子どもの永久歯が生えてきたとき、「前歯が斜めになっているけれど大丈夫?」「このまま歯並びが悪くなるの?」と心配になる保護者の方も多いでしょう。生え変わりの途中では前歯が斜めに見えることもありますが、歯が並ぶスペースなどが関係している場合もあります。
本記事では、子どもの前歯が斜めに生える原因や自然に整う可能性、注意したいサイン、矯正治療が必要なケースについて分かりやすく解説します。
1.子どもの前歯が斜めに生えてきたら大丈夫?

子どもの前歯が斜めに生えてくると、「このまま曲がったままなの?」と心配になる方も多いでしょう。永久歯への生え変わりの時期は、歯並びがまだ安定していないため、斜めに見えることもあります。まずは、生え始めの前歯にどのような変化がみられるのか解説します。
子どもの前歯は、生え始めから必ずきれいに並んでいるとは限りません。歯の生え変わりや顎の成長に伴って、位置や傾きが変化することもあります。ただし、斜めに生えている原因によっては、歯科医院で経過を確認したほうがよいケースもあります。
生え始めの前歯が斜めになることはある
永久歯の前歯が生え始めたときに、少し斜めになっていたり、左右の前歯の向きが揃っていなかったりすることはあります。永久歯への生え変わりの時期は、乳歯と永久歯が混在しており、まだ歯並びが完成していないためです。
また、生え始めの永久歯は途中までしか見えていないため、実際よりも傾きが強く見えることがあります。前歯が斜めに生えてきたからといって、すぐに矯正治療が必要になるとは限りません。
大切なのは、前歯1本だけを見るのではなく、ほかの永久歯の生え変わりや、歯が並ぶためのスペースなどもあわせて確認することです。
成長とともに変化するケース
子どもの歯並びは、永久歯への生え変わりや顎の成長に伴って変化していきます。そのため、生え始めに斜めだった前歯の位置や向きが、周囲の歯が生えてくる過程で変化することもあります。
また、成長によって顎の大きさや歯が並ぶスペースが変化することで、前歯の見え方が変わるケースもあります。ただし、「成長すれば必ずまっすぐになる」というわけではありません。
永久歯が並ぶためのスペースが不足している場合などは、前歯の傾きや重なりがそのまま残る可能性もあります。そのため、現在の見た目だけで将来の歯並びを判断しないことが大切です。
一度歯科医院で確認したいケース
前歯が少し斜めに生えているだけで、必ず矯正治療が必要になるわけではありません。しかし、前歯同士が大きく重なっている、永久歯が生えるスペースがほとんどない、左右で生え方が大きく異なるといった場合は、一度歯科医院で確認してもらうとよいでしょう。
また、乳歯が残っているのに別の位置から永久歯が生えてきた場合や、ほかの前歯と比べてなかなか生えてこない場合なども、永久歯の位置や生え変わりの状態を確認することがあります。
子どもの前歯が斜めに生えてきたときは、「そのうち自然に治る」「すぐに矯正しなければならない」と自己判断する必要はありません。永久歯の生え方や顎の成長、歯が並ぶスペースなどを確認しながら、経過観察でよいのか、矯正治療を検討する必要があるのかを判断することが大切です。
2.子どもの前歯が斜めに生える主な原因

前歯が斜めに生えてくると、何が原因なのか気になるところです。子どもの歯並びは、永久歯の大きさや生える方向、乳歯の状態など、さまざまな影響を受けます。ここでは、子どもの前歯が斜めに生える主な原因について詳しく解説します。
特に乳歯から永久歯へ生え変わる時期は、歯並びが大きく変化するタイミングです。前歯が斜めに生えているからといってすぐに異常とは限りませんが、原因によってはその後の歯並びに影響する可能性もあります。
永久歯が生えるスペースが足りない
子どもの前歯が斜めに生える原因として考えられるものの一つが、永久歯がきれいに並ぶためのスペース不足です。一般的に永久歯は乳歯よりも大きいため、生え変わる際に十分なスペースがないと、まっすぐ生えることが難しくなる場合があります。
