歯列が狭いと、歯が重なって生えたり、噛み合わせがずれたりすることがあります。「自分の歯列は狭い?」「矯正治療で広げられる?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
歯列の狭さには、顎の骨格や歯の傾きなど、さまざまな原因が関係しています。
この記事では、歯列が狭い原因や歯並び・噛み合わせへの影響、セルフチェックのポイント、インビザラインを含む矯正治療について詳しく解説します。
1.歯列が狭いとは?歯並びの特徴と見た目

歯列が狭いとは、歯が並んでいるアーチ状の幅が比較的狭い状態を指します。歯列の幅が狭いと、歯が並ぶスペースが不足したり、上下の歯がうまく噛み合わなかったりする場合があります。ただし、歯列の広さには個人差があり、狭く見えるからといって必ず問題があるわけではありません。ここでは、歯列が狭い状態の特徴や歯並びとの関係、歯列の幅を判断する際のポイントについて解説します。
歯列が狭い状態とは
歯列とは、上下の顎に並んでいる歯全体の配列を指し、一般的には前歯から奥歯にかけてアーチ状の形をしています。このアーチは「歯列弓(しれつきゅう)」と呼ばれ、歯並びや噛み合わせを考えるうえで重要な要素です。
歯列が狭い状態とは、歯列弓の左右方向の幅が比較的小さい状態を指します。特に、上顎の歯列弓が狭い場合は、上の歯が並ぶスペースが不足したり、下の歯列との幅のバランスが合わなくなったりすることがあります。
ただし、歯列の幅が狭く見える原因は一つではありません。顎の骨格そのものが狭い場合もあれば、歯が内側に傾いていることで歯列弓が狭く見える場合もあります。
また、歯列の幅だけでなく、歯列弓の形や奥行き、歯の大きさなども歯並びに関係します。そのため、歯列が狭いかどうかを判断する際は、見た目の幅だけでなく、歯や顎の状態を総合的に確認することが大切です。
歯列が狭い人に見られる歯並びの特徴
歯列が狭い場合、歯が並ぶためのスペースが不足し、歯並びに乱れが生じることがあります。特に、歯の大きさに対して歯列弓の幅や長さが十分でない場合は、歯が重なったり、ねじれたりして生えることがあります。
このように歯が重なって並ぶ状態は「叢生(そうせい)」と呼ばれ、一般的にはガタガタの歯並びとも表現されます。前歯が重なっている場合や、犬歯が歯列から外れた位置に生えている場合などが代表的な例です。
また、歯列が狭いことで、奥歯が内側に傾いて並んでいたり、歯列弓が前方に向かって細く見えたりする場合もあります。
一方で、歯列が狭くても歯が比較的きれいに並んでいるケースもあります。歯並びの乱れは、歯列の幅だけでなく、歯の大きさや生える位置、顎の成長など、さまざまな要因が関係しているためです。
そのため、歯がガタガタしているからといって、必ず歯列が狭いとは限りません。歯並びの特徴だけで原因を決めつけず、必要に応じて歯科医院で確認することが重要です。
歯列の広さには個人差がある
歯列弓の幅や形には個人差があり、すべての人に共通する理想的な幅が決まっているわけではありません。顎の大きさや歯の大きさ、顔の骨格などによって、適した歯列の形は異なります。
例えば、歯列弓が比較的細く見えても、上下の歯が適切に噛み合い、歯並びやお口の機能に問題がない場合もあります。反対に、見た目には十分な幅があるように見えても、上下の歯列の幅が合っていないことで、噛み合わせに問題が生じている場合もあります。
また、歯列が狭いかどうかは、鏡で正面から歯を見るだけでは判断が難しいものです。歯列弓は奥歯まで続く立体的な形をしているため、歯の並び方や上下の歯列の位置関係も確認する必要があります。
歯列の幅を評価する際は、歯科医院で歯並びや噛み合わせを確認し、必要に応じて歯型や口腔内スキャンなどを用いて歯列弓の形を調べることがあります。
歯列が狭いこと自体が必ず治療の対象になるわけではありません。歯並びや噛み合わせにどのような影響があるかを確認し、治療の必要性を判断することが大切です。
2.歯列が狭くなる主な原因

歯列が狭くなる原因には、顎の骨格や歯の大きさ、舌の位置、口呼吸など、さまざまな要因が関係しています。生まれつきの骨格的な特徴だけでなく、成長過程での口周りの筋肉の働きや習慣が影響する場合もあります。ここでは、歯列が狭くなる主な原因を解説します。
顎の骨格や遺伝的な要因
