コラム

2026.09.07

口呼吸を続けると歯並びに影響する?歯科で考える口呼吸と歯列の関係

口呼吸を続けると歯並びに影響する?歯科で考える口呼吸と歯列の関係

「いつも口が開いている」「子どもの口呼吸が気になる」と悩んでいませんか。口呼吸が続くと、舌や唇の位置、口周りの筋肉の使い方などを通して、歯並びや顎の成長に影響する可能性があります。ただし、口呼吸だけが歯並びを悪くする原因とは限りません。
本記事では、口呼吸と歯並びの関係や原因、セルフチェック、矯正治療について歯科の視点から分かりやすく解説します。

1.口呼吸とは?鼻呼吸との違い

「気がつくと口が開いている」「寝ているときに口で息をしている」といった状態が続いている場合、口呼吸が習慣になっている可能性があります。口呼吸は単なる呼吸の癖と思われがちですが、口周りの筋肉や舌の位置などを通して、歯並びと関係することもあります。

まずは、口呼吸とはどのような状態なのか、鼻呼吸との違いについて確認していきましょう。

口呼吸とはどのような状態?

口呼吸とは、鼻ではなく主に口から空気を取り込み、呼吸している状態です。運動をしたときなどに一時的に口で呼吸することはありますが、普段から口が開いていて、日常的に口から呼吸している場合は注意が必要です。

口呼吸になる理由は一つではありません。鼻づまりなどによって鼻から呼吸しにくい場合もあれば、歯並びや顎の状態によって唇を自然に閉じにくい場合、口を開けることが習慣になっている場合などもあります。

そのため、「口を閉じるように意識すれば改善する」とは限りません。まずは、なぜ口呼吸になっているのかを確認することが大切です。

本来は鼻呼吸が基本

安静時の呼吸は、鼻から空気を取り込む鼻呼吸が基本です。鼻呼吸をしているときは、唇が自然に閉じ、舌が上顎に触れる位置にあることが一般的です。

一方、口から呼吸するためには口を開ける必要があります。その状態が習慣になると、唇が閉じている時間が短くなったり、空気の通り道を確保するために舌が低い位置になったりすることがあります。

歯は、舌が内側から押す力と、唇や頬が外側から加える力などの影響を受けています。そのため、口呼吸によって舌や唇の位置・使い方が変化すると、成長期の子どもでは歯列や顎の成長に影響する可能性があります。ただし、口呼吸だけが歯並びを悪くする原因とは限りません。

自分では口呼吸に気づいていないことも

口呼吸は毎日の習慣になっていると、自分では気づきにくいことがあります。日中に無意識に口が開いている、テレビやスマートフォンを見ているときに口が開く、朝起きたときに口の中が乾燥しているといった場合は、口呼吸になっていないか確認してみましょう。

また、子どもの場合は、保護者が「いつも口がぽかんと開いている」「寝ているときに口が開いている」と気づくケースもあります。

口呼吸と歯並びには、舌の位置や唇・頬の力などが複雑に関係しています。口呼吸が気になる場合は、呼吸だけを見るのではなく、歯並びや噛み合わせ、舌の位置なども含めて確認することが重要です。

2.口呼吸を続けると歯並びに影響する?

口呼吸が続いていると、「歯並びが悪くなるのでは?」と心配になる方もいるでしょう。口呼吸だけが歯並びを決めるわけではありませんが、口が開いた状態が習慣になることで、舌や唇、頬などの位置や力のバランスが変化し、歯並びに影響する可能性があります。

特に顎や歯列が成長している子どもでは、長期間の口呼吸が歯並びに関係する要因の一つになることがあります。

唇・舌・頬の力と歯並びの関係

歯並びは、歯そのものや顎の大きさだけで決まるものではありません。舌が歯を内側から押す力や、唇・頬が外側から加える力なども歯列の状態に関係しています。

通常、舌は安静時に上顎に触れる位置にあり、唇は無理なく閉じている状態が基本です。舌と唇、頬などから加わる力のバランスが保たれることで、歯列も一定の位置に保たれています。

しかし、口呼吸によって舌の位置や唇の使い方が変わると、このバランスにも変化が生じることがあります。こうした状態が長期間続けば、成長期の歯列や顎の発育に影響する可能性があります。

口が開いていると力のバランスが変わる

口呼吸では空気の通り道を確保するために口を開けることが多くなります。口が開いた状態では、唇によって前歯を外側から支える力が弱くなったり、舌が本来より低い位置に下がったりすることがあります。