スペースが不足していると、永久歯が隣の歯を避けるように斜めから生えたり、歯同士が重なったりすることがあります。前歯だけでなく、これから生えてくる永久歯にもスペースが不足すると、歯列全体がガタガタになる「叢生(そうせい)」につながることもあります。
ただし、生え変わりの途中では顎も成長しているため、現時点でスペースが狭く見えるだけで将来の歯並びを判断することはできません。顎の成長やほかの永久歯の生え方も含めて確認することが大切です。
永久歯が生えてくる方向の問題
永久歯は、顎の骨の中で成長しながら少しずつ口の中へ生えてきます。その際、永久歯の位置や向きによっては、まっすぐではなく斜めに生えてくることがあります。
生え始めの段階では斜めに見えていても、歯がさらに生えてくる過程や周囲の歯の生え変わりによって、位置や傾きが変化する場合もあります。一方で、永久歯が大きく傾いている場合や、通常とは異なる位置から生えてきている場合には、そのままでは適切な位置に並びにくいこともあります。
見た目だけでは、永久歯が顎の骨の中でどのような向きになっているのか判断できません。必要に応じて歯科医院でレントゲン撮影などを行い、永久歯の位置や生える方向を確認することがあります。
乳歯の状態が影響することも
永久歯の生え方には、乳歯の状態が関係している場合もあります。通常は乳歯の根が徐々に吸収されて抜け、その後に永久歯が生えてきます。しかし、生え変わりのタイミングには個人差があり、乳歯が残っているうちに永久歯が別の位置から見えてくることもあります。
また、虫歯や外傷などによって乳歯を通常より早く失った場合には、周囲の歯が移動して永久歯が生えるためのスペースが狭くなることも考えられます。その結果、永久歯が斜めに生えたり、ほかの歯と重なったりする可能性があります。
子どもの前歯が斜めに生えてきた場合は、現在見えている前歯だけではなく、永久歯が並ぶスペースや生える方向、乳歯の状態などを総合的に確認することが重要です。原因を把握することで、しばらく経過を見てよいのか、早めに対応したほうがよいのかを判断しやすくなります。
3.前歯が斜めでも自然にまっすぐになる?

斜めに生えてきた前歯を見て、「成長すれば自然にまっすぐになるのでは?」と考える方もいるでしょう。子どもの歯並びは生え変わりや顎の成長とともに変化しますが、自然に整うとは限りません。ここでは、前歯が今後どのように変化する可能性があるのか解説します。
そのため、前歯が少し斜めだからといって、すぐに矯正治療が必要になるとは限りません。一方で、永久歯が並ぶスペースが不足している場合などは、自然に整うことが難しいケースもあります。
生え始めは位置が変化することがある
永久歯の前歯が生え始めたばかりの時期は、まだ歯列が完成していません。乳歯と永久歯が混在しており、これからほかの永久歯も順番に生えてくるため、一時的に前歯が斜めに見えたり、左右の歯の向きが揃っていなかったりすることがあります。
また、永久歯は少しずつ口の中へ出てくるため、生え始めに見えている部分だけでは歯全体の向きを判断しにくい場合があります。最初は斜めに見えていた前歯でも、さらに生えてくることで見え方が変わることもあります。
このような生え変わりの途中でみられる変化であれば、歯科医院で経過を確認しながら様子を見るケースもあります。現在の見た目だけで、将来も斜めのままだと判断する必要はありません。
顎の成長によってスペースができることも
子どもは永久歯への生え変わりとともに、顎も成長していきます。顎や歯列の成長によって歯が並ぶためのスペースが変化し、前歯の位置や歯並びにも変化がみられることがあります。
特に前歯が生え変わり始める時期は、これから多くの永久歯が生えてくる途中です。そのため、前歯だけを見て「スペースがないから矯正が必要」と判断することはできません。
