでなく、歯みがきの際に出血する、歯ぐきが腫れている、口臭が気になる、歯がぐらつくといった症状がある場合は、歯周病の可能性も考えて歯科医院で確認してもらいましょう。
歯の欠けやすり減りが関係している
歯が欠けたり、すり減ったりすることで象牙質が露出し、歯がしみるようになることもあります。歯のすり減りは加齢による変化だけでなく、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせなどが関係している場合があります。
特に、上下の歯の噛み合わせに偏りがあり、一部の歯に繰り返し強い力がかかっている場合は、歯の表面が摩耗したり、欠けたりすることがあります。また、就寝中の歯ぎしりや無意識の食いしばりは自分では気付きにくいため、歯のすり減りを指摘されて初めて気付く方もいます。
歯に小さな亀裂が入っている場合にも、冷たいものがしみたり、噛んだときに痛みを感じたりすることがあります。見た目では分かりにくい亀裂もあるため、「特定の歯だけがしみる」「噛んだときにも違和感がある」という場合は注意が必要です。
このように、歯がしみる原因には知覚過敏だけでなく、虫歯や歯周病、歯の欠け・すり減りなどがあります。さらに、歯並びや噛み合わせがほかの要因と重なって症状に関係しているケースもあります。しみる症状が繰り返す場合は原因を自己判断せず、お口全体の状態を確認することが大切です。
3.歯並びが原因で歯がしみることはある?

歯がしみる症状があると、虫歯や知覚過敏を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、歯並びの状態が間接的に関係し、歯がしみる症状につながっているケースもあります。
歯並びが乱れていると、歯みがきがしにくい部分ができたり、歯の位置によって歯ぐきの状態に違いが生じたりすることがあります。ただし、「歯並びが悪い=歯がしみる」というわけではありません。ここでは、歯並びと歯がしみる症状の関係について3つのポイントから解説します。
歯並びによって歯みがきしにくい部分ができる
歯が重なって生えている叢生(そうせい)や、歯の向きが揃っていない歯並びでは、歯ブラシの毛先が届きにくい部分ができることがあります。毎日歯を磨いていても、歯と歯の間や重なっている部分に歯垢が残りやすくなるため注意が必要です。
磨き残しが続けば、虫歯や歯周病のリスクにつながります。虫歯が進行して象牙質まで達すると、冷たい飲み物や甘いものなどがしみることがあります。また、歯周病によって歯ぐきが下がれば、歯の根元が露出して刺激を感じやすくなる場合があります。
つまり、歯並びそのものが直接歯をしみさせているのではなく、歯列の乱れによってお手入れが難しくなり、その結果として生じた虫歯や歯周病などが「しみる」という症状につながっているケースがあります。
特に「いつも同じ部分に汚れが残る」「フロスを通しにくい場所がある」「歯が重なっている部分の歯ぐきから出血する」という場合は、歯並びも含めてお口の状態を確認してみましょう。
歯の位置によって歯ぐきが下がっている場合がある
歯並びによっては、一部の歯が歯列より外側へ位置していたり、大きく傾いていたりすることがあります。このような歯では、歯を支えている骨や歯ぐきが薄い場合があり、歯肉退縮がみられることがあります。
歯ぐきが下がると、それまで歯ぐきに覆われていた歯の根元が露出します。歯根部分は歯冠のようにエナメル質で覆われていないため、象牙質が露出すると冷たいものや歯ブラシなどの刺激が伝わりやすくなり、歯がしみることがあります。
「歯並びが気になる部分だけしみる」「1本だけ歯が長く見えるようになった」「歯の根元が以前より見える」といった場合は、歯ぐきの位置にも注目してみましょう。
ただし、歯肉退縮には歯並びだけでなく、強すぎるブラッシングや歯周病、加齢など、さまざまな要因が関係します。そのため、歯の位置だけを見て原因を判断することはできません。
歯並びだけで「しみる原因」を判断することはできない
歯並びが乱れていて歯がしみる場合でも、必ずしも歯並びが主な原因とは限りません。実際には、知覚過敏や虫歯、歯周病、歯のすり減りなどが原因となっている可能性があります。