歯列の幅や形には、顎の骨格が関係しています。特に上顎の幅が小さい場合は、歯が並ぶ土台となる部分が狭くなり、歯列弓も狭くなることがあります。
顎の大きさや形には遺伝的な要因が関係するため、家族で似た歯列の特徴が見られる場合もあります。ただし、歯列の幅は遺伝だけで決まるわけではなく、成長や口腔機能などの影響も受けます。
また、上顎と下顎の幅のバランスが合っていない場合は、上下の歯が正常に噛み合わないこともあります。骨格的な問題が関係しているかどうかは、歯科医院での検査によって確認することが大切です。
歯の大きさと顎のスペースの関係
歯列が狭く見える原因には、歯の大きさと歯が並ぶスペースのバランスも関係しています。
例えば、顎の大きさに対して歯が大きい場合は、歯が並ぶスペースが不足し、歯同士が重なったり、内側にずれて生えたりすることがあります。
ただし、歯が大きいこと自体が歯列の幅を狭くするわけではありません。歯列弓の長さや形、歯の傾きなども関係するため、歯並びの乱れだけで歯列が狭いと判断することはできません。
歯科医院では、歯の大きさと歯列弓のスペースを確認し、歯並びに影響している要因を評価します。
舌の位置や口呼吸などの習慣との関係
舌の位置や口呼吸などの習慣も、歯列の形成に関係する可能性があります。
通常、舌は安静時に上顎側に位置し、唇や頬の筋肉とともに歯列周囲の力のバランスに関わっています。しかし、舌が低い位置にある状態が続くと、そのバランスが変化し、成長期の歯列の形に影響する場合があります。
また、鼻づまりなどによって口呼吸が続く場合は、舌や唇の位置が変化することがあります。ただし、口呼吸が必ず歯列を狭くするわけではなく、複数の要因が関係すると考えられています。
歯列の狭さが気になる場合は、歯並びだけでなく、舌の位置や呼吸の状態なども含めて歯科医院で相談しましょう。
口呼吸を続けると歯並びに影響する?歯科で考える口呼吸と歯列の関係について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
3.歯列が狭いと歯並びにどんな影響がある?

歯列が狭いと、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びに影響することがあります。特に、歯の大きさに対して歯列弓の幅や長さが十分でない場合は、前歯が重なったり、歯が本来の位置からずれて生えたりすることがあります。ここでは、歯列が狭い場合に見られる歯並びの特徴を解説します。
歯が重なって生える叢生(ガタガタの歯並び)
歯列が狭い場合に見られる歯並びの乱れの一つが、叢生(そうせい)です。叢生とは、歯が並ぶスペースが不足し、歯同士が重なったり、ねじれたりしている状態を指します。
例えば、前歯が重なって生えている場合や、犬歯が歯列から外れた位置に生えている場合などがあります。歯が重なった部分は歯ブラシが届きにくく、磨き残しが生じやすくなることもあります。
ただし、叢生は歯列の幅だけでなく、歯の大きさや顎の成長なども関係しているため、必ずしも歯列が狭いことだけが原因とは限りません。
八重歯・乱ぐい歯 (叢生)について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
前歯が前方に出る場合
歯が並ぶスペースが不足すると、前歯が前方に傾いたり、歯列から突出したりする場合があります。
例えば、歯の大きさに対して歯列弓のスペースが不足している場合、前歯が前方に傾くことで歯が並んでいるケースもあります。このような状態では、口元が前に出て見えたり、唇を自然に閉じにくくなったりすることがあります。
ただし、前歯の突出には顎の骨格や歯の傾きなど、さまざまな要因が関係しています。歯列が狭いからといって、必ず出っ歯になるわけではありません。
歯列の左右差や歯の傾きへの影響
歯列が狭い場合、左右の歯の並び方や傾きに違いが見られることもあります。
例えば、片側の奥歯が内側に傾いている場合は、歯列弓の左右の形が非対称に見えることがあります。また、歯が並ぶスペースの不足によって、一部の歯が内側や外側にずれて生える場合もあります。
ただし、歯列の左右差には歯の生える位置や骨格なども関係するため、見た目だけで原因を判断することはできません。
歯列の狭さや歯並びの乱れが気になる場合は、歯科医院で歯列弓の形や歯の位置を確認し、必要に応じて治療方法を検討することが大切です。
4.歯列が狭いと噛み合わせにも影響する?