一方で、永久歯に対して顎のスペースが大きく不足している場合には、成長だけでは十分なスペースを確保できないこともあります。前歯が隣の歯と大きく重なっている場合などは、今後の顎の成長や永久歯の生え方を継続して確認することが大切です。
自然に治るとは限らない
子どもの前歯が斜めに生えていても、成長とともに位置が変化する可能性はあります。しかし、すべてのケースで自然にまっすぐになるわけではありません。
永久歯が並ぶスペースが不足している、前歯同士が大きく重なっている、永久歯が通常とは異なる方向から生えているといった場合には、斜めの状態が残ることがあります。また、前歯だけでなく歯列全体のガタつきにつながるケースも考えられます。
「まだ子どもだから自然に治るだろう」と長期間そのままにするのではなく、生え変わりの状態を定期的に確認してもらうと安心です。歯科医院では、永久歯の生え方や歯が並ぶスペース、顎の成長などを確認しながら、経過観察でよいのか、矯正治療を検討したほうがよいのかを判断していきます。
4.前歯が斜めに生えてきたときのセルフチェック

前歯が斜めに生えていても、見た目だけでは問題があるのか判断しにくいものです。そんなときは、前歯の重なり方や左右の違い、噛み合わせなども確認してみましょう。ここでは、ご家庭で確認できるセルフチェックのポイントを紹介します。
ただし、歯の重なりが大きい場合や、噛み合わせにも気になる点がある場合は、永久歯が並ぶスペースなどを確認したほうがよいこともあります。まずはお子さんの口の中を見ながら、いくつかのポイントをチェックしてみましょう。
前歯が重なっていないか
最初に確認したいのが、斜めに生えてきた前歯と隣の歯との位置関係です。前歯が少し傾いているだけなのか、それとも隣の歯と大きく重なっているのかを確認してみましょう。
永久歯が並ぶためのスペースが不足していると、隣の歯を避けるように斜めに生えたり、歯と歯が重なったりすることがあります。特に、永久歯が生えてくる場所がほとんどないように見える場合は、今後ほかの永久歯が生えるスペースについても確認が必要になることがあります。
ただし、前歯が重なっているからといって、必ずすぐに矯正治療が必要とは限りません。子どもの顎は成長途中にあるため、歯の生え変わりや顎の成長を含めて判断することが大切です。
左右の前歯の位置・向きを確認
次に、左右の前歯を見比べてみましょう。片方だけ大きく斜めに生えている、左右で生えている高さが大きく異なる、通常とは違う位置から永久歯が出てきているといった場合は、一度歯科医院で確認してもらうとよいでしょう。
また、片方の前歯は生えているのに、反対側の同じ種類の歯がなかなか生えてこない場合もあります。歯の生える時期には個人差があるため、左右が完全に同じタイミングで生えるとは限りませんが、永久歯の位置や生え変わりの状態を確認したほうがよいケースもあります。
見た目だけでは顎の骨の中にある永久歯の位置までは分かりません。必要に応じて歯科医院でレントゲン撮影などを行い、永久歯がどこにあり、どの方向へ生えようとしているのかを確認します。
噛み合わせにも違和感がないか
前歯が斜めに生えているときは、歯の向きだけではなく噛み合わせも確認してみましょう。上下の前歯がきちんと噛み合っているか、特定の歯だけが強く当たっていないかなどもチェックするポイントです。
また、食べ物を前歯で噛み切りにくそうにしている、噛んだときに顎を左右へずらしているなど、普段の食事で気になる様子がないかも確認してみましょう。歯並びだけでなく、上下の歯の噛み合わせに問題が隠れている場合もあります。
セルフチェックは、子どもの前歯の変化に気づくきっかけとして役立ちますが、それだけで矯正治療が必要かどうかを判断することはできません。前歯の重なりが大きい、左右で生え方が大きく異なる、噛み合わせにも気になる点がある場合は、歯科医院で永久歯の生え方やスペース、顎の成長を確認してもらうとよいでしょう。
5.前歯が斜めになりやすい歯並びとは?