また、歯並びだけではなく噛み合わせも確認することが大切です。上下の歯の接触に偏りがある場合や、歯ぎしり・食いしばりなどが重なっている場合には、一部の歯に負担が集中し、歯のすり減りや亀裂などが生じて症状につながるケースも考えられます。
そのため、「歯並びを治せば歯がしみなくなる」と自己判断するのではなく、まず何が原因でしみているのかを調べることが重要です。虫歯や歯周病があればそれぞれに必要な治療を行い、歯並びや噛み合わせが関係している場合には、その状態も含めて治療方法を検討します。
4.噛み合わせによって歯がしみるケース

歯がしみる原因は、知覚過敏や虫歯、歯周病だけではありません。上下の歯の噛み合わせや、歯ぎしり・食いしばりなどによって特定の歯に負担がかかり、歯のすり減りや亀裂などを通して、しみる症状につながることがあります。
ただし、噛み合わせが悪ければ必ず歯がしみるわけではなく、症状には複数の原因が関係していることもあります。ここでは、噛み合わせが歯のしみる症状に関係する代表的なケースを3つに分けて解説します。
一部の歯に負担が集中している
上下の歯がバランスよく噛み合っていると、食事をするときに加わる力を複数の歯へ分散しやすくなります。しかし、歯の位置や傾きなどによって噛み合わせに偏りがあると、特定の歯だけが強く接触することがあります。
たとえば、「噛んだときにいつも同じ歯が先に当たる」「左右どちらか一方ばかりで噛んでいる」といった状態では、一部の歯へ負担が集中している可能性があります。
強い力が繰り返しかかることで歯がすり減ったり、欠けたりすると、内部にある象牙質が露出して刺激を感じやすくなることがあります。その結果、冷たい飲み物や食べ物を口にしたときに、歯がしみる症状が現れる場合があります。
ただし、噛み合わせだけを見て「これがしみる原因」と判断することはできません。虫歯や歯周病、知覚過敏などが隠れていないかも含めて確認することが重要です。
歯ぎしりや食いしばりが重なっている
噛み合わせとあわせて確認したいのが、歯ぎしりや食いしばりです。就寝中に強く歯をこすり合わせたり、日中に無意識のうちに歯を食いしばったりしていると、歯に繰り返し大きな力がかかります。
歯ぎしりや食いしばりは無意識に行っていることが多いため、ご自身では気付いていないケースも少なくありません。「朝起きると顎が疲れている」「家族から歯ぎしりを指摘された」「歯の先端が以前より平らになっている」といった場合は注意が必要です。
こうした習慣によって歯の表面が少しずつすり減ると、エナメル質が薄くなり、象牙質への刺激が伝わりやすくなる場合があります。また、歯ぎしりなどによる負担に加えて、もともとの噛み合わせに偏りがあると、一部の歯へ負担が集中しやすくなることも考えられます。
歯がしみるだけでなく、歯のすり減りや顎の疲れなども感じている場合は、歯ぎしり・食いしばりの有無や噛み合わせについて歯科医院で確認してもらうとよいでしょう。
歯のすり減りや亀裂が関係していることもある
噛み合わせによる負担が続いている場合には、歯のすり減りや欠け、亀裂などがみられることがあります。歯の表面を覆っているエナメル質がすり減って象牙質が露出すると、冷たいものなどの刺激で歯がしみやすくなります。
また、歯に亀裂が生じている場合は、冷たいものがしみるだけでなく、食べ物を噛んだときに特定の歯が痛むこともあります。小さな亀裂は見た目では分かりにくいため、「虫歯はないと言われたのにしみる」「特定の歯だけしみる」という場合には詳しい確認が必要です。
歯のすり減りや亀裂がある場合も、その背景に歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせなどが関係していないかを確認することが大切です。症状が起きている歯だけではなく、上下の歯がどのように接触しているのかまで確認することで、原因を把握しやすくなります。
歯が欠けやすい・すり減るのが怖い…「歯列と力のかかり方」を疑うべきサインについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
5.歯並びと知覚過敏にはどんな関係がある?