歯列が狭い場合、歯並びだけでなく、上下の歯の噛み合わせにも影響することがあります。特に、上顎と下顎の歯列の幅が合っていない場合は、奥歯の噛み合わせがずれたり、一部の歯に負担がかかったりする可能性があります。ただし、歯列が狭いからといって、必ず噛み合わせに問題が生じるわけではありません。ここでは、歯列の狭さと噛み合わせの関係について解説します。
上下の歯が正しく噛み合わないケース
上下の歯列は、それぞれの幅や形が適切に対応することで、安定した噛み合わせを保っています。しかし、上顎の歯列が下顎に対して狭い場合は、上下の奥歯が適切な位置で噛み合わないことがあります。
例えば、奥歯の噛み合わせが浅くなったり、特定の歯だけが強く接触したりするケースがあります。また、噛むときに下顎が左右どちらかへずれる場合もあります。
ただし、噛み合わせのずれには歯の傾きや顎の位置なども関係するため、歯列の幅だけで原因を判断することはできません。
交叉咬合(クロスバイト)との関係
歯列が狭い場合に見られる噛み合わせの問題の一つが、交叉咬合(こうさこうごう)です。交叉咬合とは、上下の歯の頬側と舌側の位置関係が、通常とは逆になっている状態を指します。
通常、上の奥歯は下の奥歯よりやや外側に位置しています。しかし、上顎の歯列が狭い場合は、上の奥歯が下の奥歯より内側で噛み合うことがあります。
交叉咬合が片側だけに見られる場合、噛み合わせを合わせようとして下顎が横にずれるケースもあります。特に成長期の子どもでは、顎の位置や成長への影響を考慮し、早めの評価が検討されることがあります。
ただし、交叉咬合の原因は歯列の狭さだけではなく、歯の傾きや顎の骨格なども関係します。
噛みにくさや歯への負担について
歯列が狭く、上下の歯が適切に噛み合っていない場合は、食べ物を噛みにくく感じたり、一部の歯に力が集中したりすることがあります。
例えば、奥歯の接触が不安定な場合は、左右均等に噛みにくくなることがあります。また、特定の歯に強い力がかかる状態が続くと、歯のすり減りなどに関係する可能性もあります。
ただし、歯列が狭いこと自体が、噛みにくさや歯の損傷を直接引き起こすとは限りません。
噛み合わせのずれや食事中の違和感がある場合は、歯科医院で歯列の幅や上下の歯の接触状態を確認してもらいましょう。
5.歯列が狭いと顔や口元の見た目は変わる?