その結果、前歯が前方へ傾いたり、上下の前歯が噛み合わない状態になったり、歯列の幅に影響したりする可能性があります。口呼吸と関連してみられることがある歯並びには、出っ歯(上顎前突)や開咬などがあります。

特に子どもは顎や歯列が成長途中にあるため、口呼吸が続いている場合には、現在の歯並びだけでなく、舌の位置や唇の閉じ方なども確認することが大切です。

口呼吸だけが歯並びの原因とは限らない

口呼吸と歯並びには関係がみられることがありますが、「口呼吸をしているから歯並びが悪くなった」と単純に判断することはできません。

歯並びには、歯や顎の大きさ、遺伝的な要素、永久歯が生えてくる位置、舌や唇の癖など、さまざまな要因が関係しています。また反対に、出っ歯などの歯並びや顎の状態によって唇を自然に閉じにくくなり、口呼吸につながっている場合もあります。

そのため、口呼吸と歯並びのどちらか一方だけを見るのではなく、なぜ口が開いているのか、歯列や噛み合わせに問題がないかを総合的に確認することが重要です。口呼吸と歯並びの両方が気になる場合は、歯科医院でお口全体の状態を確認してもらうとよいでしょう。

3.口呼吸と舌の位置にはどんな関係がある?

口呼吸と歯並びの関係を考えるうえで、重要なポイントの一つが「舌の位置」です。舌は食事や会話のときだけでなく、何もしていない安静時にも一定の位置にあります。この舌の位置が変化すると、歯や顎に加わる力のバランスにも影響することがあります。

特に口呼吸が習慣になっている場合は、舌が本来より低い位置にある「低位舌(ていいぜつ)」がみられることがあります。

正しい舌の位置とは

安静時の舌は、舌先が上の前歯のすぐ後ろ付近にあり、舌全体が上顎に触れている状態が基本とされています。このとき、舌先で前歯を強く押すのではなく、上顎に自然に収まっていることがポイントです。

舌は歯列の内側に位置しているため、その位置や動きは歯並びとも関係しています。舌が内側から加える力と、唇や頬が外側から加える力のバランスによって、歯列は一定の位置に保たれています。

そのため、舌が適切な位置から外れた状態が長期間続くと、歯列や噛み合わせに影響する可能性があります。特に成長期の子どもでは、舌の位置だけでなく顎の発育なども含めて確認することが大切です。

口呼吸では舌が低い位置になりやすい

鼻呼吸では舌を上顎につけた状態を保ちやすい一方、口呼吸では口から空気を通す必要があります。そのため、空気の通り道を確保しようとして、舌が上顎から離れて低い位置に下がることがあります。

このように舌が低い位置にある状態が習慣化すると、上顎や歯列に加わる舌の力が変化することがあります。また、飲み込むときに舌を前方へ押し出す癖などを伴っているケースもあります。

ただし、舌の位置が低いからといって、必ず口呼吸が原因とは限りません。鼻の通りにくさや口周りの筋肉、歯並びなど、複数の要因が関係していることがあります。

舌の位置が歯列の成長に関係することも

舌の位置や使い方は、特に成長期の子どもの歯列や顎の発育と関係することがあります。舌が上顎に触れる時間が少なく、低い位置にある状態が続くと、上顎の歯列の幅などに影響する可能性があります。

また、舌を前へ押し出す癖がある場合には、上下の前歯の間に舌が入り込み、前歯が噛み合わない「開咬」などに関係することもあります。

一方で、歯並びや顎の形によって舌を適切な位置に置きにくくなっている場合もあります。そのため、「舌の位置を直せば歯並びも自然に治る」と考えるのではなく、口呼吸の原因や歯並び、噛み合わせまで含めて確認することが重要です。

4.口呼吸と関係することがある歯並び

口呼吸が続いているからといって、必ず歯並びが悪くなるわけではありません。しかし、口が開いた状態や舌が低い位置にある状態が長期間続くと、唇・舌・頬から歯に加わる力のバランスが変化し、歯並びや顎の成長に影響する可能性があります。

特に成長期の子どもでは、口呼吸とともに舌の位置や口周りの筋肉の使い方なども確認することが大切です。ここでは、口呼吸と関連してみられることがある代表的な歯並びについて解説します。

出っ歯(上顎前突)

口呼吸が習慣になると、口を開けている時間が長くなり、唇が前歯を外側から支える力が弱くなることがあります。また、舌の位置が低くなることで、歯に加わる力のバランスが変化する場合もあります。