知覚過敏は、歯の内側にある象牙質が露出し、冷たいものや歯ブラシなどの刺激が伝わりやすくなることで起こります。そのため、「歯並びが悪いから知覚過敏になる」と単純に判断することはできません。
一方で、歯並びによって歯ぐきが下がりやすい部分があったり、歯みがきが難しくなったりすることで、結果として知覚過敏につながるケースは考えられます。ここでは、歯並びと知覚過敏の関係について3つのポイントから解説します。
歯ぐきが下がると刺激を感じやすくなる
知覚過敏が起こる原因の一つに、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」があります。歯ぐきが下がると、それまで歯ぐきに覆われていた歯の根元が露出し、冷たいものなどの刺激を感じやすくなることがあります。
歯の根元は、歯冠部分のように硬いエナメル質で覆われていません。そのため、歯肉退縮によって象牙質が露出すると、冷たい飲み物や食べ物、歯ブラシなどの刺激が内部へ伝わり、「キーン」としみる症状が現れる場合があります。
歯並びによって一部の歯が歯列より外側へ位置している場合などは、その歯を支える骨や歯ぐきが薄いことがあります。このような部分では歯肉退縮がみられる場合があり、結果として知覚過敏につながる可能性があります。
ただし、歯ぐきが下がる原因は歯並びだけではありません。強い力での歯みがきや歯周病、加齢なども関係します。「歯並びが悪いから歯ぐきが下がった」と決めつけず、歯科医院で原因を確認することが大切です。
歯列の乱れによってケアしにくくなることがある
歯が重なっていたり、ねじれていたりする歯並びでは、歯ブラシの毛先が届きにくい部分ができることがあります。歯と歯が複雑に重なっている部分では、通常の歯みがきだけでは汚れを十分に取り除きにくい場合があります。
磨き残しが続くと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。虫歯によってエナメル質や象牙質が失われれば歯がしみることがあります。また、歯周病が進行して歯ぐきが下がった場合にも、歯根部分が露出して知覚過敏のような症状が現れることがあります。
反対に、歯並びが気になる部分をきれいにしようとして、歯ブラシを強く押し当ててしまうことにも注意が必要です。強いブラッシングを続けると、歯や歯ぐきへ負担をかける可能性があります。
歯並びに合わせた歯ブラシの当て方を身につけ、必要に応じてデンタルフロスや歯間ブラシなどを使用することが大切です。自分では磨けているつもりでも汚れが残っていることがあるため、歯科医院でブラッシング方法について確認してもらうのもよいでしょう。
歯並び・噛み合わせなど複数の原因が重なっていることもある
歯がしみる症状は、一つの原因だけで起こっているとは限りません。歯並びに加えて、噛み合わせや歯ぎしり、食いしばり、歯肉退縮など、複数の要因が重なっているケースもあります。
たとえば、歯列から外側へ位置している歯に歯肉退縮があり、さらに歯ぎしりなどによってその歯に負担がかかっている場合には、複数の要因を考慮して原因を調べる必要があります。
また、「歯並びが気になる場所と、しみる場所が同じ」というだけでは、歯並びが原因とは断定できません。その部分に小さな虫歯や歯の亀裂があったり、歯周病によって歯ぐきが下がっていたりする可能性もあります。
そのため、歯がしみる症状が続く場合は、しみている歯だけを見るのではなく、歯ぐきの状態や歯並び、上下の噛み合わせ、歯のすり減りなどを総合的に確認することが重要です。
6.歯がしみるときのセルフチェック

歯がしみるときは、「いつ・どのような刺激でしみるのか」「どの歯に症状があるのか」を確認することで、原因を考える手がかりになります。冷たいものだけでしみる場合もあれば、甘いものや歯みがき、噛んだときに症状が現れる場合もあります。
ただし、セルフチェックだけで知覚過敏や虫歯、歯周病などを正確に見分けることはできません。あくまで歯科医院を受診する際に症状を伝えるための目安として活用しましょう。ここでは、確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
どのような刺激で歯がしみるか確認する
まずは、どのようなタイミングで歯がしみるのかを確認してみましょう。冷たい水やアイスを口にしたとき、歯みがきをしたときなど、特定の刺激を受けたときだけ一時的にしみる場合は、知覚過敏が考えられます。
一方、甘いものを食べたときにしみる場合や、刺激がなくなったあとも痛みが続く場合には、虫歯など別の原因が隠れている可能性もあります。また、熱いものでも痛みを感じる、何もしていなくてもズキズキするなどの症状がある場合は、歯の神経に炎症が起きていることも考えられます。