歯列が狭いと、笑ったときの歯の見え方や口元の印象に影響する場合があります。また、矯正治療で歯列の幅を調整することで、見た目に変化が生じることもあります。ただし、歯列の狭さと顔立ちの関係には個人差があり、必ずしも見た目に問題が生じるわけではありません。ここでは、歯列の幅と顔や口元の見た目の関係について解説します。
笑ったときの歯並びの見え方
歯列の幅や形は、笑ったときに見える歯の範囲に関係することがあります。
例えば、上の歯列弓が狭い場合は、笑ったときに奥歯が見えにくく、口角と歯列の間に暗い空間が目立つことがあります。この空間は「バッカルコリドー」と呼ばれ、笑顔の印象に関係する要素の一つです。
ただし、バッカルコリドーの見え方は、唇の動きや口の幅、歯の位置などによっても変わります。歯列が狭いからといって、必ず暗い空間が広く見えるわけではありません。
口元や横顔の印象との関係
歯列が狭い場合、前歯の位置や傾きによって、口元の印象が変わることがあります。
例えば、歯が並ぶスペースの不足によって前歯が前方に傾いている場合は、口元が突出して見えることがあります。一方で、歯が内側に傾いている場合は、歯列が細く見えることもあります。
ただし、横顔の印象には上下の顎の位置や唇の厚み、鼻や顎先の形なども関係しています。そのため、歯列の幅だけで横顔の特徴を判断することはできません。
見た目が気になる場合は、歯列の幅だけでなく、前歯の位置や顔全体のバランスを確認することが大切です。
歯列を広げると顔つきは変わる?
矯正治療によって歯列の幅を調整すると、笑ったときに見える歯の範囲や口元の印象が変化する場合があります。
例えば、内側に傾いていた歯を適切な位置へ移動させることで、歯列弓の形が変わり、笑顔の見え方に変化が生じることがあります。
ただし、歯を外側へ移動させて歯列を広げる治療と、上顎の骨格そのものを拡大する治療は異なります。特に成人では、歯の移動だけで顎の骨格を大きく変えることはできません。
また、歯列を広げれば必ず顔が小さく見えたり、横顔が整ったりするわけではありません。無理に歯を外側へ移動させると、歯茎の退縮などのリスクが生じる場合もあります。
矯正治療を検討する際は、見た目の変化だけでなく、噛み合わせや歯周組織への影響も含めて、適切な治療方法を相談することが大切です。
6.自分の歯列は狭い?セルフチェックのポイント

歯列が狭いかどうかは、歯並びや噛み合わせの状態から、ある程度の特徴を確認できます。ただし、見た目だけで歯列の幅や治療の必要性を判断することはできません。ここでは、自宅で確認できるポイントと、歯科医院への相談を検討したいサインを解説します。
歯並びや歯列の形を確認する
まずは鏡を使って、前歯の並び方や歯列全体の形を確認してみましょう。歯列が狭い場合は、歯が重なっていたり、奥歯が内側に傾いていたりすることがあります。
次のような点を確認してみてください。
- ・前歯が重なったり、ねじれたりしていないか
- ・犬歯が歯列から外れた位置に生えていないか
- ・歯列が前方に向かって細く見えないか
- ・奥歯が内側に傾いていないか
ただし、これらの特徴があっても、必ず歯列が狭いとは限りません。歯の大きさや生える位置なども関係しています。
噛み合わせや左右差を確認する
次に、奥歯を自然に噛み合わせたときの状態を確認しましょう。上下の歯列の幅が合っていない場合は、噛み合わせに左右差が生じることがあります。
- ・上の奥歯が下の奥歯より内側で噛み合っていないか
- ・噛んだときに下顎が左右どちらかへずれないか
- ・左右で噛みやすさに違いがないか
- ・特定の歯だけが強く当たる感覚がないか
特に、上の奥歯が下の奥歯より内側で噛み合う場合は、交叉咬合が関係している可能性があります。ただし、鏡だけでは奥歯の噛み合わせを正確に確認することは難しいため、無理に顎を動かして調べる必要はありません。
歯科医院で確認したいサイン
歯列の狭さが気になる場合、次のような症状や変化があれば、歯科医院での相談を検討しましょう。
- ・歯の重なりが強く、歯磨きがしにくい
- ・食事中に噛みにくさを感じる
- ・噛み合わせが以前と変わったように感じる
- ・子どもの歯並びや顎の成長が気になる
歯科医院では、歯列の幅や歯の傾き、上下の噛み合わせなどを確認し、必要に応じて口腔内スキャンやレントゲン撮影などを行います。
セルフチェックは、あくまで気になる点を整理するための目安です。歯列が狭いこと自体が必ず治療を必要とするわけではないため、検査結果をもとに適切な対応を検討しましょう。
7.歯列が狭い状態は自然に治る?