こうした状態が成長期に続くと、上の前歯が前方へ傾くなど、出っ歯(上顎前突)と呼ばれる歯並びに関係することがあります。前歯が前方へ出ていると唇を自然に閉じにくくなり、さらに口が開きやすくなる場合もあります。

ただし、出っ歯には顎の骨格や歯の位置、遺伝的な要素なども関係するため、口呼吸だけが原因とは限りません。

出っ歯 (上顎前突)について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

開咬

開咬(かいこう)とは、奥歯を噛み合わせても上下の前歯の間にすき間ができ、前歯が噛み合わない状態です。

口呼吸をしている方では、舌が低い位置にあったり、飲み込むときに舌を前方へ押し出したりする癖がみられることがあります。上下の前歯の間へ舌を出す状態が繰り返されると、前歯に力が加わり、開咬に関係する可能性があります。

開咬になると、前歯で食べ物を噛み切りにくいなど、見た目以外の問題につながることもあります。口呼吸とともに舌を前へ出す癖がみられる場合は、歯並びだけでなく舌の使い方も確認することが重要です。

口が閉じにくいのはなぜ?力を入れないと閉じられない原因と歯並びの関係について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

歯列が狭くなったりガタガタしたりすることも

舌には歯列を内側から支える役割があります。口呼吸によって舌が上顎に触れにくく、低い位置にある状態が続くと、成長期の上顎や歯列の幅に影響する可能性があります。

歯列が狭くなると、永久歯が並ぶためのスペースが不足し、歯が重なったり前後にずれたりする「叢生(そうせい)」につながる場合もあります。

ただし、歯列の狭さやガタガタした歯並びには、顎と歯の大きさのバランスや永久歯の生える位置など、さまざまな要因が関係しています。口呼吸があるから特定の歯並びになると決めつけず、呼吸の状態とあわせて舌の位置、歯列、噛み合わせ、顎の状態などを総合的に確認することが大切です。

5.子どもの口呼吸を放置するとどうなる?

子どもがいつも口を開けていると、「成長すれば自然に鼻呼吸になるのでは?」と様子を見てしまうこともあるでしょう。しかし、成長期は顎や歯列が発達していく大切な時期です。口呼吸が長期間続くと、舌や唇、頬などの使い方を通して、歯並びや顎の成長に影響する可能性があります。

ただし、口呼吸だけが歯並びを悪くする原因とは限りません。鼻づまりなど別の原因が隠れている場合もあるため、口呼吸が続いている理由を確認することが重要です。

成長期の顎や歯列に影響する可能性がある

子どもの顎や歯列は成長途中にあり、舌や唇、頬などから受ける力の影響を受けながら発達していきます。鼻呼吸をしているときは舌が上顎に触れ、唇が自然に閉じている状態が基本です。

一方、口呼吸が習慣になると、口を開ける時間が長くなり、舌が低い位置に下がることがあります。その状態が長く続くことで、上顎の歯列の幅や前歯の位置などに影響する可能性があります。

その結果、出っ歯や開咬、歯のガタガタなどと関連する場合があります。ただし、遺伝や顎と歯の大きさなども歯並びに関係するため、口呼吸だけを原因と考えないことが大切です。

口が閉じにくい状態につながることも

口呼吸が続くと、安静時にも口がぽかんと開いた状態が習慣になることがあります。また、歯並びや顎の状態によって、もともと唇を自然に閉じにくい子どももいます。

前歯が前方へ出ている場合などは、唇を閉じるために力が必要になることがあります。そのため、口呼吸が歯並びに影響しているケースだけでなく、歯並びによって口を閉じにくくなり、口呼吸につながっているケースも考えられます。

「口を閉じなさい」と繰り返し注意するだけでは改善が難しいこともあるため、口が開いている原因を確認することが重要です。

子どもの口呼吸は早めに原因を確認することが大切

子どもの口呼吸が続いている場合は、まず「なぜ鼻ではなく口で呼吸しているのか」を確認しましょう。鼻づまりやアレルギーなどによって鼻呼吸が難しい場合には、耳鼻咽喉科などでの確認が必要になることもあります。

一方で、歯並びや噛み合わせ、舌の位置、唇の閉じにくさなどが気になる場合は、歯科医院で相談することも大切です。

特に「いつも口が開いている」「前歯が出てきたように感じる」「前歯が噛み合わない」「歯並びがガタガタしてきた」といった変化がみられる場合は、一度お口の状態を確認してもらうとよいでしょう。成長期だからこそ、現在の歯並びだけでなく、顎の成長や永久歯への生え替わりも含めて確認することが重要です。