食べ物を噛んだときにも痛みや違和感がある場合は、歯の亀裂や噛み合わせなどについても確認が必要です。「しみる」という症状だけでなく、どのような刺激によって、どのくらいの時間痛みが続くのかまで覚えておくと、歯科医院で原因を調べる際の参考になります。
どの歯がしみるのか確認する
次に確認したいのが、症状が現れている場所です。「右上の奥歯だけ」「前歯の根元だけ」など、特定の歯がしみるのか、それとも複数の歯に症状があるのかを確認してみましょう。
特定の1本だけが繰り返ししみる場合には、虫歯や歯の亀裂、歯ぐきが下がって歯根が露出しているなど、その歯に原因がある可能性があります。反対に、複数の歯の根元がしみる場合は、知覚過敏や歯肉退縮などが関係しているケースも考えられます。
また、「歯並びが乱れている場所だけしみる」「外側へ出ている歯の根元がしみる」といった場合は、その部分の歯ぐきの状態も確認してみましょう。歯の位置によっては歯ぐきが下がっていることがあり、露出した歯根に刺激が加わることでしみる場合があります。
ただし、痛みは必ずしも原因となっている歯だけに感じるとは限りません。ご自身で「この歯が原因」と決めつけず、症状が続く場合は歯科医院で詳しく確認してもらうことが大切です。
歯ぐき・歯並び・噛み合わせにも変化がないか確認する
歯がしみるときは、歯だけではなく、歯ぐきや歯並び、噛み合わせについても確認してみましょう。歯の根元が以前より見えている場合は、歯肉退縮によって象牙質が露出し、刺激を感じやすくなっている可能性があります。
また、歯みがきの際に歯ぐきから出血する、歯ぐきが腫れている、口臭が気になるといった症状があれば、歯周病などが関係していることも考えられます。
歯並びや噛み合わせについては、一部の歯だけ外側へ出ていないか、歯が重なって磨きにくくなっていないか、噛んだときに特定の歯だけ強く当たる感じがないかなどを確認してみましょう。
歯がしみるときのセルフチェック
□ 冷たいものを口にすると歯がしみる
□ 甘いものを食べるとしみることがある
□ 歯みがきのときに歯がしみる
□ 特定の1本だけ繰り返ししみる
□ しみたあとも痛みがしばらく続く
□ 噛んだときにも痛みや違和感がある
□ 歯の根元が以前より見えるようになった
□ 歯ぐきから出血することがある
□ 歯が重なっていて磨きにくい部分がある
□ 一部の歯だけ強く噛み合っている感じがする
当てはまる項目があるからといって、歯並びや噛み合わせが原因とは限りません。特に、痛みが長く続く場合や何もしていなくても痛む場合、噛んだときにも痛みがある場合は、虫歯や歯の亀裂など別の原因も考える必要があります。
歯がしみる症状が繰り返している場合は、セルフチェックだけで判断せず、歯科医院で原因を確認しましょう。歯や歯ぐきだけでなく、必要に応じて歯並びや噛み合わせまで確認することで、症状に合った対処法を検討しやすくなります。
7.歯がしみる状態を放置しても大丈夫?

歯がしみても、しばらくすると痛みが治まるため、「このまま様子を見ても大丈夫」と考える方もいるかもしれません。実際に、一時的な知覚過敏などでは症状が落ち着くこともあります。しかし、歯がしみる原因には虫歯や歯周病、歯の亀裂などもあり、放置することで状態が進行するケースもあります。
特に、以前よりしみる頻度が増えている場合や、痛みが長く続く場合は注意が必要です。歯並びや噛み合わせが気になっている場合でも、まずは「なぜ歯がしみているのか」を確認することが大切です。ここでは、歯がしみる状態を放置した場合に考えられることを3つに分けて解説します。
知覚過敏でも症状が続いたり強くなったりすることがある
歯がしみる原因が知覚過敏の場合、症状が軽ければ自然に気にならなくなるケースもあります。しかし、歯ぐきが下がって歯根が露出していたり、歯の表面がすり減っていたりする場合は、原因となっている状態によって症状が続くことがあります。
たとえば、歯ブラシを強く押し当てる習慣が続いている場合は、歯や歯ぐきへの負担が繰り返しかかります。また、歯ぎしりや食いしばりによって歯がすり減っている場合には、その習慣についても確認する必要があります。
「冷たいものを口にしたときだけだから大丈夫」と考えていても、以前よりしみる刺激が増えたり、症状を感じる歯が増えたりすることもあります。知覚過敏と思われる場合でも、症状が繰り返しているのであれば、原因を確認しておくと安心です。
また、知覚過敏と似た症状が虫歯などによって起きていることもあります。ご自身で知覚過敏と判断して長期間様子を見るのではなく、変化がある場合は歯科医院で確認してもらいましょう。
虫歯や歯周病を見逃してしまう可能性がある