歯列が狭い場合、「成長すれば自然に広がるのでは?」と考える方もいるでしょう。歯列の幅や形は、年齢や顎の成長によって変化することがあります。ただし、自然に改善するかどうかは、歯列が狭い原因や成長段階によって異なります。ここでは、子どもと大人の歯列の変化や、歯科医院への相談を検討するタイミングについて解説します。
子どもの顎の成長と歯列の変化
子どもの歯列は、顎の成長や乳歯から永久歯への生え変わりに伴って変化します。特に成長期は、顎の幅や歯列弓の形が変わることがあります。
例えば、乳歯列から永久歯列へ移行する過程では、歯の生える位置や歯列の幅が変化する場合があります。そのため、一時的に歯並びが不揃いに見えても、成長とともに状態が変わることがあります。
ただし、上顎の幅が不足している場合や、上下の歯列の幅が合っていない場合は、成長だけで改善するとは限りません。特に交叉咬合が見られる場合は、早めの評価が必要になることがあります。
大人になってから自然に広がる可能性
永久歯が生え揃い、顎の成長が落ち着いた大人の場合、狭い歯列が自然に大きく広がることは一般的ではありません。
歯の位置は、加齢や噛み合わせ、歯周組織の状態などによって変化することがあります。しかし、こうした変化によって歯列の幅が適切に広がるとは限りません。
また、成人では顎の骨格の成長がほぼ終了しているため、歯列を広げる際には、歯の傾きを調整する治療と骨格的な拡大を目的とする治療を区別する必要があります。
歯列の狭さが気になる場合は、自然な変化を期待するだけでなく、歯科医院で現在の状態を確認することが大切です。
歯科医院への相談を検討するタイミング
歯列が狭く見えても、歯並びや噛み合わせに問題がなければ、必ずしも矯正治療が必要になるわけではありません。
一方で、歯が大きく重なっている、奥歯が反対に噛み合っている、食べ物を噛みにくいといった場合は、歯科医院への相談を検討しましょう。
特に子どもの場合は、顎の成長を利用した治療が選択肢になることもあるため、永久歯がすべて生え揃うまで待つことが適切とは限りません。
歯科医院では、年齢や歯の生え変わり、顎の成長、噛み合わせなどを確認し、経過観察や治療の必要性を判断します。
歯列が狭い原因や適切な対応は人によって異なります。気になる症状がある場合は、自己判断で様子を見続けず、歯科医院で相談することが大切です。
8.歯列が狭い場合の矯正治療には何がある?