6.口呼吸になっているかセルフチェック

口呼吸は無意識に行っていることも多く、自分では気づいていないケースがあります。特に子どもの場合は、本人よりも保護者が「いつも口が開いている」「寝ているときに口呼吸をしている」と気づくことも少なくありません。

次のような特徴がみられる場合は、普段の呼吸や口の状態を一度確認してみましょう。ただし、セルフチェックだけで口呼吸の原因を判断することはできません。

無意識に口が開いている

テレビやスマートフォンを見ているとき、勉強や仕事に集中しているときなどに、無意識に口がぽかんと開いていないでしょうか。安静にしているときでも口が開いていることが多い場合は、口呼吸が習慣になっている可能性があります。

また、口を閉じようとしてもすぐに開いてしまう場合には、単なる癖だけでなく、鼻の通りにくさや歯並び、顎の状態などが関係していることもあります。

寝ているときに口が開く・朝に口が乾いている

日中は鼻呼吸をしていても、睡眠中に口呼吸になっている場合があります。家族から「寝ているときに口が開いている」と指摘されたことがある方や、朝起きたときに口や喉が乾いている方は注意してみましょう。

いびきをかく、睡眠中に口が開いているといった状態も、鼻から呼吸しにくくなっているサインの一つである可能性があります。特に子どもでいびきや口呼吸が続いている場合には、鼻や喉の状態について医療機関への相談が必要になることもあります。

唇を閉じると力が入る

リラックスした状態で唇を軽く閉じてみたときに、口元や顎に強く力が入る場合もチェックしたいポイントです。本来、安静時には大きな力を入れなくても唇を閉じられる状態が基本です。

前歯が前方へ出ているなどの歯並びによって、唇を自然に閉じにくくなっている場合があります。そのため、口呼吸が歯並びに影響しているだけでなく、歯並びが原因で口を閉じにくくなっている可能性も考える必要があります。

「口が開いている」「朝起きると口が乾く」「唇を閉じると顎に力が入る」といった項目が当てはまっても、それだけで原因を特定することはできません。口呼吸が続いている場合は、鼻の状態や舌の位置、歯並び、噛み合わせなどを確認し、必要に応じて歯科医院や耳鼻咽喉科などへ相談することが大切です。

7.口呼吸になる主な原因

口呼吸が続いている場合、「口を開ける癖があるから」と考えてしまいがちですが、原因はそれだけではありません。鼻から呼吸しにくい状態や、歯並び・顎の状態によって口を閉じにくいことなど、さまざまな要因が関係している場合があります。

口呼吸を改善するためには、まず何が原因で口から呼吸しているのかを確認することが大切です。

鼻づまりやアレルギーなど鼻の問題

口呼吸になる原因の一つとして、鼻から空気を取り込みにくい状態が挙げられます。鼻づまりが続いていると、必要な空気を取り込むために自然と口を開けて呼吸するようになることがあります。

たとえば、アレルギー性鼻炎などによって鼻が詰まっている場合には、本人が意識して鼻呼吸をしようとしても難しいことがあります。子どもの場合も、いつも口が開いている背景に鼻や喉の問題が隠れている可能性があります。

このようなケースでは、口を閉じることだけを意識するのではなく、鼻から呼吸しにくい原因を確認することが重要です。必要に応じて耳鼻咽喉科などへの相談も検討します。

歯並びや顎の状態で口が閉じにくい

歯並びや顎の状態が、口呼吸と関係している場合もあります。たとえば、上の前歯が前方へ出ている場合には、力を入れずに唇を閉じることが難しくなることがあります。

また、上下の顎の位置関係などによっても、口を自然に閉じにくくなることがあります。唇を閉じたときに顎へ力が入る、口を閉じてもすぐに開いてしまうといった場合には、歯並びや噛み合わせも確認してみるとよいでしょう。

この場合、口呼吸が歯並びに影響しているだけでなく、もともとの歯並びや顎の状態が口呼吸につながっている可能性もあります。そのため、両方の関係を確認することが大切です。

習慣や舌・口周りの筋肉が関係する場合も

鼻の通りに大きな問題がなくても、長期間の習慣によって口が開きやすくなっている場合があります。また、舌が低い位置にある「低位舌」や、唇を閉じるために使う口周りの筋肉の状態などが関係しているケースもあります。

特に舌の位置や飲み込み方に癖がある場合は、口呼吸だけでなく歯並びにも影響する可能性があります。しかし、舌の位置だけを意識して直せば、すべて改善するとは限りません。

口呼吸には複数の原因が重なっていることもあります。「口を閉じるようにする」だけで対応するのではなく、鼻の状態、歯並びや噛み合わせ、舌の位置などを総合的に確認し、原因に応じた対応を考えることが重要です。

8.口呼吸を改善すれば歯並びも自然に治る?