歯がしみる症状を放置する際に注意したいのが、虫歯や歯周病が隠れているケースです。虫歯が象牙質まで進行すると、冷たいものや甘いものなどの刺激で歯がしみることがあります。
虫歯は自然に元の健康な状態へ戻るものではなく、進行すると歯の神経に近づいていきます。状態によっては、しみるだけだった症状が、刺激を取り除いても痛みが残る、何もしていなくてもズキズキするといった症状へ変化することがあります。
また、歯周病によって歯ぐきが下がり、歯の根元が露出することで歯がしみる場合もあります。歯周病は初期には自覚症状が少ないこともあるため、「歯がしみる」という症状だけでなく、歯ぐきの出血や腫れ、口臭などにも注意が必要です。
特に、歯が重なっている部分などは歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすい場合があります。歯並びが気になる部分にしみる症状があるときは、「歯並びのせい」と決めつけず、虫歯や歯周病がないか確認することが大切です。
繰り返ししみる場合は歯科医院で原因を確認する
歯がしみる状態を放置してよいかどうかは、症状だけでは判断できません。一時的な知覚過敏の場合もあれば、虫歯や歯周病、歯のすり減り、亀裂など、治療が必要な状態が隠れている場合もあります。
また、噛み合わせの偏りや歯ぎしり・食いしばりなどが重なり、一部の歯へ負担が集中しているケースも考えられます。特定の歯だけが繰り返ししみる場合や、噛んだときにも違和感がある場合は、歯の状態だけでなく噛み合わせについても確認するとよいでしょう。
特に、「以前より症状が強くなった」「しみたあとも痛みが続く」「何もしていなくても痛む」「歯ぐきから出血する」「噛んだときにも痛い」といった症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
歯並びや噛み合わせが気になっている方も、まずはしみる原因を特定することが重要です。虫歯や歯周病などがあれば必要な治療を優先し、そのうえで歯並びや噛み合わせへの対応が必要かどうかを判断します。
8.歯がしみるときの治療方法

歯がしみるときの治療方法は、原因によって異なります。知覚過敏であれば刺激を伝わりにくくする処置が検討されますが、虫歯や歯周病が原因であれば、それぞれに対する治療が必要です。また、歯のすり減りや噛み合わせ、歯並びなどが関係しているケースでは、お口全体の状態を確認したうえで対応を考えます。
そのため、「しみる部分だけを治療すればよい」とは限りません。まずは何が原因で症状が起きているのかを確認し、その原因に合わせて治療を進めることが大切です。ここでは、歯がしみるときに行われる代表的な治療について3つに分けて解説します。
知覚過敏の場合は刺激を伝わりにくくする治療を行う
歯がしみる原因が知覚過敏の場合は、症状の程度や歯の状態に合わせた治療が行われます。軽度の場合には、知覚過敏用の歯みがき剤を使用したり、歯科医院で歯の表面に薬剤を塗布したりする方法があります。
知覚過敏用の歯みがき剤には、歯の神経へ刺激が伝わりにくくなるよう働きかける成分などが配合されています。ただし、使用してすぐに症状がなくなるとは限らず、継続して使用することで症状の軽減が期待できる場合があります。
また、歯の根元が露出している部分などに、刺激を遮断するための薬剤や材料を使用することもあります。どのような処置が適しているかは、象牙質の露出範囲や症状の程度などによって異なります。
同時に、歯ぐきが下がった原因について確認することも重要です。強すぎるブラッシングが関係している場合には、歯ブラシの当て方や力加減を見直します。症状だけを抑えるのではなく、原因となっている習慣にも対応することで、再びしみるのを防ぎやすくなります。
虫歯や歯周病が原因の場合はそれぞれの治療を行う
虫歯によって歯がしみている場合は、虫歯の進行度に応じた治療が必要です。虫歯が比較的浅い段階であれば、虫歯になった部分を取り除き、詰め物などで修復する治療が一般的です。
一方、虫歯が深くまで進行し、歯の神経に炎症が及んでいる場合には、神経に対する治療が必要になることもあります。しみる症状を長期間放置すると治療範囲が大きくなる可能性もあるため、症状が続いている場合は早めに確認することが大切です。
歯周病によって歯ぐきが下がり、露出した歯根がしみている場合には、歯周病に対する治療を行います。歯垢や歯石を取り除き、毎日の歯みがき方法を見直すなど、お口の中の細菌を減らして歯周病の進行を抑えることを目指します。
歯周病がある場合は、単に「しみる」という症状だけを改善するのではなく、歯を支える組織の健康を維持することが重要です。治療後も定期的なメンテナンスを受け、歯ぐきの状態を確認していく必要があります。
噛み合わせや歯並びが関係している場合はお口全体を確認する