子どもの前歯が斜めに生えている場合、もともとの歯並びや永久歯が並ぶスペースが関係していることもあります。特に歯の重なりや前歯の位置が気になる場合は、歯列全体を見ることが大切です。ここでは、前歯の傾きと関係する歯並びについて解説します。
叢生(ガタガタの歯並び)
叢生とは、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足し、歯同士が重なったり、歯列からずれた位置に生えたりしている状態です。「ガタガタの歯並び」「乱ぐい歯」などと呼ばれることもあります。
永久歯の前歯が生えてくるスペースが十分にないと、隣の歯を避けるように斜めから生えてきたり、前後にずれて生えてきたりすることがあります。前歯が斜めに生えているだけでなく、隣の歯と重なっている場合には、スペース不足が関係している可能性があります。
ただし、永久歯への生え変わりの途中では歯並びが一時的に不揃いに見えることもあります。前歯の状態だけで叢生と判断せず、これから生えてくる永久歯や顎の成長も含めて確認することが大切です。
歯が重なって生える原因について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
出っ歯など前歯の位置に問題があるケース
斜めに見える前歯は、歯が並ぶ向きだけでなく、前後方向の位置に問題がある場合もあります。たとえば、上の前歯が前方へ傾いて生えていると、通常より前へ突き出して見えることがあります。
いわゆる出っ歯(上顎前突)には、前歯の傾きだけが関係しているケースもあれば、上下の顎の位置関係など骨格的な要因が関係しているケースもあります。そのため、前歯が斜めになっているという見た目だけでは、原因を判断することはできません。
また、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などが、前歯の位置や噛み合わせに影響することもあります。気になる癖がある場合は、歯並びとあわせて歯科医院で相談するとよいでしょう。
歯が生えるスペースが不足しているケース
子どもの永久歯がきれいに並ぶためには、それぞれの歯が生えるためのスペースが必要です。永久歯に対して歯列のスペースが不足していると、前歯が斜めに生えたり、ほかの歯と重なったりすることがあります。
前歯だけを見るとそれほど問題がないように見えても、これから犬歯や奥歯などの永久歯が生えてくることで、スペース不足が目立つようになる場合もあります。そのため、現在生えている前歯だけでなく、これから生えてくる永久歯についても考えることが重要です。
歯科医院では、前歯の傾きや重なりだけでなく、永久歯が並ぶスペースや顎の成長、生え変わりの進み方などを確認します。子どもの前歯が斜めに生えてきた場合は、歯列全体を確認しながら、経過観察でよいのか、将来的に矯正治療を検討する必要があるのかを判断していきます。
6.子どもの前歯が斜めなときに注意したいサイン

前歯が斜めに生えているだけなら、しばらく様子を見てもよいケースもあります。しかし、生え方や噛み合わせによっては、一度歯科医院で確認したほうがよいこともあります。ここでは、子どもの前歯が斜めなときに注意したいサインを紹介します。
見た目だけで「そのうち治る」と判断するのではなく、永久歯の生え方や噛み合わせにも目を向けることが大切です。ここでは、歯科医院への相談を検討したいサインを紹介します。
前歯同士が大きく重なっている
斜めに生えている前歯が隣の歯と大きく重なっている場合は、永久歯が並ぶためのスペースが不足している可能性があります。永久歯は乳歯より大きいことが多いため、生え変わりの時期にスペースが足りず、斜めになったり前後にずれたりすることがあります。
特に、前歯が重なっていて歯ブラシが届きにくい状態では、磨き残しが生じやすくなることにも注意が必要です。子ども自身では細かな部分まで磨くことが難しい場合もあるため、保護者による仕上げ磨きで確認してあげるとよいでしょう。
また、前歯の段階ですでにスペースが少ない場合は、これから生えてくる犬歯などの永久歯が並ぶスペースについても確認が必要になることがあります。前歯だけでなく、歯列全体を見てもらうことが大切です。
なかなか正しい位置に生えてこない
永久歯が生え始めてから時間が経っても斜めの状態が強く残っている場合や、通常とは異なる位置から生えてきている場合も、一度確認してもらうとよいでしょう。
また、片方の前歯は生えているのに反対側がなかなか生えてこない、乳歯が残っているのに永久歯が別の場所から出てきたといったケースもあります。生え変わりの時期には個人差があるため、必ず問題があるとは限りませんが、永久歯の位置や向きを確認したほうがよい場合があります。
歯科医院では、必要に応じてレントゲン撮影などを行い、顎の骨の中にある永久歯の位置や生える方向を確認します。外から見ただけでは分からない部分まで確認することで、経過観察が可能かどうかを判断しやすくなります。
噛み合わせにも問題がみられる
前歯が斜めに生えているだけでなく、上下の前歯がうまく噛み合っていない場合にも注意が必要です。たとえば、上下の前歯が反対に噛んでいる、前歯同士が当たらない、特定の歯だけが強く当たるといった状態がみられることがあります。
また、食べ物を前歯で噛み切りにくそうにしている、噛むときに顎を横へずらしているなど、食事中の様子も確認してみましょう。歯の傾きだけではなく、上下の歯や顎の位置関係が影響している可能性もあります。
子どもの前歯が斜めだからといって、すべてのケースで早期の矯正治療が必要になるわけではありません。しかし、歯の重なりが大きい、生え方に左右差がある、噛み合わせにも気になる点がある場合は、早めに歯科医院で相談しておくと安心です。現在の状態を確認したうえで、経過観察をするのか、適切な時期に矯正治療を検討するのかを判断していきます。
お子さまの前歯の生え方が気になる方へ
前歯の傾きや重なり、永久歯が生えるスペースなど、気になることがあればお気軽にご相談ください。
7.子どもの前歯が斜めでも様子を見ていい?