歯列が狭く、歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、矯正治療が選択肢になることがあります。ただし、歯列を広げる方法は一つではありません。歯の傾きを調整する方法や、顎の骨格に働きかける方法などがあり、年齢や歯列の状態によって適した治療は異なります。ここでは、代表的な治療方法を解説します。
歯列の幅を調整する矯正治療
歯列が狭い場合、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置を用いて、歯の位置や傾きを調整することがあります。
例えば、奥歯が内側に傾いている場合は、歯を適切な方向へ移動させることで、歯列弓の幅を調整できる可能性があります。歯が並ぶスペースを確保し、歯並びや噛み合わせを整えることが目的です。
ただし、歯を外側へ動かせる範囲には限界があります。無理に拡大すると歯茎の退縮などが生じる可能性があるため、歯を支える骨や歯周組織の状態を確認することが重要です。
拡大装置を用いた治療
上顎の幅が狭い場合は、拡大装置を用いた治療が検討されることがあります。代表的なものに、急速拡大装置や緩徐拡大装置があります。
急速拡大装置は、主に成長期の子どもに用いられ、上顎の中央にある縫合部に働きかけて、骨格的な幅の拡大を目指す方法です。
一方、緩徐拡大装置は、比較的弱い力を継続的に加えて歯列の幅を調整する方法で、歯の移動による変化も含まれます。
ただし、装置によって作用や適応は異なり、成長段階によっても期待できる効果が変わります。特に成人では、通常の拡大装置だけで骨格を十分に広げることが難しい場合があります。
抜歯や外科的治療が検討されるケース
歯列が狭く、歯が並ぶスペースが大きく不足している場合は、抜歯を伴う矯正治療が検討されることがあります。
抜歯は歯列を広げるためではなく、歯を適切な位置に並べるスペースを確保するための選択肢です。ただし、歯列が狭いからといって必ず抜歯が必要になるわけではありません。
また、成人で上顎の骨格的な幅の不足が大きい場合は、骨格の拡大を補助する装置や外科的治療が検討されることもあります。
外科的治療には腫れや出血、感染などのリスクがあり、適応は慎重に判断されます。
治療方法を選ぶ際は、歯列の幅だけでなく、骨格や噛み合わせ、歯周組織の状態を総合的に確認することが大切です。
9.インビザラインで狭い歯列を広げられる?

歯列が狭い場合、「インビザラインで歯列を広げられるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。インビザラインは、透明なマウスピース型矯正装置を使って歯を移動させる治療方法です。歯の位置や傾きが原因で歯列が狭くなっている場合は、歯列の幅を調整できる可能性があります。ただし、顎の骨格が狭い場合は、インビザラインだけでは対応が難しいこともあります。
インビザラインで対応できるケース
インビザラインでは、歯を少しずつ移動させることで、歯列弓の幅を調整できる場合があります。
例えば、奥歯が内側に傾いている場合は、歯の傾きを調整して歯列を広げる方法が検討されます。また、軽度の歯の重なりがある場合は、歯列の幅を調整することで、歯が並ぶスペースを確保できることもあります。
ただし、歯を外側へ移動させられる範囲には限界があり、すべての症例で歯列を広げられるわけではありません。歯を支える骨や歯茎の状態によっても、対応できる範囲は異なります。
インビザラインだけでは難しいケース
上顎の骨格そのものが狭い場合は、インビザラインによる歯の移動だけでは十分な改善が難しいことがあります。
特に、上下の歯列の幅に大きな差がある場合や、骨格的な原因による交叉咬合がある場合は、顎の幅を広げる治療が必要になることもあります。
また、歯の重なりが強い場合や、歯を外側へ移動させるスペースが十分にない場合は、別の治療方法や補助的な処置を検討することがあります。
骨格的な拡大と歯の移動による拡大は異なるため、歯列が狭い原因を確認することが重要です。
インビザラインで治せないケースについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
治療前に確認しておきたいポイント
インビザラインで歯列を広げることを検討する場合は、治療前に歯列の幅や歯の傾き、顎の骨格、噛み合わせなどを確認する必要があります。
歯科医院では、口腔内スキャンやレントゲン撮影などを行い、歯を移動できる範囲や治療方法を検討します。
また、治療期間や費用だけでなく、歯茎の退縮や歯根吸収、治療後の後戻りなどのリスクについても確認しておきましょう。