虫歯や歯周病だけでなく、歯のすり減りや亀裂などがしみる症状に関係している場合には、その背景に噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりなどがないか確認することも大切です。
たとえば、一部の歯だけが強く当たっている場合や、就寝中に歯ぎしりをしている場合には、特定の歯へ繰り返し負担がかかっている可能性があります。状態によっては、歯を保護するためのマウスピースなどが検討されることもあります。
また、歯並びが乱れていることで歯みがきが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクにつながっている場合や、一部の歯の位置と歯肉退縮が関係していると考えられる場合には、歯列全体について確認することもあります。
このようなケースでは、症状やお口の状態によって歯列矯正が治療の選択肢になることもあります。ただし、矯正治療は「歯がしみる」という症状そのものを直接治療するものではありません。まずは知覚過敏や虫歯、歯周病など、現在しみている原因を確認し、必要な治療を行うことが優先されます。
9.歯並びや噛み合わせが原因の場合は矯正治療も選択肢?

歯がしみる原因を調べた結果、歯の位置や噛み合わせが関係していると考えられる場合には、歯列矯正が治療の選択肢になることがあります。歯並びを整えることで、歯みがきしやすい環境を目指したり、歯列全体のバランスを整えたりすることができます。
ただし、矯正治療は知覚過敏そのものを直接治すための治療ではありません。虫歯や歯周病、歯の亀裂などが原因でしみている場合は、それぞれに必要な治療を優先します。ここでは、歯がしみる症状と矯正治療の関係について3つのポイントから解説します。
歯の位置や噛み合わせを整える矯正治療
歯並びが乱れていると、歯が重なった部分や歯と歯の間などに歯ブラシが届きにくくなることがあります。磨き残しが続けば、虫歯や歯周病のリスクにつながり、それらが原因となって歯がしみる場合があります。
また、一部の歯が歯列より外側へ位置している場合などには、その部分の歯ぐきが薄かったり、歯肉退縮がみられたりすることがあります。歯ぐきが下がって歯根が露出すると、冷たいものや歯ブラシなどの刺激を感じやすくなることがあります。
さらに、上下の歯の接触に偏りがある場合は、一部の歯に負担が集中することがあります。歯ぎしりや食いしばりなどが加わると、歯のすり減りや欠けなどにつながり、象牙質が露出することでしみる症状が現れるケースも考えられます。
このような場合には、歯の位置や上下の噛み合わせを確認し、必要に応じて矯正治療を検討します。ただし、歯並びを整えれば必ずしみる症状が改善するわけではないため、現在の症状と歯並びとの関係を詳しく調べることが重要です。
インビザラインで歯並びを整えられるケースもある
歯並びや噛み合わせを整える方法の一つとして、マウスピース型矯正装置「インビザライン」があります。透明なマウスピースを一定期間ごとに交換しながら、少しずつ歯を適切な位置へ動かしていく矯正方法です。
インビザラインは装置が透明で目立ちにくく、ご自身で取り外せることが特徴です。食事や歯みがきの際にはマウスピースを外せるため、固定式の矯正装置と比べて普段に近い方法で歯みがきを行いやすいというメリットがあります。
歯が重なっている部分などを整えることで、歯ブラシやデンタルフロスを使用しやすい歯並びを目指すことができます。長期的にお口を清潔に保ちやすい環境をつくるという点でも、歯並びを整えることには意味があります。
ただし、すべての歯並びをインビザラインだけで治療できるわけではありません。歯の移動量や噛み合わせ、顎の骨格、歯周組織の状態などによっては、ほかの矯正方法が適している場合もあります。そのため、精密な検査を行ったうえで、ご自身に合った方法を選択することが大切です。
まずは歯がしみる原因を特定することが大切
「歯並びが悪くて歯がしみるから、矯正をすれば治る」と考えてしまうかもしれませんが、最初から矯正治療を前提にするのではなく、まずは歯がしみている原因を特定することが重要です。
虫歯があれば虫歯治療を行い、歯周病があれば歯周病治療を優先します。知覚過敏であれば症状に応じた処置を行い、歯ぎしりや食いしばりが関係している場合には、それらへの対応を検討します。
そのうえで、歯の位置や歯列の乱れ、噛み合わせが症状に関係する要因の一つと判断された場合には、矯正治療について検討するとよいでしょう。特に、歯並びの乱れによって毎日のケアが難しい場合や、噛み合わせについても気になる症状がある場合は、お口全体を確認することが大切です。
実際に矯正治療を行った症例を見てみませんか?