「前歯が斜めだけど、まだ生え変わりの途中だから様子を見てもいい?」と迷う方も多いでしょう。すぐに治療が必要とは限りませんが、状態によっては定期的な確認が必要です。ここでは、経過観察できるケースや受診するタイミングについて解説します。
一方で、歯が並ぶスペースが大きく不足している場合や、噛み合わせに問題がみられる場合などは、早めに状態を確認したほうがよいこともあります。大切なのは、見た目だけで判断せず、歯の生え変わりや顎の成長も含めて経過を確認することです。
すぐに矯正が必要とは限らない
永久歯の前歯が生え始めたばかりの時期は、まだ歯並びが完成していません。乳歯と永久歯が混在しており、これから周囲の永久歯が生えてくることで、前歯の位置や見え方が変化することもあります。
そのため、前歯が少し斜めに生えているという理由だけで、すぐに矯正治療を始めるとは限りません。歯の傾きの程度や永久歯が並ぶスペース、噛み合わせ、顎の成長などを確認したうえで、治療が必要かどうかを判断します。
また、矯正治療が必要と考えられる場合でも、その時点ですぐに治療を始めるのではなく、永久歯の生え変わりを待ってから開始したほうがよいケースもあります。適切な治療時期は、お子さんの歯や顎の状態によって異なります。
経過観察になるケースもある
前歯の傾きが軽度で、永久歯が生えるスペースが確保されている場合などは、定期的に状態を確認しながら経過観察になることがあります。
経過観察では、前歯がどのように生えてくるのかだけでなく、ほかの永久歯への生え変わりや顎の成長、歯並び・噛み合わせの変化なども確認していきます。定期的に確認することで、矯正治療が必要になった場合にも、適切なタイミングを検討しやすくなります。
「様子を見る」というのは、何もしないまま放置することとは異なります。家庭では変化に気づきにくいこともあるため、定期検診などを利用しながら歯の生え変わりを確認してもらうとよいでしょう。
受診するタイミングの目安
子どもの前歯が斜めに生えていることに気づいた時点で、一度歯科医院へ相談しても問題ありません。特に、前歯同士が大きく重なっている、永久歯が生える場所がほとんどない、乳歯が残ったまま別の位置から永久歯が生えてきた場合などは、早めに確認してもらうとよいでしょう。
また、上下の前歯が反対に噛んでいる、前歯で食べ物を噛み切りにくい、噛むと顎が横へずれるといった様子がある場合も、歯並びだけでなく噛み合わせを確認することが大切です。
子どもの前歯が斜めに生えてきたからといって、焦って矯正治療を始める必要はありません。一方で、「永久歯が揃うまで待てば大丈夫」と自己判断するのも避けたほうがよいでしょう。歯科医院で現在の状態を確認し、必要であれば定期的に経過を見ながら、お子さんに合ったタイミングで矯正治療を検討することが大切です。
8.子どもの前歯が斜めな場合、矯正はいつから?