口呼吸と歯並びの関係を知ると、「口呼吸を改善すれば、歯並びも自然にきれいになるのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、口呼吸が改善したからといって、すでに乱れている歯並びが必ず自然に整うとは限りません。

年齢や歯並びの状態、顎の成長、舌の位置などによって必要な対応は異なるため、口呼吸と歯並びを分けて考えることが大切です。

口呼吸の改善だけで歯並びが治るとは限らない

口呼吸の原因を改善し、鼻呼吸がしやすくなれば、口を閉じやすくなったり、舌を適切な位置に保ちやすくなったりすることがあります。歯や顎に加わる力のバランスを考えるうえでも、口呼吸の原因に対応することは重要です。

ただし、すでに前歯が前方へ傾いている、歯がガタガタに重なっている、上下の前歯が噛み合っていないといった歯並びが、鼻呼吸に変えるだけで元の位置へ戻るとは限りません。

歯並びには顎と歯の大きさや骨格、永久歯が生えた位置なども関係するため、口呼吸を改善することと歯列そのものを整えることは分けて考える必要があります。

成長期は口呼吸や舌の癖も含めて確認する

子どもの場合は顎や歯列が成長途中にあるため、現在の歯並びだけでなく、口呼吸や舌の位置、飲み込み方なども確認することが大切です。

たとえば、口呼吸によって舌が低い位置にある場合や、飲み込むときに舌を前方へ押し出す癖がある場合には、歯列や噛み合わせに影響する可能性があります。

一方で、鼻づまりなどが原因で口呼吸になっている場合には、歯科だけではなく耳鼻咽喉科などとの連携が必要になることもあります。原因を確認せず、口を閉じることだけを無理に意識させるのではなく、その子に合った対応を考えることが重要です。

すでに歯並びが乱れている場合は矯正治療を検討することも

口呼吸の原因に対応しても、すでに歯並びや噛み合わせに問題がある場合には、矯正治療が選択肢になることがあります。

矯正治療では、前方へ傾いた前歯やガタガタした歯列、上下の噛み合わせなどを確認しながら、歯を適切な位置へ動かしていきます。大人の場合も、口呼吸とともに出っ歯や開咬などが気になっている場合には、矯正治療の適応について相談できます。

大切なのは、「口呼吸を治せば歯並びも治る」「歯並びを矯正すれば口呼吸も必ず治る」と考えないことです。口呼吸の原因と歯並びの状態をそれぞれ確認し、必要に応じて適切な治療や対応を検討しましょう。

9.口呼吸による歯並びのお悩みと矯正治療

口呼吸が続いていて、出っ歯や開咬、歯のガタガタなども気になっている場合には、歯並びや噛み合わせを詳しく確認することが大切です。口呼吸と歯並びは互いに関係していることがあるため、どちらか一方だけに注目するのではなく、原因を見極めたうえで必要な治療を検討します。

歯並びに問題がみられる場合には、矯正治療が選択肢になることもあります。ただし、矯正治療によって口呼吸そのものが必ず改善するわけではないため、鼻や喉の状態なども含めて考えることが重要です。

まずは口呼吸の原因を確認する

矯正治療を検討する前に、なぜ口呼吸になっているのかを確認することが大切です。鼻づまりやアレルギーなどによって鼻呼吸が難しい場合には、歯並びを整えるだけでは口呼吸の原因を解消できないことがあります。

一方で、前歯が前方へ出ていて唇を自然に閉じにくいなど、歯並びや顎の状態が口の閉じにくさに関係している場合もあります。また、舌の位置や飲み込み方など、複数の要因が重なっているケースも考えられます。

そのため、歯並びや噛み合わせだけでなく、唇の閉じ方や舌の位置なども確認し、必要に応じてほかの診療科への相談も検討します。

歯並び・噛み合わせを整える矯正治療

口呼吸とともに歯並びの乱れがみられ、矯正治療が必要と判断された場合には、歯を少しずつ適切な位置へ移動させていきます。

たとえば、前方へ傾いた前歯やガタガタした歯列、上下の前歯が噛み合わない開咬などは、状態に応じて矯正治療を検討することがあります。見た目を整えるだけでなく、上下の歯の噛み合わせも確認しながら治療計画を立てることが重要です。