10.歯がしみる・歯並びが気になる方へ

歯がしみる症状には、知覚過敏や虫歯、歯周病、歯のすり減りなど、さまざまな原因が考えられます。また、歯並びの乱れによってお手入れが難しくなっていたり、噛み合わせの偏りによって一部の歯に負担がかかっていたりするなど、複数の要因が関係していることもあります。
そのため、「歯並びが悪いからしみる」「知覚過敏だから大丈夫」と自己判断せず、まずは現在のお口の状態を確認することが大切です。ここでは、歯がしみる症状や歯並びが気になる方に知っておいていただきたいポイントを3つに分けて解説します。
まずは歯がしみる原因を確認する
歯がしみる場合は、最初に症状の原因を確認することが重要です。冷たいものを口にしたときだけ一時的にしみる場合もあれば、甘いものや熱いものでも痛みを感じたり、刺激がなくなったあとも痛みが続いたりする場合があります。
特に、以前よりしみる頻度が増えている、特定の歯だけ強くしみる、噛んだときにも痛みがあるといった場合には、知覚過敏だけでなく、虫歯や歯の亀裂などが隠れている可能性もあります。
歯科医院では、症状がある歯だけでなく、虫歯や歯周病の有無、歯ぐきの状態、歯のすり減りなどを確認します。必要に応じて歯並びや噛み合わせまで確認することで、しみる症状に何が関係しているのかを判断しやすくなります。
原因によって必要な治療は異なるため、症状が繰り返している場合や長く続いている場合は、そのままにせず歯科医院で相談しましょう。
歯並びや噛み合わせが関係している場合は矯正治療も選択肢
検査の結果、歯並びや噛み合わせが関係する要因の一つと考えられる場合には、歯列矯正が選択肢になることがあります。
たとえば、歯が重なっていることで毎日の歯みがきが難しくなっている場合には、歯並びを整えることで歯ブラシやデンタルフロスを使いやすい環境を目指すことができます。また、上下の歯の接触に偏りがある場合には、歯列全体の状態を確認しながら治療方法を検討します。
ただし、矯正治療は歯がしみる症状そのものを直接治療するものではありません。虫歯や歯周病、知覚過敏などが原因となっている場合には、それぞれに必要な治療を優先することが大切です。
そのうえで歯並びや噛み合わせにも改善が必要と判断された場合には、インビザラインをはじめとした矯正治療を検討します。適した治療方法は歯並びや噛み合わせ、歯周組織などの状態によって異なるため、検査を受けたうえで判断することが重要です。
歯がしみる・歯並びが気になる場合はご相談ください
「歯がしみるけれど虫歯なのか分からない」「歯並びが気になる部分だけしみる」「噛み合わせにも違和感がある」などのお悩みがある場合は、まず原因を確認することから始めましょう。
歯がしみる症状だけに注目するのではなく、歯や歯ぐき、歯並び、噛み合わせまで含めてお口全体を確認することで、ご自身に必要な治療を検討しやすくなります。
当院では、歯並びや噛み合わせに関するご相談を承っております。現在のお口の状態を確認したうえで、矯正治療が必要かどうかや、インビザラインによる治療が適しているかについてご説明いたします。
お気軽にご相談ください。
歯の長さや歯並びが気になる方は、まずはお気軽にご相談ください
神奈川県伊勢原市の
見えない矯正歯科治療専門外来/マウスピース矯正(インビザライン)
『 つじむら歯科医院 伊勢原 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214
【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑
【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長
【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士