前歯の傾きが気になると、次に心配になるのが矯正治療を始める時期ではないでしょうか。子どもの矯正は、単純に年齢だけで決めるものではなく、歯の生え変わりや顎の成長も関係します。ここでは、矯正を検討するタイミングについて解説します。
前歯が斜めに生えている場合でも、すぐに矯正を始めるケースもあれば、定期的に経過を確認しながら適切な時期を待つケースもあります。まずは現在の歯並びと成長の状態を確認することが大切です。
歯の生え変わりと矯正開始時期
子どもの歯は、乳歯から永久歯へ少しずつ生え変わっていきます。乳歯と永久歯が混在する時期は「混合歯列期」と呼ばれ、前歯が永久歯へ生え変わる一方で、奥にはまだ乳歯が残っていることがあります。
この時期に前歯が斜めに生えてきても、すべてのケースですぐに歯をまっすぐ並べる治療を行うわけではありません。永久歯が生えるスペースや上下の顎のバランスなどを確認し、必要に応じて治療を検討します。
一方で、噛み合わせに問題がある場合や、永久歯が生えるスペースが大きく不足している場合などは、永久歯がすべて揃う前から対応を検討することもあります。そのため、「何歳になったら矯正を始める」と年齢だけで判断しないことが重要です。
顎の成長を利用する治療
子どもの矯正治療では、成長期であることを生かして、顎の成長や歯が並ぶための環境を整える治療が行われることがあります。永久歯が並ぶスペースや上下の顎のバランスなど、お子さんの状態に応じて治療方法を検討します。
ただし、前歯が斜めに生えているという理由だけで、顎を広げる治療などが必要になるわけではありません。前歯の傾きの原因がスペース不足なのか、生える方向なのか、噛み合わせや顎の状態が関係しているのかによって対応は異なります。
成長期の治療を検討する場合には、現在の歯並びだけでなく、これからどのように永久歯が生えてくるのかを予測しながら治療計画を立てていくことが大切です。
永久歯が揃ってから治療するケースも
前歯の傾きが軽度で噛み合わせに大きな問題がみられない場合などは、永久歯への生え変わりを確認しながら経過を見て、永久歯がある程度揃ってから矯正治療を検討することもあります。
永久歯が揃ってから行う矯正では、前歯だけをまっすぐにするのではなく、歯列全体のガタつきや上下の噛み合わせまで含めて整えていきます。治療方法としては、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置などが選択肢になることがあります。
子どもの前歯が斜めに生えている場合、治療を急ぎすぎる必要はありませんが、相談する時期まで遅らせる必要もありません。早めに状態を確認しておけば、「今は経過観察でよい」「この時期から治療を検討したほうがよい」など、お子さんに合ったタイミングを判断しやすくなります。前歯の生え方が気になった段階で一度歯科医院へ相談し、その後の生え変わりや顎の成長を継続的に確認してもらうとよいでしょう。
子どもの矯正を始める時期について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
9.斜めに生えた前歯は矯正治療で改善できる?

斜めに生えた前歯が自然に整わない場合、矯正治療を検討することがあります。ただし、治療では前歯の傾きだけでなく、歯列全体や噛み合わせまで確認することが大切です。ここでは、子どもの前歯に対する矯正治療の考え方や選択肢について解説します。
また、子どもは成長途中にあるため、すぐに前歯を動かす治療を行う場合もあれば、永久歯への生え変わりを待ってから治療する場合もあります。一人ひとりの状態に合わせて、適切な方法とタイミングを考えることが大切です。
前歯だけでなく歯列全体を確認する
「斜めになっている前歯だけをまっすぐにしたい」と考える方もいるかもしれません。しかし、前歯の傾きには、永久歯が並ぶスペースの不足や隣の歯との位置関係、上下の噛み合わせなどが関係していることがあります。
前歯だけを整えても、歯が並ぶためのスペースが不足したままであれば、ほかの永久歯が生えてきたときに再び歯並びが気になる可能性もあります。そのため、これから生えてくる永久歯も含めて歯列全体を確認することが重要です。
歯科医院では、前歯の傾きや重なりだけでなく、永久歯の生え変わり、歯列のスペース、上下の噛み合わせなどを確認します。必要に応じてレントゲンなども用いながら、治療が必要かどうかを判断していきます。
子どもの矯正治療の選択肢
子どもの矯正治療にはさまざまな方法があり、歯の生え変わりや顎の成長段階によって使用する装置や治療の目的が異なります。
混合歯列期では、永久歯が並ぶためのスペースや噛み合わせ、顎の状態などに応じて治療を行うことがあります。一方、永久歯がある程度揃った段階では、歯そのものを動かして歯列や噛み合わせを整える治療が中心になることがあります。
前歯が斜めに生えているからといって、特定の装置が必ず適しているわけではありません。現在の歯並びだけではなく、今後の永久歯の生え方や成長も考慮して治療方法を選択することが大切です。