ただし、同じような歯並びに見えても、歯の位置や骨格、年齢などによって適した治療方法は異なります。特に子どもの場合は、顎の成長や永久歯への生え替わりも考慮して治療時期を判断します。

インビザラインが選択肢になるケース

歯並びを整える方法の一つに、透明なマウスピース型矯正装置「インビザライン」があります。患者さまの歯並びに合わせて作製したマウスピースを段階的に交換しながら、歯を少しずつ移動させていく方法です。

出っ歯や歯のガタガタ、開咬などでも、歯並びや噛み合わせの状態によってはインビザラインが選択肢になることがあります。一方で、骨格的な問題が大きい場合や複雑な歯の移動が必要な場合など、ほかの治療方法が適しているケースもあります。

「口呼吸と歯並びの両方が気になる」「インビザラインで歯並びを整えられるか知りたい」という場合は、まず現在の歯列や噛み合わせを詳しく確認することが大切です。口呼吸の原因も考慮しながら、自分に合った治療方法を歯科医院で相談しましょう。

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10.口呼吸と歯並びが気になる方へ

口呼吸と歯並びには、舌の位置や唇・頬の力、顎の成長などを通して関係がみられることがあります。ただし、「口呼吸をしているから歯並びが悪くなった」と単純に判断することはできません。

口呼吸の背景には鼻の通りにくさが隠れていることもあれば、歯並びや顎の状態によって口を自然に閉じにくくなっている場合もあります。大切なのは、口呼吸と歯並びの両方を確認し、それぞれの原因に合った対応を考えることです。

口呼吸だけを自己判断で改善しようとしない

口呼吸が気になると、「意識して口を閉じればいい」「子どもに口を閉じるよう注意すればいい」と考えることもあるでしょう。しかし、鼻づまりなどによって鼻から呼吸しにくい場合には、無理に口を閉じるだけでは根本的な対応になりません。

また、出っ歯などによって唇を自然に閉じにくい場合や、舌の位置・飲み込み方などが関係しているケースもあります。そのため、まずは「なぜ口が開いているのか」を確認することが重要です。

特に子どもの口呼吸が長く続いている場合は、成長とともに自然に改善すると決めつけず、鼻や喉の状態、歯並びなどを一度確認しておくとよいでしょう。

鼻・舌・歯並びなどを総合的に確認する

口呼吸と歯並びについて考える際は、歯だけを見るのではなく、鼻の状態や舌の位置、唇の閉じ方、噛み合わせなどを総合的に確認することが大切です。

たとえば、鼻づまりが主な原因であれば耳鼻咽喉科などでの対応が必要になることがあります。一方、前歯が前方へ出ている、上下の前歯が噛み合っていない、歯がガタガタしているなど、歯列や噛み合わせに問題がみられる場合には、歯科で矯正治療について検討することがあります。

原因が一つとは限らないからこそ、口呼吸だけ、歯並びだけに注目するのではなく、お口全体の状態を確認したうえで必要な対応を考えることが重要です。

口呼吸と歯並びが気になる場合は歯科医院へ相談を

「いつも口が開いている」「唇を閉じると顎に力が入る」「前歯が出ている」「前歯が噛み合わない」など、口呼吸とともに歯並びにも気になる点がある場合は、一度歯科医院で相談してみましょう。

歯並びや噛み合わせに問題があり、矯正治療が適していると判断された場合には、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置「インビザライン」などが選択肢になることがあります。ただし、適した治療方法は歯並びや骨格、年齢などによって異なります。

当院では、歯並びや噛み合わせの状態を確認し、一人ひとりに合った治療方法を検討しています。「口呼吸と歯並びに関係があるのか知りたい」「子どもの口呼吸と歯並びが心配」「インビザラインで治療できるか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。

 

口呼吸や歯並びでお悩みの方へ
歯並びや噛み合わせの状態を確認し、一人ひとりに合った治療方法をご提案します。

 

 

 

神奈川県伊勢原市の
見えない矯正歯科治療専門外来/マウスピース矯正(インビザライン)
『 つじむら歯科医院 伊勢原 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214

 

【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑 

《公式facebookアカウント》

【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長

【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士

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