インビザラインは取り外しができる一方で、計画に沿った装着時間を守る必要があります。治療結果には個人差があるため、期待できる変化と限界について説明を受け、納得したうえで治療を検討することが大切です。
インビザラインによる矯正治療の症例をご紹介しています。
10.歯列の狭さや歯並びが気になる方へ

歯列が狭い状態には、顎の骨格や歯の傾き、歯が並ぶスペースの不足など、さまざまな原因が関係しています。歯列が狭くても噛み合わせに問題がない場合もあれば、歯並びの乱れや噛みにくさにつながる場合もあります。ここでは、歯列の狭さが気になる方に向けて、原因の確認や歯科医院での検査、治療を検討する際のポイントを解説します。
歯列が狭い原因を確認することが大切
歯列が狭い場合、まずは歯列の幅が狭くなっている原因を確認することが重要です。
例えば、歯が内側に傾いている場合と、顎の骨格そのものが狭い場合では、適した治療方法が異なります。また、歯の大きさに対して歯列弓のスペースが不足している場合は、歯の重なりや傾きが生じることもあります。
歯列の狭さは見た目だけでは正確に判断できません。歯並びや噛み合わせ、顎の骨格などを総合的に確認することが大切です。
歯科医院で行う検査や診断
歯科医院では、歯列の幅や形、歯の位置、上下の噛み合わせなどを確認します。
必要に応じて、口腔内写真や歯型、口腔内スキャン、レントゲン撮影などを行い、歯列弓の形や顎の骨格を評価します。
また、歯を支える骨や歯茎の状態も重要な確認項目です。歯列を広げる治療では、歯を外側へ移動させることがあるため、歯周組織への影響も考慮する必要があります。
こうした検査結果をもとに、歯列を広げる必要があるか、どのような治療が適しているかを判断します。
自分に合った矯正治療を検討しよう
歯列が狭い場合の治療方法には、ワイヤー矯正やインビザラインなどのマウスピース型矯正装置、拡大装置を用いた治療などがあります。
ただし、すべての方に歯列を広げる治療が必要なわけではありません。歯並びや噛み合わせに問題がなければ、経過観察が選択されることもあります。
また、成人で骨格的な幅の不足が大きい場合は、通常の矯正治療だけでは対応が難しく、別の治療方法が検討されることもあります。
治療を検討する際は、期待できる変化だけでなく、治療期間や費用、歯茎の退縮、後戻りなどのリスクについても説明を受けましょう。
歯列の狭さや歯並びが気になる方は、まず歯科医院で現在の状態を確認し、自分に合った治療方法を相談することが大切です。
歯列の狭さや歯並びが気になる方はこちら!
神奈川県伊勢原市の
見えない矯正歯科治療専門外来/マウスピース矯正(インビザライン)
『 つじむら歯科医院 伊勢原 』
住所:神奈川県伊勢原市小稲葉2204−1
TEL:0463-95-8214
【監修者情報】
つじむら歯科医院グループ総院長 辻村 傑
【略歴】
1993年 神奈川歯科大学 卒業
1995年 つじむら歯科医院 開業
1997年 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008年 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010年 南カリフォルニア大学卒後研修コース修了
2010年 南カリフォルニア大学客員研究員
2010年 南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012年 ハートフルスマイルデンタルクリニック茅ヶ崎 開業
2012年 UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校卒後研修コース修了
2013年 インディアナ大学 歯周病学インプラント科客員講師
2014年 インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医
2017年 iDHA 国際歯科衛生士学会 世界会長就任
2020年 iACD 国際総合歯科学会 日本支部会長
【所属】
IIPD国際予防歯科学会認定医
日本抗加齢医学会認定医
日本歯科人間ドック学会認定医
日本口腔医学会認定医
セカンドオピニオン専門医
DGZI国際インプラント学会認定医
日本咀嚼学会会員
日本保存学会会員
日本全身咬合学会会員
日本口腔インプラント学会会員
国際歯周内科学研究会会員
日本口腔内科学研究会会員
日本床矯正研究会会員
神奈川矯正研究会会員
日本臨床唾液学会会員
NPO法人歯と健康を守ろう会会員
日本ヘルスケア歯科研究会会員
伊勢原市中央保育園学校歯科医
日本食育指導士
健康咀嚼指導士