将来的にインビザラインが選択肢になるケース
歯の生え変わりや歯並びの状態によっては、マウスピース型矯正装置であるインビザラインが治療の選択肢になる場合があります。透明なマウスピースを段階的に交換しながら、歯を少しずつ移動させて歯並びや噛み合わせを整えていく方法です。
ただし、インビザラインが適しているかどうかは、前歯の傾きだけでは判断できません。永久歯の生え変わりの状態や歯が並ぶスペース、噛み合わせなどによっては、ほかの治療方法が適している場合もあります。
子どもの前歯が斜めに生えてきた場合は、「前歯だけを早くまっすぐにする」ことだけを目的にせず、将来の歯並びや噛み合わせまで考えて治療方法を検討することが重要です。まずは歯科医院で現在の状態を確認し、経過観察でよいのか、いつ頃からどのような矯正治療を検討するのがよいのか相談してみましょう。
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10.子どもの前歯が斜めに生えてきて心配な方へ

子どもの前歯が斜めに生えていると、自然に治るのか、矯正が必要なのか判断に迷うものです。大切なのは、見た目だけで決めつけず、生え変わりや顎の成長も含めて確認することです。最後に、前歯の傾きが気になるときの対応についてまとめます。
一方で、永久歯が並ぶスペースの不足や生える方向、噛み合わせなどが関係している場合もあります。大切なのは、現在の見た目だけで判断せず、これからの生え変わりや顎の成長まで含めて確認することです。
自己判断で「自然に治る」と決めつけない
生え始めの前歯が少し斜めになっていても、永久歯がさらに生えたり、周囲の歯が生え変わったりすることで、位置や見え方が変化することがあります。そのため、斜めに生えているからといって必要以上に心配する必要はありません。
ただし、「子どもだから成長すれば自然にまっすぐになる」とは限りません。歯が並ぶスペースが不足している場合や、前歯同士が大きく重なっている場合、永久歯が通常とは異なる方向へ生えている場合などは、斜めの状態が残る可能性があります。
家庭から見えるのは、口の中に出てきた歯の一部分です。顎の骨の中にある永久歯の位置や向きまでは確認できないため、気になる状態が続く場合は歯科医院で確認してもらうとよいでしょう。
生え変わりと顎の成長を確認する
子どもの歯並びを考えるうえでは、前歯1本の向きだけでなく、乳歯から永久歯への生え変わりや顎の成長を確認することが重要です。これから生えてくる永久歯が並ぶためのスペースがあるか、上下の歯が適切に噛み合っているかなどもチェックします。
前歯の傾きが軽度で、噛み合わせなどにも大きな問題がみられない場合には、定期的に生え変わりを確認しながら経過を見ることもあります。一方、スペースが大きく不足している場合や噛み合わせに問題がある場合には、成長段階に合わせて矯正治療を検討することがあります。
定期的に経過を確認しておけば、歯並びに変化がみられたときにも気づきやすくなります。すぐに治療を始めない場合でも、適切な治療時期を逃さないために継続して状態を確認することが大切です。
矯正治療が必要か歯科医院で相談する
子どもの前歯が斜めに生えている場合、矯正治療が必要かどうかは一人ひとり異なります。前歯の傾きだけではなく、歯の重なりや永久歯が並ぶスペース、噛み合わせ、顎の成長などを総合的に確認して判断します。
矯正が必要な場合でも、すぐに治療を始めることが適しているとは限りません。現在は経過観察を行い、永久歯への生え変わりを待ってから治療を始めるケースもあります。反対に、成長期に確認しておくことで治療方針を立てやすくなるケースもあります。
「この程度の傾きなら相談しなくても大丈夫かな」と迷っている段階でも、歯科医院へ相談することはできます。子どもの前歯が斜めに生えてきて気になる場合は、まず現在の歯並びや生え変わりの状態を確認してもらいましょう。そのうえで、経過観察でよいのか、将来的に矯正治療が必要になりそうなのかを相談し、お子さんに合ったタイミングで対応していくことが大切です。
お子さまの前歯・歯並びでお悩みの方へ
永久歯の生え方や歯が並ぶスペース、噛み合わせなどを確認し、お子さまの成長に合わせて治療の必要性やタイミングを検討します。
神奈川県伊勢原市の
見えない矯正歯科治療専門外来/マウスピース矯正(インビザライン)
『 つじむら歯科医院 伊勢原 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214
【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑
【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長
【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士












